2015/08/19

債務整理入門 14

 それからその下の、「認定司法書士は法テラスとの相談登録契約、受任者契約、受託者契約をぜひ」ということ。これも本会事務局へ。これは何かといえば、さっき、ちょこっと触れましたが、今、法律扶助を各事務所で窓口になって行うためには、法テラスと契約を結んでおく必要があるんです。この契約は難しいものじゃなくて、ただ申込書を出すだけです。これも、この資料の後ろのほうに一応付けましたが、多少、取扱いや、やり方もあると思うので、とりあえず本会の事務局へ、電話してもらえばいいと思います。来週の早々にでも本会の事務局へ電話していただいて、「法テラスとの相談登録契約、それから受任者契約、受託者契約を結びたい」というふうに言ってください。そうすれば事務局でやってくれますので、ぜひやってください。それをやらないと法律扶助の申込みは事務所でできませんので、ぜひやっていただきたいと思います。法テラスとの契約については、現状では、認定司法書士じゃないとできない部分もあったと思います。ただ、書類作成援助だけは、認定司法書士以外の方でもできます。ですから、少なくとも書類作成援助を行うためにも、「受託予定者契約」だけは結ぶ必要があるので、認定司法書士以外の方でも、ぜひ、法テラスとの契約、全部は結べないんですけれども、書類作成援助を行うための契約というのがありますから、それだけはぜひ、結んでいただいたらよろしいかと思います。
 それから最後の「認定司法書士は労働金庫の多重債務問題改善ネットワークへの登録を」と。労働金庫で今、こういうネットワークを構築しようということで、政府の要請を受けて、労働金庫としてネットワーク作りをしようということで、本会に協力要請がきて、ろうきんへ、クレサラ受託可能な司法書士の名簿を出してくれということが言われてきています。今も出してあるんですが。これは、数年前にそういう要請があって、現状も出してあるんですけれども、ここでまたあらためて要請があったので。もう一回あらためて募集するということで、この間の本会からの通知の中に入ってました。ですので、そこに、登録申込書というところにお名前を書いて、本会へFAXしてください。要は、自分たちのためにやるというよりも、市民のために、困っている人のために、窓口を開くという意味で、ぜひ積極的に、こういう名簿などへの登録もしていただきたいということですね。
 私からは以上になりますが、何かご質問とかあれば、なんでもけっこうですので、受けますが・・・。よろしいですかね。じゃあ、また、次回以降のご案内を差し上げますので、ぜひ、みなさん、多数のご参加をお願いしたいと思います。ご静聴ありがとうございました。
(了。各論へつづく)

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2015/08/17

債務整理入門 13

 例えばやるって決まったと。で、業者相手に受任通知はどういう通知を出していったらいいのかとか、そういうのはこういう本を見ていただいて、ひな形がありますので、そのとおりにやっていけばいいということですね。これ、日司連で出している本です。今は版が変わっていて、色も変わってますけど、「クレサラ・ヤミ金事件処理の手引き」という本です。民事法研究会で出しています。これが一番最初に、最低限一冊というんであれば私はこれだと思いますので、お勧めしておきます。
 で、「7 債権調査と方針決定、引き直し計算ソフトの活用」。受任通知を送って業者から取引履歴を取り寄せるというところからやっていくんですけれど、出てきたものを利息制限法に引き直し計算しなくてはいけません。これについては、昔は電卓でいちいち計算していましたけれども、時間がかかってしょうがありませんので、簡単な方法としては、パソコンのソフトを使うのがいいんじゃないかということです。この資料の今の報酬表の次のページに付けましたが、司法書士外山敦之さんの事務所のホームページ。これもグーグル等で検索すればすぐたどりつけますので、ここに計算ソフトが無料でダウンロードできるようになっていて、私はこのソフトをいつも使っています。非常に使いやすいです。ですからこれお勧めですね。無料ですので。
 で、計算してその後どうするとか、それはまた各論の話しになるので、今日はもうそれ以上はしません。だいたい以上が総論ということで、第一回の面談まで含めて何をするべきかという部分です。で、ここから先は各論ということになります。今、私の頭の中でイメージしてるのは、4回ぐらいやりたいと思ってるんですよ。みなさんに、希望者の方のみでけっこうなんですけれども、来ていただいて、任意整理、それから過払い請求、それから個人再生、それから、破産ですね。以上の4回。これぐらいで、できるのではないかなと思っていますので、各手続きに応じた具体的な話しを、次回以降でやりたいと思っています。それを一通りで終えたいと。で、それを一通り受けていただくと、その人はもう、「できる」ということです。というか、できるようになっていただきたいという思いで、あと4回ぐらいやりたいと思っていますので、ぜひ、2回目以降、またご案内さしあげますので、出てきていただきたいなということなんですね。
 それで、最後になりましたが、2ページ目の「終わりに」というところで、認定司法書士はぜひ積極的に受任していただきたい。認定司法書士というのは簡裁の代理権をお持ちの方。もうこれは当然の義務だといってしまいたいぐらいのもので、認定司法書士の方はぜひ第一歩を踏み出していただきたい。さきほどちょっと折井さんのほうから、これを紹介してくれといわれたのがあって、日程だけメモしておいてほしいんですが、9月の1日の土曜日、1時半から4時半まで、塩尻の文化センターというところで、認定司法書士ガイダンスというのを、本会でやるらしいんです。私も今日初めて聞いたんですけれども、ここで、今後政府をあげて、多重債務問題改善プログラムというものについて、司法書士会としても対応していかなければいけないので、市町村に対して、クレサラ業務を行うことができる司法書士事務所の名簿を提出するとか、そういう話しが出てきてるらしいんですよ。私はタッチしていないのでわかりませんが。そうすると今後、市町村の役場にいった相談が、直接司法書士事務所へ紹介されてくるとか、そういうことも、可能性として出てくるということです。そういう話しがたぶんあると思うんですね。それにあたってみなさん、積極的に取り組んでくださいという話しが、9月の1日にあるらしいので、ぜひ出ていただきたいということが一つ。
 それから、そこに「非認定司法書士は」と書きましたが、非認定司法書士は、受託可能案件についてはぜひ積極的に受託していただきたい。さきほど言いました、特定調停の申立書の作成とか、単なる破産申立書の作成とか、そういう部分です。できる部分がありますので、ぜひ積極的に受託していただきたいということと、それ以外の案件については、ぜひ、うちではできないからよそへいってくれ、じゃなくて、ぜひ、認定司法書士事務所を紹介するか、個々の事務所じゃなくても少なくとも司法書士会でやってる電話相談というのがありますので、そっちの窓口の案内ぐらいはしてほしいということです。
 3番目のところで、「認定司法書士は電話相談員名簿、受任者名簿への登録を」ぜひと。これは本会の事務局へ。また、そろそろ本会のほうからあらためて募集はあると思うんですけれど、べつに募集を待つ必要はありません。今日この話しを聴いて、やってみようと思った方は、ぜひ、来週早々にでも、事務局へ電話してください。電話して、今やってる電話相談の、電話相談員と、それから受任者名簿に載せてくれということです。それをやってほしいんです、ぜひ。諏訪では、ほんとに少ないです。名簿に載せていただいている方が。電話相談だけやります、でもいいです。電話相談だけやって、仕事の引き受けはまた、様子を見てでも。二通りありますので。電話相談だけする人の名簿と、実際に受任、受託しますよっていう人の名簿、二種類ありますので、どっちかだけでもいいです。できれば両方。本会の事務局に電話して、クレサラの電話相談員の名簿に加えてくれと、いっていただけばそれでけっこうですので、ぜひお願いしたいということです。
(つづく)

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2015/08/16

債務整理入門 12

 つまりこの資料は、なぜ出したかというと、これはやっぱり立派な仕事なんですよ。ボランティアでもなんでもないです。ちゃんと報酬をいただいています、私も。これは、やったことの無い方にとっては非常に高いハードルに感じるかもしれませんが、要は慣れるかどうかです。慣れてしまうとどうということはない。
 ちょっとさっきの報酬表を見てください。簡単に計算してみてください。一番上の任意整理の一番少ない126000円というのを見てください。こういうことなんですよ。お一人の方の債務整理を引き受けただけで、126000円の収入になるということなんです。簡単に言えばね。もちろん、それだけじゃないです。過払金を取り戻してあげれば、その横にあるように、「過払金の返還を受けた場合は、返還を受けた額の2割を報酬としていただく」とか、そういうふうに決めているわけです。だいたいこういう決め方をしている人は多いと思うので、一般的だと思うんですね。そうすると、一人の債務整理をお引き受けすると、126000円の収入になるって考えてください。そうするとじゃあ、10人受けたらどうか。これは私は、立派な仕事だと思っています。ですから、ぜひやっていただきたい。慣れてしまうということです、要は。最初は、やったことがなければ、不安なのは当たり前なので、がんばって、ぜひやってください。
 もちろん、やっていく中で、いろいろイレギュラーなケースは出てくるわけです。だけどそれは、私だって、やってみなきゃわからないわけです。今だに、予想外の事態が起きて、自分じゃわからなくて、人に訊いたりということがしょっちゅうあります。
 それと、何がわずらわしいかといえば、以前はそういうことはなかったんだけど、最近は代理権をいただいたがために、任意整理ができるようになった。そうすると任意整理というのは、一回引き受けて、最終的に全部解決するまでには、かなり長くかかるわけです。早くても3ヶ月ぐらい。で、業者によって対応は違うので、言うことを聞かない業者の場合は、1年とかかかっても、未だに解決しない。1年とか2年とかですね、かかっても、いまだに和解できないで、まだそのままになっているようなケースもあるわけです。そういうまあ、長期間関わらなきゃいけなくなるわずらわしさというのは、確かにありますが、それはもう、そういうものだって割り切るかどうかですよね。
 それと、もう一つは電話です。1件、2件のうちはそうでもないですが、たくさん、10人も20人も債務整理をやるようになると、1人の債務者の方について、相手方が5社ぐらいいますから、平均すると。そうすると10人ぐらい受けると、50社ぐらい相手にしなきゃいけなくなってくると、電話がじゃんじゃんじゃんじゃん来るようにはなりますね。だけど、それも、慣れです。例えば、事務員、補助者の方が誰もいなくて、自分一人でやっているという事務所だとすると、かなり大変かもしれません。法務局にも行かなければいけない、という中で、任意整理をこなすというのはなかなか大変かもしれませんが、それなりに事務所のスタッフも入れて、手分けしてやっていくということになれば、作業的な部分は本職じゃなくてもできますので、ちゃんと事務員との間で打ち合わせをしておいて、事務所の方針をちゃんと決めておくということになれば、例えば弁済の和解案について業者から電話がきたという場合も、事務所の方針としてはこうですと。こうじゃなきゃ合意はできませんというところだけ、きちんとしておけば、何も本職が全部電話に出て対応しなくても、できます。
 ですから、そういうふうに、事務所の体制なんかも工夫していくことによって、10人、20人、30人という債務整理というのは平行して行えます。十分できます。まずは最初からそんな何十人もやるということじゃなくても、とにかく第一歩を踏み出してみようということで、ぜひやってみましょう。わからないことについては、最大限サポートしていきたいと思っていますので、ぜひがんばりましょう。
(つづく)

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2015/08/14

債務整理入門 11


 で、見通しが持てて引き受けますということになりましたら、契約を結ぶんです、その人との間でね。これは、この資料の、真ん中よりちょっと後ろのあたりに、「委任契約書」というものがあります。裏が、「債務整理業務報酬表」というふうになっている、そういう資料なんですが。これが私の事務所でふだん使っているやつです。この部分は、簡裁代理権のある方と無い方とでちょっと違います。簡裁代理権がある方の場合は、まあ、委任関係になるわけですので委任契約をここで結びます。で、こういう表現になるわけですね。これは、ちょっといちいち今日読みませんが、この委任契約書は、私は日司連のひな型に若干手を加えて自分の使いやすいようにしたんですが、これを、説明するだけでけっこう時間がかかります。この委任契約の内容を、よく説明して理解していただく必要があります。ですから全部読みます、当然、ゆっくり。膝を付き合わせて、一条ずつ全部読んでいくんですね、「これはこういうことで、これはこういうことです。で、こういうことでやっていくということですが、よろしいですね」ってやるわけです。
 それだけで、これを全部説明するだけで、だいたい10分から15分ぐらいかかるかな。これをないがしろにしちゃうと、あとあとトラブルになったりすることがあるので、気をつけてください。委任契約の内容をよく説明して、理解してもらったうえで契約を結ぶということですね。
 報酬表もついでに見ておいてください。これは単なる参考までに。今、現にやっていらっしゃる方は、自分で報酬を決めてやっていると思うので、それで何も問題はありませんし、今は報酬基準、報酬規定はなくなっちゃいましたので、いくらいただくのも自由なわけです。そうはいっても、相場みたいなものが、あるのか、ないのかっていうこともあるので、これは単なる参考程度に、私は事務所でこのぐらいいただいていますというふうに、お考えください。で、あとはみなさん、ご自由に報酬を決めていただけばいいと思うので。
 ちょっと説明しますと、一番上の任意整理、私はこういうふうに一応決めています。
 債権者が1名から5名までの場合、着手金は12万6000円。6名から10名までの場合は、16万8000円・・・。こんなような感じ。
 1社ごとに、例えば1社3万円とか、そういうように決めている方もいらっしゃいます。どっちがいいかですけど、私は、むしろ債権者が1社であるのか、例えば3社であるのか、4社であるのかで、そんなにかかる労力は変わらないと私自身思うので、こういうアバウトな規定を作っています。ただ、そうはいっても、債権者が1社しかいなくて、そんなにもめる要素もない場合に、12万6000円なんてもらえませんので、その場合は、例えば1社しかいなければ、3万円でやりましょうとか、そういうふうにする場合があります。ですからそれは、最初の段階でよく説明して、あとあともめないように、ということですね。
 で、当然この着手金というのは、最初に一括で払える人ばかりではありませんので、分割で持ってきていただくようにする場合のほうが多いです。むしろそれがほとんどかな。これはそれぞれみなさんのお考えとか、やり方があるでしょうから、一概には言えない部分ですが、まあなるべくならば分割払いとかそういうものには、応じてあげてやったほうがいいのではないかなーぐらいに私は思っています。で、無理な場合は法律扶助制度を使うというやり方もあるわけです。
 で、その下のほうに自己破産とか民事再生とか、いろいろありますので、それは手続きに応じてこういう費用が発生してくるんですよ、という説明は最初にしておいたほうがいいだろうということですね。なぜならば途中で方針が変わるという場合もあるので。最初から確定的に破産とか、決まっているケースは、あまりないと思いますので、途中で変わることがありますよと。その場合は最終的にこの表に書かれているような費用が必要になってくるんですよ、ということです。
(つづく)

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2015/08/13

債務整理入門 10

 そうは言っても、私はこういう本に載ってる相談票というのは、ちょっと自分では使いづらいと思ってまして、いつも私は聴くときは、そういう相談票はほとんど使わずに、何を聴いていくかというと、まず、負債の状況。どこからいくら借りてるか。アバウトでいいです。だいたいでいいんですけれども、例えば武富士が50万ぐらい、アコムが30万ぐらい、その程度でいいんですよ。全部聴く。
 それから、もう一つ聴くことは、それぞれの借入れを、いつ頃からやってるかということです。5年ぐらい前からなのか、3年ぐらい前からなのか、あるいは10年以上前からなのか、それを各借り入れごとに聴いていきます。その二つだけなんですね。どこからいくらぐらいかと、いつごろから借りているのか。そうすると、それが利息制限法で計算した場合に、だいたいどのぐらいになるだろうというのが、だいたい予測がつくからなんですね。それをまずやる。そうすると、その人の負債というのはだいたいこのぐらいなんだろうというのが一つ。
 それからもう一つは、その人の収入ですね、当然ですけど、収入。手取り収入がどれぐらいあるのか。
 それからもう一つは、その人の家族構成も含めた生活の状態。何人家族で、その人が、要するに養わなきゃいけない人がいるのかいないのか。あるいは逆にその人は親から養ってもらってるのかとか、そういうあたり。つまり、その人が収入がいくらあって、家族が暮らしていくうえで、どのくらいのお金がやっぱり必要なのかっていう部分ですよね。大まかなところでいいと思うんですけれども。
 そうすると、負債の額と、その人の収入、生活の状態を聴くことによって、だいたい月々分割で返済するとすれば、このぐらいが限度だなっていうようなあたりは、何となく見えてくるわけですね。だからそういう部分を聴く。
 それからもう一つ聴くのはその人の財産の状態。不動産があるのかないのか、車があるのかないのか、預貯金、それから生命保険など。生命保険というのは解約した場合に、どばっと戻ってくる場合もあるので、そうすると、例えば生命保険を解約すれば200万戻ってくるという人がいます。借金は100万円しかないという人がいます。そうすると、それは、はっきり言えば保険を解約して払っちゃうのが解決方法ということになりますよね。だから、その辺も聴くわけです。そういう主だった財産については最初の段階で当然確認する。
 あとは、その借り入れについて保証人がついていやしないか、とか、あるいは、その人自身が誰かの保証人になっていやしないか、とか、そのあたりですね、忘れがちですけど。そういうのを聴く。
 だいたいそのぐらい聴くと、見通しが出てくるんですね。もちろんその借り入れ、どういうふうにして借り入れが始まったのか、その後、どういうことで借り入れが増えてきてしまったのか、というのは当然聴きますけれども、それと、今言ったぐらいのことを一通り、ざーっと、一時間ぐらいかけて聴くと、だいたい、「あー、この人は、任意整理でいけそうかな」とか、「この人はもうほとんど破産、90%以上破産するしかないかな」とか、そういう見通しっていうのは出てくるんですね。それを、初回の面談で、できればそこまで聴き取る、ということです。
 その上で、「よし、じゃあこれは、最終的に任意整理で解決できるのか、それとも個人再生が必要になるのか、あるいは破産になる可能性もあるかもしれないけれども、見通しはあるから、引き受けましょうか」という話しになるわけです。それが、初回の面談でやることです。
(つづく)

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2015/08/12

債務整理入門 9


 それと、もう一つは、そういうことをやるためには、やっぱり時間、落ち着いて話ができる時間をとる。最初の面談というのは非常に重要だと思う。最初の面談でその人にいかに安心をさせてあげられるか、それが腕の見せどころですので、落ち着いて話しができる時間をとる。それは、どんなに少なくてもやっぱ一時間ぐらいはかかると思います。私の場合は要領が悪いので、一時間で済む場合というのはほとんど無くて、だいたい一時間半から二時間ぐらいはかかっちゃうんですね。
 そこで、じっくり話しを聴いてあげて、見通しが持てたのであれば、引き受けるわけです。その「受任」という部分なんですけど。見通しが持てなければ引き受けることはできません。例えば、さんざんじっくり話しを聴いてあげたら借金が1000万あると。利息制限法でどんなに引き直しても1000万あるという人が、俺はがんばって返していきたいんだと言ったとします。だけど、収入が例えば手取りが月々10万円しかないと。他は全然もうお金が出てくるあてはないとすると、絶対無理なんですよね、それは。なのに、その人が、自己破産は絶対したくない、俺は破産なんか絶対したくない、破産はしないんだと言い張っているとした場合、受けられないわけです、それは。だから、それは一生懸命話しを聴いてあげて、こっちも一生懸命答えてあげても、最終的に折り合わなければ、引き受けることはできません。そういうケースも現にあります。ですけれども、じっくり聴いて、話しをした結果、見通しさえ、確実な部分じゃないとしても、こういう形で、方針で、解決していくという見通しが持てれば、引き受けるということになります。
 聴き取り事項なんですが、その日に、一番最初の面談で、何を聴き取らなくてはいけないか、最低限。それはですね、もう、こういう本(注1:日本司法書士会連合会 消費者問題対策推進委員会編「クレサラ・ヤミ金事件処理の手引」(民事法研究会発行)参照)とかを見ると、相談票のひな形がありますので、その相談票にしたがって、アンケート形式で聴き取っていけば、最低限必要なことは聴き取りができます。ですからそんなところで悩む必要は無いというわけです。借入先が、どこからいくら借りていて、収入がどれだけあって、財産としてはどういうものがあって、家族構成がこうで・・・。そういうことなんですけれども。
 漏れの無いように、落ちの無いように、そういう相談票か何かにしたがって聴き取っていってあげる。そうするとそれらの聴き取りを終えると、だいたい見通しが持てるんですね。持てるというか、この状態で、どういう方法で解決したらいいか、というのが、これはまあ場数を踏む必要はありますけれども、そこである程度の言い方はできると思います。「この状態だと、ちゃんと調べて、利息制限法でちゃんと引き直し計算をしてみれば、分割弁済で解決をはかる余地は十分ありますね」とかね。それからさっきいったように、どう考えたって、これはもう破産しかないという場合もあります。ですからその場合はそういう言い方をするわけです。「このケースであれば、破産するしかないんじゃないかと思われます」と。そういう話しになるわけで。それで、ちゃんと両者が納得して、じゃあお願いしますということになれば、そこで、引き受けるということになるんですね。
(つづく)

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2015/08/10

債務整理入門 8


 それから、次の6番目の、「初回の面談で行うこと」というところに行きますが、まあ今日は、初回の面談で何をしなければいけないかというところまで話そうと思っていたんですね。ですからこれが実質最後の話しということになりますが。
 初回、初めてその人が、じゃあ例えば私なら私の事務所にやってきたと、そこをちょっとイメージしてみてください。そこで何をしなければいけないのか、ということなんです。私の事務所に来るまでには、いろんなルートがあったんでしょう、おそらく。例えば電話帳で見たという人もいるかもしれませんし、司法書士会の電話相談から紹介されてきたという人もいるかもしれません。それはまちまちですので、それはともかくとして、最終的に、いろいろあったとしても、私の事務所に「来てくれた」わけです。そこで何をするかという話しなんですが。
 まず、「心構え」ということです。で、これは別に聞き流していただいてもいいんですが、私が思っていることなんですが、心構え。これはつい、私も忘れちゃいがちなんですけれども、私の事務所に「来てくれた」わけです。例えばその人は弁護士のところに行って断られたのかもしれないし、いろんなことを経験しているかもしれません。とにかく事務所へ来てくれたわけですね。少なくとも、その人は借金で首が回らなくなっていて、助けをも求めてたどり着いたわけです。そうすると、その人に対するやっぱり話しの仕方っていうのは、あると思うんですね。それは、私がこうすべきとか、そういう問題じゃなくて、そういうことで、やっと私の事務所に来てくれたんだというスタンスをぜひ持つべきだということですね。
 で、これはちょっと話しがそれますが、たまたま昨日、私はちょっとまた初心に帰ったんですけれども、まあ、ここだから話しちゃいますけれども、私には兄弟がいまして、精神病なんですね。長年患っていまして、いろいろ家族で、自立のための支援ということを考えていたんですけれども、ちょっと行き詰ってきちゃっていた部分があって、昨日たまたま松本市にある、障害者自立支援センターというところに、縁があって相談に行ったんですね、自分の兄弟のことで。そしたら、私はそんなところに行くのは初めてで、緊張してるわけです。しかも内容が内容だけに。緊張して、正直ちょっと嫌だな、行くのやめようかなとか思いながら、でも、せっかく橋渡ししてくれた人もいたので、行ったんですね、一人で。そしたら非常に暖かく迎えていただいて、非常にリラックスして話しをすることができました。で、昨日話しをして、何か結論が出たとかっていうことじゃないんですけれども。今までは家族の中だけで、すべて解決しようとしていて。できれば人に話したくないことなんですよね。だけど、それがそうじゃなくて、家族の垣根を越えて、第三者に相談ができたということ。それから、非常に親切に話しを聴いていただいて、今後も、本人も交えて、相談してくださいねと。力になれることがあったら相談にのりますよと、励ましていただいた。で、すごく気持ちが晴れまして、ちょっと明かりが見えてきたような部分があるんですね。家族だけじゃ、どうにもならなかったということ。その雰囲気。その相談にのっていただいた人たちの雰囲気もありました。
 それからもう一つ、具体的なことを言うと、お金。私はこういうことは全然素人でわからなかったので、親切に相談にのっていただいて、これからもどんどん来てくださいと言われたときに、こういうところの相談料とか、今日の費用とかはどうしたらいいですかと訊いたら、「私たちは、松本市からの要請でというか、派遣でやっていることで、こういう費用も市のほうからいただいていますよ」と。「だから心配していただかなくていいんですよ」ということを言われたんですよ。
 そうすると、ちょっと違うかもしれませんが、少なくとも借金の問題で、相談に来た人に対する、相談にのる姿勢。それと、先ほど言いました、お金の問題。相談料とかですね。それをすごく心配しています。もともと借金で困っているわけですから、お金がかかるんじゃないか、相談料がかかるんじゃないか、うんと心配しています。ですからそこの心配を、とっぱらってあげる。ですからそのために、法律扶助制度というのも、大いに使って、「こういうものがありますよ。どうしてもというのであれば、こういう国の制度があるんですよ」と言ってやると、ずいぶんその人は、安心すると思うんですよね。だから、そういう意味もあって、心構えっていうような部分と、具体的なことはもう言いません。私もついつい忘れちゃうんですよ。私もついつい忙しくて、いらいらすると、偉そうになるんですよ。で、「聴かれたことだけに答えればいいんです」みたいなことを言っちゃったりするんですけれども、それはやっぱりタブーだということで。その人の身になって、親身に耳を傾けてあげる、そういう聴き方。これが難しいんですけれどね、必要だということです。
(つづく)

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2015/08/07

債務整理入門 7


 法律相談援助、書類作成援助、代理援助、とまあ、そこにあげたように、大きく分けて3とおりぐらい、サービスがありまして、書類作成援助というのは今言いました、一番最初に司法書士が担い手として使えるようになった仕組みが書類作成援助です。裁判所に提出する書類の作成を行う場合の司法書士報酬について、立替えをしてくれる、というのが書類作成援助です。
 それから代理援助というのは、これは、簡裁代理権が無いとできないんですけれども、代理して業者と交渉を行う、任意整理だとか、あるいは代理人として訴訟を提起する場合の、そういう司法書士の報酬ですね、これを法テラスが立替えをしてくれる、というのが代理援助。
 それから、一番上の法律相談援助というのは、これも簡裁代理権が無いとできないことなんですけれども、簡裁代理権がある司法書士は140万円までの範囲の法律相談は行えるということになりましたので、140万円を超えない範囲における紛争についての法律相談は司法書士は行える。その場合の、法律相談料、相談料ですね。相談料について、法律扶助制度の適用があるわけです。これは、立替えじゃなくて、ここだけは、よく知っておいてほしいんですけれども、ここだけは、もう完全な無料法律相談になります。つまり、相談してきた人が、収入が一定の要件に収まっているなということになれば、その人は法テラスの法律相談援助が受けられるわけです。具体的に言いますと、その人にとっては無料法律相談ということになります。で、相談にのった我々は、無料で相談にのらなければいけないかというと、そうじゃなくて、法テラスから相談料を払っていただけるんですね。それがだいたい一時間単位で考えられてまして、一時間あたり5250円。だいたいだから相談1件あたり5250円の相談料を法テラスからいただけるわけです。現にそういう仕組みがあって、私もよく使っています。ですから、これをぜひ知っておいていただいて、相談は、「俺は相談料なんかそもそももらわない」というポリシーがあってやっている人はいいですけれども、やっぱり時間をとって相談にのって、知識を提供しているわけですから、相談料ももらうんだと。その代わり、相談料をいただけないような方については法テラスの法律相談援助を使って、法テラスから相談料をいただくんだというふうに心がけてやっていくと、相談も、ちゃんとした手当てをいただいて相談を行えるということになると、それは私たちの業務にとっても非常に意味のあるというか、大きなことだなというふうに思います。
 ですので、ぜひこれを知って、法律相談援助、それから書類作成援助と代理援助、これをよく知って、日々使っていっていただきたいということですね。債務整理の仕事をやっていくとともに、法律扶助も使いこなしていくということです。今日の資料にいろいろ付けましたが、ざっと目を通していただいて、細かいことは今日ちょっと言っている時間が無いので、ぜひ目を通してみてください。
 それで、具体的なこととしてはですね、法テラスとの契約を結ぶ必要が出てくるんですけれども、これは今日の一番最後に言います。で、あと、法テラスとの契約は手続き上必要なんですけど、実際にやっていく上で、申込書の書き方とか、申込書をどこに送ったらいいのかとか、そういうことについては、やっていけばわかるんですけれども、私のホームページがありまして、「小口一成」ってグーグルか何かで検索するとすぐ出てきますけど、私の事務所のホームページの中に、「法律扶助活用マニュアル」っていうところがあります(注1)。「法律扶助活用マニュアル」というところをクリックしていただくと、私が当時作ったマニュアルがそこに載っていまして、それはもうほとんどそのまま日司連の法律扶助マニュアルになっています。字句の訂正とか、そういう細かい点でちょっと変えられた部分もありますけれども、日司連の法律扶助マニュアルという冊子になって、当時何千部か発行されて配られたんですけれども、たぶんみなさん全員のところには行き届いてないと思うんですね。で、もう在庫が、聞いてみたらほとんど無いということで。で、法律扶助協会から法テラスに代わって、若干仕組みが変わった部分もあるので、マニュアル自体が改訂しなきゃいけなくなってるんですけど、残念ながらまだ改訂がされてないということで、その冊子自体が無いんですけれども、私のホームページにいきますと、その原案みたいなものがありますので、それをぜひ開いてみてください(注2)。そうすると、実際に今言いました、法律扶助制度を司法書士が使っていくためにはどういうふうにすればいいのかということが、わりと詳しく書かれていますので、それもちょっと参考にしてみていただければと思います。

注1:その後、ホームページの改訂がなされており、現在は同ホームページ上に「法律扶助活用マニュアル」は存在しません。
注2:同マニュアルはその後改訂がなされ、現在は「司法書士のための法律扶助活用マニュアル」として日司連会員情報システム NSR2.net(日司連ネット~会員専用サイト)にアップされています。
(つづく)

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2015/08/04

債務整理入門 6

 それから、「認定司法書士でなくてもできること」というのは、1頁目の部分ですが、簡裁代理権を持っていなくてもできることがあると言いましたけれども、じゃあ具体的に何ができるのかということなんですが。これはもう、話しは簡単です。例えば何ができるか。特定調停の申立書を作ってあげる、というのはできますよね、特定調停の申立書の作成、これは立派な仕事です。私は代理権をいただく前は、それをやっていたわけです。あるいは破産の申立て書類の作成だってできます。それから個人再生の申立書の作成だってできます。それから、例えば今はもう、非常に、過払いとか、そういうことをよく知っている人が多くて、一般の人でもですね、「これだけ過払金があるんだけど、取り戻しをしてもらえませんか」という相談もあるわけです。そうすると、その人は自分で業者から取引履歴を取り寄せて、再計算もしているわけですね。そうすると、後はそれを請求すればいいという段階であれば、これは、簡裁代理権が無くったって、例えばその人が本人で訴訟をやりたいということになれば、訴状の作成から始まって、お手伝いできるわけです。現にやっていたわけですね、私たちはそういうことを。
 それから最初に言ったヤミ金への対応というのは、これはもう簡裁代理権の有無にかかわらず、当然やるべき。それが業務ということになるかって言われると、なかなか悩ましい部分もありますけれども、ヤミ金への対応を通じて、本人を支えてあげるというのは、これは代理権の有無なんてのにかかわらず、私はできるだろうと思います。昔はそう思っていませんでしたけどね。昔は代理権が無いから交渉できないんじゃないか、というふうに思っていたわけです、ヤミ金についても。だけど、そんなことを言ってる場合じゃないと。犯罪ですから。別に司法書士だから、ということももちろんあるんですけれども、ヤミ金もめちゃくちゃなことをやってる、目の前で犯罪が行われているわけです。それを知らん顔するか、そうじゃないかという話しですから、簡裁代理権がどうのこうのという話しじゃないだろうというふうに、私は思います。
 ですからそう考えていくと、簡裁代理権が無くてもできる仕事というのはあります。かなりありますから、ぜひ、そこは取り組んでいただきたいということですね。確かに代理権が無いとできない部分もかなりありますけれども、それはきっちりと区分けして。例えば残念ながら、このケースは代理権が無いとお手伝いできないということになれば、それは、簡裁代理権を持っている司法書士を紹介してあげるとか、あるいは本会で電話相談など行っていますので、そちらを紹介するとか、そういうことで対応していっていただけばいいかなというふうに思います。
 それから、5番目の「債務整理と法律扶助」という部分。法律扶助は非常に重要になってきますので、ここでちょっとお話ししておきたいんですが。法律扶助制度というのはもともとありまして、もともと司法書士は法律扶助制度には無関係だったんですね。それが平成12年に民事法律扶助法という法律ができまして、そこで初めて、法律扶助制度の中に、書類作成援助という枠組みが作られたんです。そこで初めて司法書士が、法律扶助制度の担い手として関与できるということになったわけで、まだ、歴史は浅いんですね。ですが、法律扶助制度の担い手として司法書士が関与できるようになったというのは非常にすばらしいことで、法律家として認めてもらえたという気もします。
 で、具体的に言いますと、実際に法律扶助制度というのは、司法書士の場合についてはどういう分野で使われているかというと、もうほとんど、債務整理なんですね。別に債務整理以外の仕事で法律理扶助制度を使ったっていいんですけれども、実際どうかといえば、ほとんどもう95%以上ぐらいは債務整理に関する部分で法律扶助が使われています。で、私なんかもかなりそれを活用して、ふだん行っているんですが。
 簡単に言うと、こういうことなんですね。仕事ですので、当然報酬をいただいて、行うわけですが、通常は、お客さんから直接報酬をいただくわけですけれども、その方が経済的に、一定の金額よりはちょっと収入が少ないような方の場合には、法律扶助制度が使えると。使うとどうなるかというと、司法書士報酬を法テラスが立て替えて払ってくれる。その人に代わってですね。例えば自己破産の報酬10万円だとすれば、10万円を、法テラスが立て替えて払ってくれるわけです。で、後からお客さんはその10万円なりを、月々少しずつ、5000円ずつとか、そんな感じですけども、返していってもらうような形になる、ということですね。これは非常によく使われています。自己破産の場合もそうですし、任意整理などの場合もそうですし、個人再生も、あらゆる場面で、債務整理のあらゆる場面で法律扶助制度は使えます。問題はその依頼者というか、ご本人の収入が、一定の条件を超えていないかどうか、ということだけですので。たいてい債務整理というか、多重債務に陥って相談してくるような方であれば、そんなに収入が多い方は、そんなにはいらっしゃらないので、法律扶助の要件にあてはまる方というのはかなりいます。そういう意味でも、この法律扶助制度を使う余地が非常にありますから、ぜひこの仕組みを知って、事務所に相談にきた方にはぜひ法律扶助制度を案内してあげて、使うか使わないかはその方が、本人が判断すればいいわけで、私たちが押し付けて使わせるわけではないので、「こういう制度がありますけど、どうしますか。使えますがどうしますか」って案内してあげて、その人が、「じゃあそれを使っていきたいと思います」と言えば、使っていけばいい。
 で、申込みの手続きについては、司法書士事務所も窓口になっています。ですから、いちいち長野市にある法テラスの事務所へ出かけていかなくても、各事務所で法律扶助の申込みの手続きが行えるようになってるんですね。ですから、そういう申込書なども事務所に備え付けておいて、必要があればその申込書を本人に書いていただいて、法テラスへあげていくと、そういうことも司法書士ができるということですね。
(つづく)

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2015/08/03

債務整理入門 5


 続いて4ですが、「債務整理と簡裁代理権」。で、ちょっと先に言おうと思ってて忘れちゃったんですけれども、この債務整理をやっていく上で、一つ明確に分けて話さなきゃいけないのは、簡裁代理権を持っている人と、そうじゃない人。で、簡裁代理権を持っている人じゃないとできない部分も確かにあります。そうじゃなくて簡裁代理権がなくてもできる部分もあるわけです。ですからそこを明確に区分けして、「いや、自分は簡裁代理権ないから、もうそもそもやらない、やる必要もない」、そう考えてほしくないわけです。なぜなら、もともと私たちはみんな簡裁代理権なんてなかったわけです。で、ない時代にもやってたわけです。だから、簡裁代理権がなくても、司法書士として債務整理ができる部分はあります。実際にありますから、そこは。ですからみなさんにお話しするわけです。そうじゃなければ簡裁代理権を持っている人だけ集めて話しゃあいいっていう話しになっちゃうので、そうじゃないと。ですから、これから先の話は、そこをちょっと、できれば分けて、ちゃんと自分も分けて話していきたいと思ってるんですけれども。
 で、その4というところなんですが、「債務整理と簡裁代理権」というところですが、「代理権の範囲のとらえ方」と。これは、代理権を持っている人に主にお話ししたいことです。代理権の140万円というのがあるんですけれども、その基準、考え方。少なくとも債務整理をやる上で、140万円というのはどういうふうに考えるべきなのかという話しですが。この資料でいきますと、先ほど紹介した、大きな字で書かれている文章の資料の次についているものです。縦書きの、本のコピーをしてきたんですけれども、これは何の本かというと、注釈司法書士(注1:小林昭彦、河合芳光著「注釈 司法書士法」(テイハン 発行)97頁参照)という厚い本です。特別研修のときの教材だったものですけど、注釈司法書士法、テイハンの。その97ページをコピーしてきたんですが。ここはもう、日司連なりなんなりで、きちんと見解が確立されていまして。ごく簡単にいうと、その4行目ぐらいのところです。「紛争の目的の価額の算定には、残債務の額ではなくて、弁済計画の変更によって債務者が受ける経済的利益による」んだということです。で、さらにその次の、「また・・・」というところから。「また、複数の債権者との間で一つの和解契約をする場合・・・」これは通常ないです。さらに次の行で、「債権者ごとに各別の和解契約をする場合・・・」これが普通ですから、「債権者ごとに各別の和解契約をする場合は、債権者ごとに各別に算定することになる」。つまり、5社ぐらい借りているような場合でも、債権者ごとに、1社ごとに考えればよいと。1社ごとに考えればよいというのは、何を考えればよいかというと、「弁済計画の変更によって債務者が受ける経済的利益」です。ですから、すごく簡単にいえば、例えば武富士から100万借りていて、アコムから200万借りていて、プロミスから150万借りていたとします。そうすると、例えばアコムから200万借りてたら、アコムとの交渉はもう代理権の範囲外かというと、そうじゃないということです。そうじゃなくて、例えば当初、アコムからの借入金が200万あったとしても、利息制限法に引き直して計算してみれば、それが100万円になっていると。そうすると、100万円を一括で払うという交渉をするときの経済的利益というのは、200から100に減らしてあげるわけですから、100万円ということになるわけですね。そういうふうに考えるということです。で、そう考えてくと、ほとんどすべての事例は、代理権の範囲内でできてしまいます。実際に私も、代理権をもらって任意整理をやるようになって、4年ぐらい経つのかな、やってますけれども、少なくとも、過払い請求は別として、過払い請求にはまた別の問題がありますが。そうじゃなくて、分割弁済なりなんなりしていくという、話し合いをするにおいて、代理権の範囲を超えてしまったというケースは、今まで、記憶がないだけかもしれないんですけれども、ちょっと無いぐらいなんですね。だから、弁済していくという話しをするときに、その経済的利益が1社あたり140万円を超えてしまうケースというのは、ほとんどないです。まあ、絶対にないとはいいませんけどね。もしそれでもあれば、そこんとこは代理権の範囲が及ばないということになりますが、そんなことは最初から考える必要がないぐらいのことです。
 問題は、過払いの場合。過払いになっていた場合には、過払金の返還を請求するという話しになってくるんですけれども、それが確かに140万円を超えちゃうケースというのは、これはたくさんあります。過払金が200万とか300万というケースはざらにあります。そうすると、その200万なりの過払金の請求は、ここは司法書士は代理しておこなうことはできない、ということになります。ですから、じゃあそれはどうするかといったら、本人が自分で請求するしかない、ということになるんですけれども、自分でやってくれって突き放すんじゃなくて、今まで我々がやってたように、本人で請求して駄目なら訴訟。訴訟も本人訴訟でできます。しょっちゅうやってることですので。
 だから、そういうことでやっていくと、任意整理、それから過払い請求も含めて、破産や再生もそうですけど、司法書士は、ほとんどすべての部分をカバーできます、債務整理においては。そこでカバーできない部分が出てくるとすれば、今いったように過払金がすごくたくさんある、200万も300万も、1社についてですね。1社について200万も300万も過払いがあるという場合は、「代理して」請求することはできないという、そこだけです。だけどそこのところも、ちゃんと説明して、ここんとこは、本人の名前で請求をかけていくことになりますと。実際交渉もできませんから。司法書士が交渉することはできないと。だからそこの、本人との打ち合わせとか、ケアというのが必要になってくるというのは確かにありますが、それは、やっていけば、延長線上の業務として当然出てきますけれども、それだって普段やっていることです。途中で代理権の範囲を超えちゃったから、ここは弁護士に、っていうふうにしたケースというのは私も今までないです。そこはだからできることなんですね。
(つづく)

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