2014/09/08

災害時の法律相談 8

 で、今日資料では配ってないんですけれども、さっき説明した運営基準の中で、こういうことも書かれています。基金の充実についてということで。市民救援基金の話しなんですけど、基金の充実について。「当分の間、一般会計からの定期的な繰り入れを継続することとし、基金の積極的な活用を図ることにより、将来は寄付金の募集等が可能となるような状況を作出する。被災者救援活動費を支出した場合は、基金の広報をして寄付を募る。」
 それから基金のPRについて。「市民に対し日司連のホームページを利用して被災者救援活動について積極的なPRを図る。」
 あるいは危機管理体制の構築について。「司法書士会の役員改選後に危機管理マニュアルのポスターを司法書士会に送付する。司法書士会は危機管理の担当者を決定し事務局に提出する。」
 要は、この基金があるということをもっともっとPRすべきだということです。私も知らなかったぐらいなので、市民の方は知ってるはずがないわけです。こんなものがあるということを。ですから、これから、私たち一人一人ができることがあるっていうのはそのとおりなんですけれども、やるからには、宣伝もどんどんしてですね、司法書士会として、支援活動、被災者支援の活動をこれだけ取り組んでいますということを、もっともっとPRしていくべきであるということだろうと思います。
 まあ、我々の業務の性質上、広告とかそういうものってのはあまり一般的ではないんですけれども、こと、こういう場合にはですね、災害支援とかそういう場合には、おとなしくしていればいいって話じゃなくて、やっぱり我々司法書士が力になります、ということを、世間に言っていく必要があろうということですね。
 で、今日資料で新潟県の資料を付けさせていただいたんですけれども、これは昨年の長野県青年司法書士協議会の研修会のときに、新潟の元会長の外山先生を講師にお招きして、新潟の災害の際のお話を聴きました。「災害発生時の司法書士の役割」という題でお話をしていただいたんですけれども、その際も外山先生が力説されていたのは、相談のマニュアルとかそういう問題ではなくて、やっぱり、司法書士会の、いい意味で名前を売るっていうか、そういうことのためにも自分たちはこれに力を入れたんだということをすごく言っておられました。それでいろいろ宣伝にもお金をかけて、テレビコマーシャルなんかもやったり作ったりとか、非常にその広報をいろんな形で行って、その結果が相談者の方がたくさん訪れたんだということを言ってました。
ですので、今後、この地元でもって、相談活動をぜひやるべきだというふうに私は思いますけれども、その際には、一人でも多くの方に知っていただけるような工夫をしながら。
 あとその、いろんな立場の方とも連携が必要だとは思います。例えば行政の窓口。市役所の窓口でもこういう相談窓口がたぶんあると思うんですけれども、そういう窓口とも連携を当然はかったりとか、あるいは、司法書士会だけで行うのもいいとは思うんですけれども、例えば、事柄の性質上、土地家屋調査士さんの知識も必要だということになれば、土地家屋調査士会と合同でやろう、というような話しがあってもいいんじゃないかといふうに思います。例えば、土石流なんかの災害の場合には境界がよくわからなくなっちゃって、というような相談が当然考えられるわけですね。私はその方面のことは全くわからないんですけれども、そういうことで困っている方がいるとすれば、司法書士として窓口を開いてやっていく。さらに相談をやるだけじゃなくて、報酬の減免というのが制度としてあるんだということも、公にしながらやっていくということだろうと思います。
 一時間ですのでもうあと5分くらいで話しを止めますけれども、あと似たようなもので法律扶助制度というのがあるんですけれども、法律扶助はあくまでも費用の立替ですので、司法書士報酬を法律扶助協会が立て替えて払ってくれたとしても、その費用は依頼者に返済をしてってもらわなければいけない、ということなので、これとは明らかに違います。これは減免で、減免したお金は日司連が出すということなので、まさに被災者の方の支援そのものであるということです。法律扶助制度とちょっと似ていますが、違うんだということですね。
 だいたいすみません用意してきた話はそれぐらいで終わってしまったんですけれども、あの、先に言いましたように私自身も何も知識は無いです。この事例集を見ても、実際こんな相談が来て、私自身が相談員として答えられるかといえば、あたふたあたふたしちゃって、たぶん、とてもそんなスマートにはのれないと思うんですね。ですがその、最初のときってのは、みんなマニュアルなんか無かったんであって、例えば阪神大震災のときっていうのは、私が司法書士になった年でした。私がちょうど司法書士試験に受かって、その何ヵ月後かに阪神大震災があって、入会したときに、青司協の先輩の人たちが、阪神淡路大震災の被災地の視察に行ってきたっていうような話を研修会でしていた記憶があるんですけれども、まさにそんなときっていうのは、マニュアルなんかたぶん無かったと思うし、そんな中で、司法書士が非常にがんばって相談活動にあたったということがあったようです。で、その、阪神淡路大震災のときの司法書士の活動というのが非常に評価されていて、それが、噂では、今回の簡裁代理権の付与にもつながったっていうぐらいのインパクトがあったようにも聞いています。当時、阪神淡路大震災でいろんな士業の人たちが活動していた中で、司法書士の活動がすごく目を引いたっていうようなことがあちこちで言われています。この新潟の際にも、今日はちょっと付けなんじゃったんですけれども、何かの資料では、一般の人の感想として、同じ場所で弁護会も法律相談をやっていたんだと、だけども、やっぱりその市民の目から見て、司法書士会の相談のほうにどうしても足が向いたんだというようなコメントが寄せられていたり、というようなことで、こういうときに、司法書士のフットワークっていうのはかなりいいものがあるということを、これはもう私はただ聞いて知っているだけですけれども、そういうことも言われていますので、私たちの地元であった災害に対しては、私たち自身が、他人事ではなく、中心になって、いろいろ活動をしていくべきだろうというふうに思いますので、一緒にがんばりましょう。一応、以上になります。
(了)

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災害時の法律相談 7

 こんなようなものです。で、実際は、資料として付けてあるのは、今日は抜粋して付けてきただけなので、実際は規則とか、別表とか、付録第何号とか、もっといろいろなものが付いています。今日は私たち会員一人一人に直に関係がある資料だけを付けてきたんですが、他には、例えば司法書士会が日司連に、この基金の適用を申し込む際の、司法書士会が日司連へ申し込むときの申込書の様式とかそういうのがいっぱい付いているわけです。で、これはさっきいったように日司連ドットネットとかっていうのでどなたでも見れるので、また、見てみてください。
 これは、今日お話しした、私たち司法書士の報酬の減免制度というのが、日司連の基金でもってそういう制度があるんだということを少なくとも知っていただきたいということです。私は正直言って知りませんでした、そういうのがあるっていうことは。こういうのがあります。ですので、さっきのロマネットの話じゃないですけど、司法書士としてできることがあるとすれば、まさに災害にあわれた方で、例えば登記の必要が出て、依頼に来た方に対して、こういうものがあるっていうことを知って、例えば2万円の報酬のところ、1万円減免してあげる、で、そのかわりその1万円は日司連の基金からいただけるっていうようなもの。で、これは、やはり私たちができることだと思います。で、これは、正直やろうとすると面倒くさいことだと思うんですね。申込書あげてとかっていう。面倒くさいんですが、やっぱりやらなくちゃいけないんだろうと思います。まだその災害として日司連の認定を受けてるわけではおそらくないので、今すぐやれることではないんですけれども、こういうものが使える方向でこれから動いていかなければならないんだろうと、私は勝手に思っているので、近々、そういう認定がされて、みなさんのところへも、司法書士会からこの「日司連基金の適用を受けることになりましたので、よろしくお願いします」っていうような通知が来ることになるんじゃないか、というか、なってほしいというふうに思っているので、ちょっと念頭に置いておいていただきたいと思うんです。
 で、その、新潟の場合にどうだったかっていいますと、今日、追加でお配りした1枚だけの、「中越大震災減免申請取扱件数」という資料を見てください。これが、今いいました、報酬の減免制度の利用状況、申請件数です。上の表は、中越大震災、地震のときの状況、下の表が、水害のときの取扱件数がそこに載っています。で、それを見ていただくとかなり使われてるんですね、やっぱり。日付を見ていただきますと、新潟の水害があったのが7月13日。で、最初にこの減免の申請があったのが、9月3日ですから、2ヶ月近く後になっているわけですから、私たちのこの地域の災害の場合にもやっぱりこれからっていうことですよね。で、2ヵ月後の9月3日くらいから件数が出てきて、17年5月までですから、1年近くの期間に渡ってこういう報酬の減免申請が新潟県の司法書士会の会員からこういう申請があったんだっていうことですね。件数でいくと671件。一ヶ月あたりで30件から多いときで128件っていうような数字が出ていて、金額でいいますと延べ998万円、1000万円近いお金が支援金として拠出されたということですね。上のほうの震災のほうの表を見ていただきますと、もっと多いです。3570件で、5230万円というものが、拠出されていると。ですので、まあ、今後、こういうことが、現実に必要になってくるのではないかなというふうに思っています。
(つづく)

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災害時の法律相談 6

 次の3枚目ですが、「日司連市民救援基金運営基準」というやつです。もうちょっと具体的に書いてありまして、「1.規則3条に定める事業としての被災者救援活動は以下の事業開始の決定手続きにより行う。」ですから、決定がされる必要があるので、まだこの長野県内の災害について、この決定というのはされてないんだろうと思うんですよ。ちょっと私の理解が間違っているのかもしれないんですけれども、まだこの決定はされてなくて、後にいろいろ出てきますけれども、この現地の災害の状況を日司連に報告をして、これは、じゃあこの事業を行うべき災害だというふうに日司連のほうで認定がされて初めてこれが、支援活動が行われるということなんですよ。ですからこれからやってくためには、もちろん私たち一人一人でもできることと言いましたけれども、前提として、本会を通じて日司連のほうに報告をして、この基金の適用を受けたいんだということを申し込んで認定を受けて初めてできるということですので、それは今後、執行部、役員のほうでやっていくことではあります。
 その1.の括弧2です。規則3条1号に定める司法書士業務報酬相当額の援助というのはどういうものかっていうと、「以下の基準により、日司連市民救援基金から支出する」と。で、括弧1。「援助は、災害が発生したことにより、行う必要が生じた司法書士業務に限定して行う」と。で、2。「援助の額は、別紙2の被災者救援活動費の額とします。旅費や日当、宿泊費、相談料等は支援しません。」
 その別紙2というのをちょっと見ていただけますか。これを見ていただきますと、具体的におわかりいただけると思うんですけれども、例えば所有権保存の場合の支援金ていうのはいくらかっていうと、課税標準価格の0.1%。1000万だとすると1万円ということですかね。但し、算出した金額が1万円を超えるときの限度額は1万円。だから、最大で所有権保存の場合は1万円までが支援、援助されます。具体的に言いますとどういうことかっていうと、例えば所有権保存の報酬が2万円だとしますと、普通だったら2万円いただくところ、被災に遭われた方からの依頼で所有権保存登記をやる場合に、通常2万円いただくところ、被災者の方からは1万円だけいただくと。差額の1万円は日司連の基金から支払われるということです。ここに書いてある金額を基準としてそういう支援がなされますということなんですね。
 で、さっき何のことかわからないかもしれないと言った、「改正されました」っていうのは何が改正されたかっていうと、今までであれば、罹災証明だけ付ければ、無条件で基金からお金が支払われていたらしいんですね。で、それじゃいけないということで、災害と因果関係のある業務に限ってこれを適用しますっていうふうに改正がされたということのようなんです。
 ちょっと戻りまして、さっきの運営基準括弧3というところにいきますと、「援助申請については期限を設けません」と。「但し、被災地の司法書士会と運営委員会の協議によって期限を設けることができます。」で、括弧4として、「被災者に対する司法書士報酬減免の広報の時期、方法などは被災地の司法書士会と運営委員会で協議して決定します」ということのようなんですね。
 で、3。その続きの3を見てください。「規則3条1号に定める司法書士業務報酬相当額の援助は、以下の手続きにより基金から支払う。括弧1.受任司法書士が報酬を減免したときは、受任会員が所属司法書士会へ、付録様式第3号の司法書士報酬減免援助申請書を提出して援助申請をすることができる」となっていて、その付録第3号の申請書というのが、資料の一番最後のページに付けてあるのがそれです。これに記入して、私たちであれば、長野県司法書士会の事務局へこれを出すということなんですね。で、下のほうに添付書面として、領収書控えの写し、それから2として「因果関係の証明文書」とあります。で、因果関係証明文書というのは何かというと、別紙3で、「因果関係に関する事項」というのがあります。「司法書士業務報酬援助の条件である、因果関係があることについての基準は以下のとおりとします。」
 「1.援助の対象となる司法書士業務は、災害との間に相当な因果関係が存在するものに限定する」とありまして、2として、「因果関係を証明する文書は、できる限り、公文書、第三者である専門職業人が作成した文書、写真など、客観性・妥当性のある文書が望ましい。」例として、「以下のようなものが考えられます。例えば、括弧1.建物が被災したことにより、再築した場合の所有権保存登記の場合は、被災した建物の罹災証明書、写真など。」あくまでも例示です。それから括弧2として、「不動産所有者が災害により死亡したことによる相続等を原因とする所有権移転登記の場合は、被相続人が災害により死亡したことがわかる死亡診断書、新聞記事など」とあります。「戸籍謄本などでは不可」って書いてあるんですね。
 あとは括弧6では、「災害により債務が支払い不能状況となったことによる破産や再生、特定調停あるいは債務整理の申立ての場合は債権者一覧表および債権者からの回答書、督促状など、借入れ等を始めてから支払い不能状況になるまでの経過説明書のようなもの。」ですから、特に決まっているわけではなくて、疎明できるようなものを、まあ付けてくださいということのようです。
 で、3として、「因果関係を客観的に証明する文書の添付が困難な場合は、援助申請する司法書士が作成した調査報告書を添付することでもよい」ということですね。
 で、次のページで続きがあって、「4.援助を必要とする司法書士業務の前提として、必要不可欠な司法書士業務については、その業務自体に因果関係が無くても援助の対象とする。例えば、災害により死亡した者を遺贈者とする遺贈登記の前提として遺贈者の登記名義人表示変更登記を行う場合など。」前提登記としての名変みたいなものも援助の対象とするということが書いてあります。
(つづく)

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2014/09/04

災害時の法律相談 5


 で、それが今日お配りしてある資料の中で、「司法書士会会長殿 日司連災害対策室設置規則等一部改正について お知らせ」という資料なんですが、これは、私自身どこから取り寄せたかって言いますと、NSR2という、日司連の会員がアクセスして、会議室なんかがあって、いろいろ質問したりできるようなものがあるんです。どなたでも見れます。日司連の会員のためのホームページみたいなもので、誰でも見れます。その中で、日司連からのお知らせというところに、この今日お配りした資料がアップされているわけです。で、私はたぶん今日研修会がなければ、この資料をこうやって印刷することはなかったんだろうなと思うんですけれども、ちょうどいいものがあったんで、印刷してきました。
 で、これはですね、概要を説明しますと、その一番上の一枚目のところをちょっと見てみますと、重要なことが書いてあって、改正をしたっていうことなんです。「なお、この改正では、日司連市民救援基金設置規則3条1号に定める、司法書士業務報酬相当額の援助について、日司連市民救援運用基準3の2により、災害と援助申請業務とに相当な因果関係があることが援助の条件となりました。」なんのことかちょっとわかりづらいんですけど、その続きもちょっと読んでみます。「従来は、罹災証明書の添付により、日司連市民救援基金運営基準別紙2の『被災者支援活動費』に定める業務報酬相当額が市民救援基金から支出されていましたが、申請には災害との因果関係の無い司法書士業務も少なくありませんでした。」なんでもかんでも申請されちゃうということがあったということですかね。「そこで、当該災害に起因する司法書士業務についての報酬援助という市民救援基金の目的にかんがみ、上記の改正を行ったものですので、ご理解のほどお願い申し上げます」ということです。
 次のページが、日司連市民救援基金設置規則というものが付いていると思うんですが、ちょっとそれを見てください。こういう基金が設置されています。で、この基金が設置されたきっかけは、阪神淡路大震災だということのようです。詳しくは知りませんが、その際に日司連として何かすべき、こういうことが必要だということで、何年か後にこういう基金ができたらしいんですね。
 どういう基金かというと、第2条で、「この基金は、被災者に対して、司法書士が提供する法的サービスの支援のために設置する」ということです。で第3条です。「この基金は前条の目的を達成するため、次に掲げる事項に関する事業を行う。1 被災者に対する司法書士業務報酬相当額の援助に関する事項。2 被災者のための相談等への活動費用支援に関する事項。・・・」この二つですね、重要なのは。で、この1が、まさに私たちが、一人一人ができるっていうのがこれです。事務所にいてもできる援助。これがその司法書士業務報酬の援助です。具体的にはまた後で説明しますが。で、2としては、被災者のための相談等の活動費の援助。これは具体的には、例えば今後、この諏訪地区で、被災者の方を対象とする相談会をやりました、ということになりますと、相談員として出ていただいた会員の方1名あたり1万円の日当をこの基金から出すというようなことです、具体的には。で、第4条。「この基金の資金は次に掲げるものとする。日本司法書士会連合会からの拠出金。」だからみなさんが、私たちが、日司連に納めた会費の中から、特別会計みたいな形になっていて、そこからこの基金にお金が出ているということなんですよね。こういうことにお金を使おうということなんです。
(つづく)

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災害時の法律相談 4

 まず、今日追加でお配りした新聞記事をちょっと見てください。たまたま今朝の信濃毎日新聞で、こういう記事が出ていたのでコピーしてきました。災害から一ヶ月経った上伊那地方の記事がここに載ってまして、生活再建はまだなお途上、これからなんだということです。そこにいろいろ書かれていますけれども、本文のところでは、「家財全てを失い借金だけが残った。どう生活していけばいいのか」というようなこと。「家のローン800万を抱えて眠れない日々が続く。」で、四段目あたりでは、「被災者生活再建支援法」という法律があるようなんですが、その法律では「全壊世帯には国から最高300万円が支給されるが、使途は住宅解体費や建替えローンの利子などに限られている」ということなんです。それから、その次の方は、「土砂で家が傾いて、地面が割れて住める状態にはないが、同法の認定基準では半壊にも認定されず支援金が一切出ないんです」と。で、「母子家庭で子供の学費を払いながらやっと手にした家なのに」というような方もいらっしゃるということです。で、次の段の方は、「土砂に押されて家がゆがみ、土砂が一階に流れ込んだ。」箕輪の方ですけれども、その方の奥さんの話では、「補修しないと済めない状態です」と。「一千万くらいかかるんですけれども支援金は一円も出ない」ということです。これはなぜかって言うと、「箕輪町のような人口10万人未満の自治体は、5世帯以上が全壊するなどしないと被災者生活再建支援法が適用されないため」だということなんです。不公平な扱いがされているということが書いてあります。
 で、一番下の段では、二段落目ですけれども、22日の夕方、おとといですよね、「22日夕方、にわか雨が降ると、不安な表情を浮かべた同地区の住民が一斉に外に飛び出した。77歳の女性は、『夜は不安で睡眠薬を飲んでも眠れない。寝ても災害の悪夢ばかり。被災後、体調を崩すことが多くなった』といい、『今はなんにもやる気がおきない。』『今は何もやる気がおきないし、家から出たくもない。家を離れると、家が流されてしまうのではと不安になる』と話しました」と。で、「両町とも、今後の被災者支援について具体的には決めていない。寄せられた義捐金の分配をどうするかということはあるが」というようなことが書かれていまして、今のところ、支援策というものの見通しは持たれていないというような記事が今朝の新聞に書かれていました。
 私自身、岡谷にいながら、岡谷の状況もよく知らずにこういうところで今話しているんでけれども、ここで言えることは、今そこにも書いてあったんですけど、「今は何もやる気がおきない」というような感想を持っている人、それがほんとに正直なところだと思うんですね。それで、跡片付けとか、そういうものでほんとに大変な思いをして、ひと段落ついたところで、法律問題っていうものが出てくるのは、むしろひと段落してからかなっていう気がして、そう考えると、この岡谷・諏訪の状況っていうのは、むしろ、これからが、我々、というか司法書士、あるいは土地家屋調査士さんとか、そういう人たちの力を発揮するところなんじゃないかなっていうふうに思っています。
 私は一昨年新潟に行ったときに、私自身相談にのる機会がなかったっていうのは、まだ市民の方たちが相談に行こうっていうところまでいっていなかったということだと思われます。そう考えると、ここの今の状況というのは、一ヶ月くらい経過しているので、だいぶ落ち着いてきているところもあると思うんですね。そうすると、やっぱりその法律問題というのが出てくるだろうと思います。
 そしてですね、で、私たちが、何ができるだろうっていうことを考えます。いろんな立場の人たちが、たとえばボランティアだったりとか、いろんな職業や立場の人たちが、いろんな形で、災害がおきた際にそれに対して何か力を尽くそうということを考えると思うんですね。例えば、この前私がロマネットにお風呂に入りに行ったときには、「被災者の方は無料で入れます」みたいなふうになってたりとか、そういうことっていろいろあると思うんですけど、私たちは司法書士。で、何ができるのか、何もしなくていいのか。このまま何もしないでいても私たち自身が別に困るわけでもない。というときに、岡谷、それから辰野、こういう地域でこれだけのことが起こったときに、私たちが、司法書士として、何かすべきじゃないのかということを思います。
 で、一つは、先ほど関支部長も言われてましたけども、一つは相談会。この新潟の豪雨の際にも、司法書士会が相談会を行っています。水害のときだけじゃなくて、地震のときにも、非常に精力的に相談会を行っているわけです。それが一つだと思います。私は今日ここでお話しをする目的っていうのは、これは研修会だけやっても全く意味がないわけですよね。ぜひ相談会を私自身はやりたいと思っています。一人じゃできないので、今日ぜひ諏訪支部のみなさんにご協力を呼びかけて、これはいろいろ考え方はあると思うんですけれども、やはり諏訪支部の私たちが中心になってやるべきだろうと思うわけです。というのは、すでにいろんなところから、私は青司協、全青司っていうようなところに属しているんですが、そうすると、全青司の、よその(地域の)人たちがですね、「長野はどうなってる?」「岡谷はどうなってる?」っていうふうに突っついてくるわけです。全青司の人たちはそういうことが好きだもんですから(笑)、何かしたくってしょうがないわけです。「相談員を派遣しますよ」とかいろいろ言ってくるわけですけども、私に言わせると、ちょっと待ってくださいと。今日研修会をやるんですと。これはやっぱり私たちの地域で起きたことですから、私たちが中心になってやりたいんですってことはまだ言ってないですけど(笑)、私はそう思っているんですね。だから、よその人がいろいろ手を差し伸べようとしてくれてることはありがたいですし、それは協力してもらわなきゃできないこともあると思うんですけれども、まずは私たち自身が中心になって動くべきだろうというふうに思います。そして、できることはこれからだと思うんですね。これからいろいろできることがあると思うので、ぜひそういう意識を持っていただきたいと思います。具体的な動き等は私も全くわからないので、これから関支部長あるいは本会の木下会長などにもちょっと相談しながら、司法書士会としてどうやって動いてったらいいのか、具体的な動き方とかそういうことは執行部なり、役員のみなさんなりで考えるにしても、やっぱり私たち会員一人一人が意識を持つことでできることもあると思うんです。というのは、相談会を司法書士会が行うというのが一つだということを言ったんですけど、それだけではありません。相談会だけじゃなくて、私たち一人一人が、自分の事務所にいてもできる支援活動というのがあるという話しを今日しようと思ったんですね。
(つづく)

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災害時の法律相談 3

 28ページをちょっと見ていただきたいんですが、上のほうにコメントが載ってまして、これ、どなたのコメントなのかよくわからないんですけども、大事なことが書いてありまして、「借家をめぐるトラブルが多いようですが、その中で少し気になるところがありましたので」ということで、「一般的に借家を明け渡す際に、大家から借家人に支払われる金銭を広く立退料と呼んでいるようですが、借地借家法上の立退料とは、家主の正当事由を補完するための財産上の給付にあたります」と。「これを規定するのが借地借家法28条ですが、この条項は借家人に立退料を請求することができる権利を与えたものではありません。この条項は家主が解約申入れ等をする際に、家主の側から立退料を提示して、正当事由のある状態を作り出すことを認めるものです。しかし、家主が立退料の申出をしない場合に、借家人の側からこの条項を持ち出して、立退料を払え、ということを認めるものではありません。したがって法律上、借家人には立退料を請求することができる明文上の権利規定は無いということになります。広い意味での立退料には、解決金、和解金、家主の債務不履行による損害賠償金なども含まれていると思いますので、当該借家人が主張できるのは、どのような法的性質の立退料なのかを、個々に検討してアドバイスする必要があろうかと思います。」っていうふうに書かれています。なるほどなあというふうに思いました。
 それから、30ページの№96っていう相談をちょっと見ていただきますと、やっぱり修繕費用の負担についての相談なんですけれども、店舗なんかの場合。居住用の、住宅ではなくて、店舗の場合の話しで、「貸し店舗が水害にあった。契約上は、入居時に、営業に適したように入居者が改装するようになっている。貸主に修繕義務がありますか。」というような相談で、回答としては、「貸主には修繕義務はありません。」というようなこと。
 で、じゃあ一方、Q2で、「居住用の貸家が水害にあった場合、貸主に修繕義務がありますか。」で、回答として、「原則貸主に修繕義務がありますが・・・」といろいろ書いてあります。で、つまり、私は知らなかった、よくわからなかったんですけれども、営業用の店舗なんかで、こうテナントとして借りてるような場合は、修繕義務は借主のほうが負担する場合が多い。で、居住用として借りている場合は、貸主が修繕費を負担することが原則。っていうようなことが、私はこれを見て、あ、そうなんだ、というふうに思いました。で、この辺も厳密には、もっとちゃんと調べないといけないと思うんですけれども、こういった点がちょっとポイントなのかなというふうに思いました。
 あとは、だいたいそんなところです。気が付いたところはそんなところですので、この相談事例集っていうのは、またお時間あるときに、ざーっと目を通していただくと、イメージをつかんでいただけるかなーというふうに思います。まあ、この岡谷、諏訪地域の災害で、どういった相談が寄せられるかっていうのは全くわかりません。これは東海豪雨の際だったので、愛知県の名古屋近辺を中心とする地域における相談だったので、この辺とはまただいぶ様子が違うと思うんですね。ですので、まあ、一応そんなふうに考えていただきたいというふうに思います。
 で、次にですね、今日のお話しの一番中心になるのは、実はその、日司連の市民救援基金というものがあるんですけれども、その話を今日、メインでしたいというふうに思って、資料もちょっと作ってきました。
(つづく)

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災害時の法律相談 2

 例えばですね、東海豪雨の際にはどういう相談があったかっていうと、例えば1ページの№1というところでは、「種別 登記 登記済証が水没」というような、まあありそうな話しなんですけれども、それに対しては一応現物を確認して、使えそうかどうかっていうようなことの判断が必要です、と答えた、とか、あるいは、登記済証がもう駄目だっていうことであれば、保証書について説明をした、とか、そういうことがここに書いてあるわけです。№2では、保証書について説明をした、印鑑証明や実印の保管に注意するように伝えた、みたいなことが書かれているわけです。これ、ざーっと見ると、一番多いのがやっぱり権利書が水に濡れてしまった、とかそういうもののようでした。
 次に多いのは、借地借家関係の相談です。例えばですね…。
 例えば11ページあたりを見ていただきますと、№27というところを見ていただきますと、「借家 築29年のアパートで水害に遭った。家主より立退き要求があった。家主は修繕の意思無し」というような相談で、さらに「大家が11月末までに出て行ってくださいと書いた紙を持ってきました。引越し費用は出すとのことですが、なお修繕する意思は無い」ということです。で、「一階部分は住めないけれど、私の居住部分は住める」二階に住んでいるんだと思いますね、きっと。というような状況で、回答としては、「家賃は払うべきでしょう。修理すれば住めるのだから、住み続ければよい。大家の言いなりになる必要は無い。修繕費がもしかかったら大家に請求すればよい」というような回答をしているということなんですね。「家賃を受け取ってくれなかったら供託する」とか、いろいろ書いてあります。
 で、これは、その当時の相談に対してこう答えたというものだけだもんですから、きちんと何か調べて回答したとか、そういうものじゃないと思うんですね。だから、場合によると変な回答をしてるようなものも含まれているように見えます。ですけど、今後もし、この諏訪地域で相談会を行うという際には非常に参考になるのではないかなと思いまして、今日、資料として付けました。
 一応この中で参考になりそうなところとしては、13ページの№34あたりは、「水浸しになってしまった遺言書」とか、こういう、まあありそうな相談だなあというところを言っておくと、14ページでは№36、「権利書とゴルフ会員券が流失してしまった」というような相談ですとか、あるいは、16ページの№44というところで、やっぱり修繕費用、借家の問題で、修繕費用と立退きといったような問題がのっています。それから、18ページの№52、これも修繕費の負担の問題ですね。
 それから№54では、融資制度についての相談があって、これは、各自治体なんかでも、いろんな融資制度があって、一概に言えないことだと思うんですけれども。こういうことです。その、「融資を受けたいが」っていうような相談は、非常にまあ考えられるかなという気がします。ここにいろいろ国の融資制度だとか、社会福祉協議会での融資制度であるとか、そういうことがちょっと整理された形でここに書かれていますので、参考にしていただければな、ということです。当然、もし、諏訪、岡谷といった地域で相談会を行う際には、市役所のほうにも、どういう融資制度、被害者の方へのどういった援助の制度があるのかとか、そういうことも必要になってくるだろうという気がします。
(つづく)

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災害時の法律相談 1


講演録「災害時の法律相談」2006.8.24 於:茅野市民館
長野県司法書士会諏訪支部研修会 講師 小口一成

 では、みなさんご苦労様です。岡谷の小口一成です。今日は、「災害時の法律相談」というテーマで話をしろというふうに言われまして、まず資料ですけれども、今日予めお配りしていただいてあるものの他に、今日追加で配ったものがありまして、新聞記事のコピーと、「司法書士会会長殿」というふうに書いてある、「日司連災害対策室設置規則等の一部改正について」というものがあります。それと、こういう表になった「中越大震災減免申請取扱件数」というふうに書いてある1枚のもの、あわせて3種類のものを追加でお配りしてありますので、もし無い方がいらっしゃいましたら、ここにありますので言ってください。
 それで、今日、私も急だったんですけれども、なぜ私が話すことになったかって言いますと、一昨年の新潟の水害のとき、それからちょっと経って大地震が新潟であったんですけれども、新潟に一昨年二回、水害のときと、震災のときの二回、相談員の派遣要請がありまして、二回とも、一応行ってきたということです。それで、一応行ってきたことは行ってきたんですけれども、実際に私自身は相談に乗るっていうことはありませんでした。相談に行った時期っていうのもあると思うんですけれど、まだ、災害が起きて、一週間か10日、経つか経たないかくらいの頃に、現地に行ったんですけれども、まだ避難所で生活している方が大勢いらっしゃったりして、ボランティアの若い人達が非常に働いていたりっていう中で、まだその感じとしては、法律相談どころではないっていうようなタイミングだったかなって気がしました。その後、新潟の司法書士会を中心に、継続的に相談活動が行われて、かなりの相談が寄せられていたようです。
 ですので、私自身が災害時の法律相談というものについて、何か特別な知識を持ってるとか、ノウハウを持っているってことは全くありません。今日お話しすることは、資料に基づいてってことなんですけれども、今日予めお配りしてある、「7.13水害無料法律相談」というのは、これはその、一昨年新潟で水害があった際に、新潟県司法書士会が相談会を行ったときの資料です。それで、その2枚目から、相談事例みたいなものが、ざーっと№1から№182までの資料があるんですけれども、この資料は何かって言いますと、平成12年9月に東海豪雨というものがありまして、東海豪雨の災害の際に、やはり司法書士会が中心となって相談会を行ったときに、寄せられた事例を、こういう生の形でまとめてあるものです。こういう相談があって、こう答えたというようなものを、ざーっと単に寄せ集めたものです。で、これをいつ私は手に入れたかっていうと、一昨年の新潟の水害の相談に行く際に、何も準備がなくて、私自身初めてのことだったんですけども、唯一この資料がメールで、添付ファイルの形で、何日か前に送られてきて、これを印刷して、これだけを持っていったというようなものなんですね。だから、これを行く途中の車の中でパラパラ見ていきながら、こういうものなんだな、という程度で相談会に臨んだというようなものなんです。
 これは、今日とても全部紹介している時間など無いんですけれども、また時間があったら、ぱーっと目を通しておいていただければ、イメージがつかめるかなというふうには思うんですけれども。
(つづく)

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