不動産担保ローンと任意整理 4
E 御中
平成19年 月 日
〒394-0028長野県岡谷市本町四丁目1番37号本町ビル4階
小口一成司法書士事務所
後記依頼者両名代理人司法書士 小 口 一 成
電 話0266-24-5402
FAX0266-24-5406
和解申入書
冠省
後記依頼者両名の代理人として通知いたします。
さて、後記依頼者○○が、貴社との金銭消費貸借契約に基づき、貴社に対して弁済した利息を利息制限法に基づき充当し直すと、○○は貴社からの借入金をすでに完済しており、金○円の過払いが発生しているものと思われます(同人から貴社に対する平成19年○月○日付け通知書のとおり)。
そこで、別紙和解書(案)のとおりの和解を提案いたします。
ご承諾いただけます場合は平成19年○月○日までに、当職までその旨ご一報くださいますようお願い申し上げます。ご承諾いただけない場合にはその理由を、同日までにご回答ください。
期日までにご回答をいただけない場合には、○○簡易裁判所に訴訟を提起いたします。その際には訴訟費用だけでなく、司法書士費用を損害として賠償請求させていただきます。
依頼者の表示
住 所 長野県○市○番地
氏 名 ○ ○
生年月日 昭和 年 月 日
住 所 長野県○市○番地
氏 名 △ △
生年月日 昭和 年 月 日
草々
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和 解 書
○○を甲、△△を乙、アイフル株式会社を丙とし、甲・乙・丙間において以下のとおり和解契約を締結する。
1 甲と丙は、甲・丙間の金銭消費貸借取引に関して、相互に一切の債権債務が存在しないことを確認する。
2 丙は、乙所有の別紙物件目録記載の不動産についてなされている、長野地方法務局○○支局平成 年 月 日受付第 号の根抵当権設定登記の抹消登記手続きに必要な書類を速やかに甲、乙代理人に交付する。但し、登記手続費用は甲および乙の負担とする。
3 甲は、丙に対するその余の請求を放棄する。
4 甲・乙・丙間には、本条項に定める他、何らの債権債務が無いことを相互に確認する。
平成 年 月 日
甲 長野県○市○番地
○ ○
(昭和 年 月 日生)
乙 長野県○市○番地
△ △
(昭和 年 月 日生)
長野県岡谷市本町四丁目1番37号 本町ビル4階
甲、乙代理人司法書士 小 口 一 成
(長野県司法書士会所属 認定番号 第110090号)
丙
物 件 目 録 (省略)
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7 和解成立
その後、Eから私の事務所に電話があり、Eの計算によればまだ数百円程度の貸金債権が残る、とのことであったが、その程度の違いであれば互いに債権債務無しということで和解してもらいたいと押したところ、数日後、会社の決済が取れたとのことで、あっさりと和解に至った。
その際に交わした和解書の内容は、私が提案した上記和解案とほぼ同様のものである。
和解書を取り交わした数日後、Eより根抵当権抹消書類一式が私の事務所に送付され、無事に抹消登記手続きを済ませることができた。
8 課題
上記民事局長通知によれば、不動産担保が設定されている事案においても司法書士が代理人として交渉可能なケースはけして少なくないものと思われる。
反面、この事例のように、本人による交渉では貸金業規制法の適用を主張して譲らなかった業者が、司法書士が介入するや、そうした主張を引っ込め、即座に利息制限法に基づく解決に応じるという姿勢には、やはり問題があると思う。
利息制限法による解決は、法律家の介入の有無にかかわらず、実現されなければならない。今後こうした事例の簡易迅速な解決が、特定調停や任意整理の場で図られることを願いつつ、自らも行動していきたい。
(了)
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