2014/08/04

総合法律支援法 8

その次のページで山本事務局長の発言もありまして、「支援法1条には、『司法書士』と明記されており、司法書士による法的サービスに対する期待と責任が読み取れる。」と。さらに「相談センターと支援センターは、相互に連携するものの、基本的には支援センターが相談センターの業務を補完するという関係にあるということを認識してもらいたい。」と。さきほど、条文の中にありましたよね、補完するということ。で、「相談センターとしての箱があるのが理想的だが、実情に応じて、市民が最終的に司法書士にたどり着くためのシステムを構築してもらいたいと考えている。そのために、各会担当者が主導して各会において委員会等を設置し、相談センター立ち上げの準備を開始してもらいたい。」ということです。
 それから、その次の4ページというところで、「総合法律支援構想における司法書士の役割について」ということで法務省の黒川さんという、この方が準備室の室長なんですけれど、この方の冒頭の説明に、法務省の考え、司法書士に対する要望も含めて述べられていますのでちょっと紹介しておきます。「本年6月2日の支援法施行を受けて、準備室が設置されました。平成18年秋から支援センターが業務を開始するためには、平成17年8月31日までに、予算要求をする必要があり、現在、日弁連や日司連等の関係団体と協議を進めています。(中略)また、地方事務所を作り上げるためのチームとして、『地方準備作業グループ』をこの秋に立ち上げるので、各司法書士会にも参加してもらいたいと考えています。同時期に、地方協議会を実施し、ユーザーたる市民や自治体等のニーズ等を把握する予定なので、司法書士会には、両面での協力をお願いしたい。」と。さっきのスケジュール表にありましたよね。で、「今日この会議に参加している担当者については、作業グループの立ち上げに関与してもらうことになると思われますが、準備室自体が全国に出張し、各地の実情を聞きたいと考えていますので、その面での協力もお願いします。」これは今、法務省の準備室の方々が全国行脚していて、もう何箇所か回られています。たぶんそのうち長野県にも来ると思います。そのときには金子さんだけじゃなくて風間会長も出るのかわかりませんが、長野県はこういう状態ですよという話を法務省の人としていただくことになっています。その後を読みます。「支援センターの業務開始に向けて、司法書士会に対しては、次の点をお願いしたい。まず、司法過疎対策については、司法書士会に期待するところが大きいが、実際に業務を行うことのできる司法書士の分布状況を教えてもらいたい。率直に言うと、使える司法書士がどこにどのくらい存在するのか等、きめ細かい情報を収集したい。また、この地なら司法書士はこの役割を果たせる、ここに事務所を設置するべき、その場合の事務スペース及び料金等、実務的な情報も教えてもらいたい。情報については、日司連経由でも、準備室に直接でもかまいません。」と。けっこう本気です。法務省の方々も。本当に忌憚の無い意見をもらいたいということを再三に渡って言っています。で、「司法書士会については、少額裁判サポートセンターやリーガルサポート等、きめ細かいサービスを展開していることは承知しているし、相談センター構想等、頼もしく思っています。それらと支援センターを有機的にどう関連付けるかについて、司法書士会を交えて今後も検討していきたいと考えています。」ということですね。法務省の方はこういうふうに考えているということです。
 その後いろいろな質疑応答がありましたが、これは後でお読みください。
 ちょっと飛ばしまして、法律扶助協会の方からのお話がありまして、10頁を見てください。一番下の段落からになります。「支援センターにおいては、支援法1条にも司法書士が明記されているように、司法書士に対する期待は大きいが、扶助協会として、司法書士に期待していることの一つは民事法律扶助の拡充です。平成15年度においては書類作成援助の件数の98.4%は債務整理でした。95%は自己破産事件でした。このことはさまざまな方面から問題点を指摘されているところです。一般事件の援助件数を増加させてほしい。」一般事件の増加が言われています。「また、平成16年度の書類作成援助の実績を見ると兵庫県では532件あるのに対し、佐賀県では0。全国均一なサービスを展開するためにも地域毎の格差を是正してもらいたい。」ということ。それから「次に司法過疎地におけるサービスの充実にも協力してもらいたい。弁護士の活動には限界があるし、この秋には認定司法書士が9000名になると思われます。資格は使わなければ意味がないものなので、積極的に代理援助の申請も行ってほしい。」と。「また、スタッフ制の導入に伴い、契約司法書士として年間50件から100件程度を受任してもらうといったようなことも考えられます。」と。「また、巡回相談及び出張相談にも協力してほしい。」で、その後4行目くらい後に、「法務省の総合法律支援準備室は、予算要求のために平成17年8月までに一定程度の形、事業規模、職員の数などを作らなければならない。支援センターの事業規模を予算化する際には平成16年度における代理援助の件数と書類作成援助の件数が非常に重要なものとなってくるので司法書士においても積極的に援助申請をしてもらいたいと考えています。」ということです。
 で、余計なことですがその次の12ページで私も質問しましたので、ご紹介しときますと、1行目の小口部委員というところで、「自分は相続放棄の申述書について書類作成援助を利用したことがありますが、債務整理以外の一般事件について書類作成援助が決定されたケースとしてはどのようなものがありますか。」というような質問をしましたところ、阿部さんという法律扶助協会の総務部長の方より、「平成15年度の実績から言いますと、書類作成援助の2370件のうち、債務整理が2331件で98.4%。そのうち自己破産が2267件となっています。一般事件として現在把握しているのは、損害賠償請求事件が7件、その他の金銭事件が13件、離婚訴訟が1件、その他、家事事件が10件、強制執行2件です。」と。その後、藤井専務より、「代理援助についても、67%が自己破産となっており、批判されています。平成16年度については家事事件について積極的に援助決定する方向でいます。家庭裁判所ともその方向で協議していますので、ぜひとも利用してもらいたい。」家事事件ですね。積極的に利用してもらいたいと。「ちなみに自分の経験から言うと、敷金返還請求や、損害賠償請求、家屋明渡し請求であれば、司法書士による代理援助が可能だと思う。認定司法書士は代理援助をあまり利用していないようなので、扶助に適した事案について、相談を受けているのであれば、積極的に代理援助を利用してほしい。」と法律扶助協会の専務理事がおっしゃっています。
 その他の部分についても、参考になると思いますので、ぜひ一度お読みください。こんなような当日やりとりがありました。
 ざっとこんな感じです。こういうことが今、行われようとしていますので、他人事じゃないと思いますので、ぜひこういう資料をまたお読みいただいて、何か気が付いた点とかがあって、こうしたらいいんじゃないのとかっていう意見があれば、いつでも、この後でも後日でもいいので、私のほうでもいいので、ぜひご意見をください。私の方からは以上です。ありがとうございました。
(了)

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総合法律支援法 7

それから、Q&Aの後に「司法書士総合相談センター構想について(素案)」というものがつけてあります。これはちょっと紛らわしいですけれど、さきほどは「日本司法支援センター」という法人の話しだったんですが、「司法書士総合相談センター」というのは日司連が考えている、こういう構想を持っているというものなんです。両方センターなんですが。それで、これは私もはっきり言ってよくわからないんですけれども(笑)、言いたいことはたぶん、今ある相談窓口、長野にもいろいろありますよね、常設の相談窓口ですとか、法の日の無料相談ですとか、いろいろ行われていますよね。で、そういうものが各都道府県においても、もちろん今あるわけなんですよね。そういうものが、ちょっと分かり辛いと、国民にとって。分かり辛いのをもっとわかり易くして、ここへ行けばもう、困った人がここへ行けば、「あなたはここに行けばいいです」とかいうことがわかる。全国的にそれがネットワーク化されて、わかるというようなものにしたいということなんですよね。
 後のほうに議事録とかもありますけど、理想を言えば、「司法書士総合相談センター」という箱ができて、長野県内であれば、例えば5箇所くらいに、各支部ごとくらいにそういう相談センターという例えば事務所をどこかに借りるなどして、そこに人がいるとかっていうことが、本当はできればいいんですけれども、それをやってくれということまでは言えないと。もちろん、そういうものが各地域でできてくることが理想だというようなことは言っています。ですが、そこまで行かなくても、今ある相談窓口をきちんとネットワーク化して、最低限やっていってほしいというようなことを日司連は言っています。
 その後にイメージ図というのが3枚くらいありますが、これを見てもよくわかりません。で、結局、各地域で、できるだけのことをやってくれというようなことですが。
 その後、議事録がついてますので、それをちょっと見てください。
 全国司法ネット担当者会議議事録。これが7月29日、30日の二日間に渡って日司連のホールで開催されまして、私も司法ネット対策部委員としてそこに出ていたんですけれど、これは各都道府県から司法ネットの担当者の方に出席していただいて、そこで日司連からの説明と、法務省の法律支援準備室から何名か出ていただいて、法務省からの説明と、法律扶助協会の方にも出ていただいて、法律扶助協会からの説明。そういうようなことがされまして、その後質疑応答がされました。その議事録です。長野からは金子さんが担当者として出ていただいています。ですので今後、長野では金子さんが中心となってさほどの準備作業などがされていくことになりますので、それについては一人ではとてもできませんので、委員会みたいなものがこれからできると思います。ですので、もし金子さんからお声がかかりましたら嫌がらずに協力してください(笑)。たぶん私もいっしょにやっていくことになると思いますけれど。
 この中で、参考になる部分を紹介しますと、議事録の2ページ目を見てください。まず日司連の斎木副会長、この方が司法制度対策本部の部長をされているんですが、この方の冒頭の挨拶の中で日司連がどう考えているかということが述べられています。段落が変わったあたりから見ていただきますと、「3年から5年で弁護士の数が増加することに照らせば、その場限りでの対応ではなく、中長期的視野をもって、司法書士の存在をPRしていく必要がある。」と。これが本音だと思うんですが、で、その後、「司法制度対策本部においては、その手段として、司法書士による全国的かつ組織的な相談窓口を展開し、『まずは司法書士に相談しよう』という認識を広めたいと考えている。そこで、『司法書士総合相談センター』構想が浮かび上がった。日本司法支援センターへの対応も含め、司法ネット構想に対応するためには、相談センターの構築は不可欠であると考えているので、理解と協力をお願いしたい。」ということなんですね。
 その後、末光事務局次長の発言がありまして、「相談センターは、現状ある各種の相談窓口を一本化して、システム化することにより、結果として司法ネット構想の受け皿となるものである。」司法ネットのために作るんじゃないんですよ、ということですよね。結果として受け皿にはなるけれど、司法書士が相談を受けますよということを言っていきたいということです。で、「全国300箇所以上のセンター設置、1万人以上の司法書士のセンター登録により、いつでもどこでも司法書士による法的サービスを受けることができるという状態を目指している。各地域の相談センターにおいては、関係機関と連携しながら、事件の振り分けや実務対応等、実情に応じた様々な機能を担っていただきたいが、巡回相談または電話対応のみ等、様々な形態が考えられる。各会支部と重なることが多いと思われるが、必ずしも一致させる必要はない。各会において、できる範囲で積極的に対応してもらいたい。」と述べています。
(つづく)

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総合法律支援法 6

その次のページには、書類作成援助の決定状況というのがポンとつけてあります。これをちょっと見ていただきますと、長野県内の申立件数というのが上から10何行目かにありますけれど、ちょっと低調なんですよね。去年よりは増えてますけど。年間予定でいきますと、全国で3500件という年間予定が組まれているんですけれど、今のところ、7月までの段階で887件ですからこのままのペースでいくとちょっと届かないと。これはぜひ、これこそは一人一人がやろうと思えばできることですから、出していっていただきたいと思います。何でこれがここにつけてあるかと言いますと、後で説明しますけれど、日本司法支援センター立ち上げのための概算要求というんですかね、私もよく知りませんが、予算要求が平成17年、つまり来年の8月頃までになされるということらしいんですね。そうすると、支援センターにはこれだけの予算が必要だということを言っていくためには、この法律扶助の平成16年度の件数というものがものをいうと。あまり件数がないとそんなに金は要らないという話しになってしまうということだものですから、たくさん、これだけ件数も出ているんですよということで予算要求も説得力を持ってできると。ですから、金がたくさん出るということですね、国から。今までは法律扶助事業は国の補助金でやられていたんですけれど、今後はそういうことではなくて、国の事業ということになるもので、全然違うということですから、今年、積極的にたくさん出してくれということを法律扶助協会からも言われています。
 その次のページからつけてありますのは、法律扶助協会の専務理事の藤井さんという弁護士さんが書かれた論考です。ここには 「司法ネットにおける法律扶助の展望」について非常によくまとまっていまして、1頁の下の方に表がありまして、「民事法律扶助事業の推移」ということで平成11年度から14年度までありまして、これを見ますと平成12年に民事法律扶助法が施行された関係で事件が倍増していると。その後も増え続けてはいます。で、15年度はそこに書いてないですけれど、代理援助は4万件をちょっと超えて、書類作成援助は2370件だったそうです。順調に増えてはいますがまだまだであると。次の2ページで国の補助金の推移というのが書かれてまして、こういう形で補助金も件数の伸びに応じて増額されてきてはいるということなんですが、参考のためにということで、そこに書いてありますが、平成16年度は40億という補助金ですが、イギリスでは3800億、オランダでは400億。だから、人口比でいっても全然違うんですよね。法律扶助に対する国の意識というものが。今までは補助金事業ということで限界もあったんですが、これからは違うということですから積極的にやってほしいということです。法律扶助も積極的に利用してほしいということです。
 8頁あたりにいきまして、「総合法律支援法の課題」ということが書かれてまして、この法律で規定されなかったこととしては、「民事法律扶助の拡充」が規定されなかったんですけれど、今後、拡充する方向で検討していく必要があるだろうと。今は立替が原則ですけれど、各国の法律扶助制度を見ますと、立替ではなくて給付制をとっている国も多いですので、給付制を導入していくですとか、資力要件も今のような限定的な要件じゃなくて、必要としている人がもっと利用できるように資力要件もいろんな形で多様化することなども今後検討していくべきだろうということです。
 その後につけてあるのは、「司法ネット構想に関するQ&A」というもの。これは日司連が7月29日現在でまとめてあるものですが、これは後でお読みいただければと思います。
(つづく)

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総合法律支援法 5

条文では、そのくらいがポイントかなと思いますが、その次のページで、付帯決議というものがなされてまして、衆議院の法務委員会の付帯決議において、次の事項について政府は特段の配慮をすべきであるという中で、第3号で、「日本司法支援センターが弁護士その他の法律専門職者の司法過疎を解消するための対策を積極的に進め、利用者の利便性を考慮した業務運営ができるよう配慮すること。」これが特に付帯決議されています。
 で、参議院の法務委員会においても付帯決議がされていて、第3号では、「民事法律扶助事業の資力要件等の見直しを含めた利用者負担のあり方及び対象者、対象事件の拡充について検討を行うよう努めること。」これは本当はこの法律の中でそういった資力要件や、今は原則立替とか、そういった問題もありますけれども、本当は大幅なそういう見直しもしたかったわけなんですけれども、そこは実現しなかった。だから、今後そういった見直しも含めた検討を行うよう努めることというのが、付帯決議されています。
 第4号は、これも司法過疎地における取り組みに特に力を入れようということですよね。
 第5号。「契約弁護士等の職務の特性に配慮して、その自主性、独立性を充分尊重すること。」これも特にうたわれています。
 第6号。「地方公共団体も、必要な協力をするとともに、今ある法律相談等の住民サービスの程度を後退させることがないようにすること」と。今、各市町村の役場等で法律相談等行われていますけれども、そういうものがこの法律ができたことによって後退してはいけないんですよ、ということですね。
 その次のページに図があるんですけれども、これは今の法律で言われている司法ネット、総合法律支援構想というものが、図にするとこんなようなことですよということですので、これは後で見ていただけばいいかなと思います。
 それで次のページも見ていただきますと、スケジュールというのがありまして、イメージ図。こんな形で今後2年間くらいにおいて、準備作業が行われていくことになりますが、大事なのはその地方における事務。真ん中あたりの段になりますけれど、ここが我々に非常に関係してきます。それで、地方準備作業グループの立ち上げというものと、地方協議会というものについて書かれています。
 地方準備作業グループというのは何かといいますと、今年の秋頃にはもうこのグループが立ち上げられていくようなんですけれど、そこには当然司法書士会からも準備グループに入ってもらいますと言われています。法務省の方から。ですので、この秋くらいから、そういう準備作業グループというのが、長野県の中でもできて、定期的な打ち合わせなどがされていくんだろうと思います。そこでは何をやるかというと、その枠で囲ってある中に、準備作業グループの作業の中身が書かれてまして、公的刑事弁護を実施するための必要な連絡調整、業務の引継ぎに伴う連絡調整、関係機関などの洗い出し、連携網の構築、地方事務所の選定確保。長野県の中であればどこに地方事務所を置くか。弁護会の中に置くか、外に置くかなど、その辺はまだ決まっていないようです。少なくとも、各都道府県の地裁の本庁所在地には置かれることになっているようです。それだけじゃなくて、例えば長野県であれば、松本あたりとかには置かれるのではないかとも思いますが、わかりません。それ以外に、いわゆる司法過疎地にも事務所を置くことになっているので、どういうところに置いたらいいのか、長野県の中であれば。あまり過疎だと仕事が無いということにもなるので、あまりにも過疎ということではなくて、ほどよい地域に(笑)置かれることになっていくんじゃないかと思います。県内であれば、どこに置くべきだというような意見も、司法書士の方から言っていったほうがいいと思います。今度、9月の3、4、5日と栄村というところで、住民アンケートと法律相談をやるということで、会員のみなさんにご苦労いただくんですけれど、それも、長野県では司法書士会でそれをやって、住民はどういうサービスを必要としているんだということを、この作業の中で意見として資料提供していくことになると思われます。
 それから、過疎地の選定作業、地方協議会の開催。地方協議会というのは、今の準備作業グループとは違いまして、弁護士とか司法書士以外に消費者団体、マスコミとか、さまざまな人々にそこに加わってもらって、それぞれの立場から意見を出していただいて、準備を進めていくということです。地方協議会というのは、たぶん、設立にあたっての協議だけじゃなくて、業務が開始された後も、業務の見直しとか改善とかのために地方協議会というのは継続していくことになると思われます。
(つづく)

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総合法律支援法 4

30条3項。「支援センターが前2項の業務として契約弁護士等に取り扱わせる事務については、支援センターがこれを取り扱うことができるものと解してはならない。」これちょっと何言ってるかわからないんですけれど。要するに、ここで言いたいことは、支援センターが取り扱わせるとかいろいろ書かれているんですけれど、契約弁護士、契約司法書士に仕事をさせるわけなんですよね。だけどもそれは支援センターが取り扱うと解してはいけないんですよという注意的な規定ですね。後で出てきますけれども各司法書士とか弁護士はあくまでも独立して業務を行う。支援センターの言いなりになるのではなくて、独立してやるんですよという意味で書かれているのかなと思います。
 それから、32条。「支援センターは、前条に規定する業務がこれを必要とする者にとって利用し易いものとなるよう配慮するとともに、その統一的な運営体制の整備及び全国的に均質な遂行の実現に努めなければならない。」と。ここも大事ですよね。
 2項も大事ですけれども、3項。3項が大事です。
 「支援センターは、各業務の運営にあたっては、地方公共団体、弁護士会、司法書士会その他の関係する者の取り組みとの連携のもとで、これを補完することに意を用いなければならない。」この補完するというのが大事だと思うので、線でも引っ張っといていただければと思うんですけれど、要するに、支援センターの役割はあくまでも補完的なものだと言っています。民業を圧迫しないとかっていうことをよく言うんですけれど、あくまでもその地域における弁護士会や司法書士会の相談窓口がきちんと確保されていてちゃんとあるのであれば支援センターはそこに何も口出ししませんと。あくまでも主体的なのは司法書士や弁護士の取り組みなんですと。そこの足りない部分を支援センターが補完するんですよということですね。
 第4項。「支援センターは、地域における業務の運営にあたり、協議会の開催等により、広く利用者その他の関係者の意見を聞いて参考とし、当該地域の実情に応じた運営に努めなければならない。」地域の実情に応じた運営が必要とされている。これから各地域における準備会などが立ち上げられていくんですけれど、それは後で話をします。
 第33条がさきほど言いましたが、「契約弁護士等は、支援センターが取り扱わせた事務について独立してその職務を行う。」これ、大事ですよね。独立してその職務を行うと。
 第2項。「支援センター及び契約弁護士、司法書士等は、その法律事務の取り扱いを受ける者に対し、前項に規定する契約弁護士等の職務の独立性についてわかりやすく説明しなければならない。」と。これも大事ですよね。
 その後は、ずうっと飛ばしまして。支援センターの会計の話しなどですので。
 全部で55条まで条文がありまして、その後、附則がありますが、附則の第1条に施行期日が書かれています。
 「この法律は、公布の日から施行する。」と。ですから、もう施行されてるわけなんですよ。この法律は。6月2日だったかな。もう施行されています。ただ、次の規定は次に定める日から施行するとされていて、第1条の1号。いろいろ書いてありますけれど、これは支援センターの設立に関する規定だと思うんです1号は。これは、公布の日から起算して、2年を超えない範囲内で政令で定める日とされているので、要するに何を言っているかといいますと、支援センターは、2年以内に設立されるという意味です。ですから、平成18年の遅くとも6月までには、4月頃だろうと言われているんですけれど、4月頃には法人の設立登記がされると。
 それから第2号。これは支援センターの業務に関する規定なんですけれど、公布の日から起算して2年6ヶ月を超えない範囲内で政令で定める日。だから、具体的に言いますと、支援センターの業務開始は、2年6ヶ月以内になるという意味です。ですから、平成18年の10月頃だろうと言われています。平成18年の10月頃には支援センターの事務所がもうできていて、具体的に業務が開始される。長野県のどこかに支援センターの長野支部とかっていう事務所が、場所はどこになるかわかりませんけれど、そういう事務所ができて、そこに、常駐弁護士、常駐司法書士とかが張り付いて、看板掲げて、平成18年10月からもう始まるという意味ですね。
 それから、第6条で、「民事法律扶助法は廃止する。」と。これは、今言った2年6ヶ月を超えない日にこの第6条は施行されるので、まだ廃止されていないんですが、平成18年の10月頃までには廃止されるということです。
 それから第7条。「財団法人法律扶助協会は、寄付行為の定めるところにより、支援センターに対して、民事法律扶助法の廃止のときにおいて、現に協会が有する権利義務のうち、法律扶助事業の遂行に伴い扶助協会に属するに至ったものを支援センターに承継してくれというふうに言える」と。法律扶助協会は膨大な立替金債権等を持っていますので、それを支援センターに承継してくれと言えるということですね。同じく第3項で、認可があったときは支援センターに承継される。とそういうことですね。
(つづく)

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総合法律支援法 3

その後からが、第3章として「日本司法支援センター」という項目になりまして、
 第14条。「支援センターは、総合法律支援に関する事業を迅速かつ適切に行うことを目的とする。」と、そういう団体だということです。
 第15条。「法人とする。」独立行政法人という枠組みで、考えられています。
 その後はがーっと支援センターの組織的なことが書かれてまして…
 第30条を見てください。第30条には日本司法支援センターの業務内容が書かれています。ちょっと読んでみます。「支援センターは、第14条の目的を達成するために、次に掲げる業務を行う」と。で、
 「第1号 次に掲げる情報及び資料を収集して整理し、情報通信の技術を利用する方法その他の方法により一般の利用に供し、又は個別の依頼に応じて提供すること。」と。で、
 「イ」 が、「裁判その他の法による紛争の解決のための制度の有効な利用に資するもの」
 「ロ」 が、「弁護士及び隣接法律専門職者団体の活動に関するもの」
 ここが、さっき言いました、情報提供ということです。どんな窓口がありますよ、とか司法書士会ではこんな窓口がありますよ、とか、そういうことを支援センターがやる。情報提供を業務として行う。ですから、各地に事務所ができますけれども、そこへ行けば、国民のみなさんがそういう情報が得られるということです。それはいろんな形で考えられているみたいで、窓口に人がいて、情報提供するということももちろんですけれども、場合によるとタッチパネルのようなものが用意されていて、ピッピッと押すとどこの窓口とかっていうような、そんなことも考えられているようです。
 それから、第2号です。第2号は民事法律扶助事業のことです。ちょっと細かく見ますと、イロハニホとありますけれども、ちょっと読んで見ますね。民事法律扶助事業の中身です。
 イとして、「民事裁判等手続きの準備及び遂行のため、代理人に払うべき報酬及びその代理人が行う事務の処理に必要な実費の立替」これは今行われている代理援助ですよね。
 ロが、「イに規定する立替にかえて、イに規定する報酬及び実費に相当する額を支援センターに払うことを約した者のため、適当な契約弁護士等にイの代理人が行う事務を取り扱わせること。」ここはちょっとわかり辛いですけれど、ここも代理援助のことを言っているんですけれど、イで言っているのは、立替をすることですと。ロで言っているのは契約弁護士等にその事務を扱わせることですと。もうちょっとわかり易く言うと、イはいわゆる今やっている持ち込み案件みたいなもので、持ち込み案件及びそれに応じた立替のことで、ロは、どちらかというと、上から回されてくるというか、今で言えば法律扶助協会から各司法書士などに事件が回されてくるようなイメージです。現在は司法書士に回ってくることはほとんどなくて、多くは弁護士のところに回っていると思いますが、これからはおそらく、司法書士の方へもそれなりに、扶助事件がセンターの事務所から回されてくることになると思いますし、そうしなければいけないんだろうなと思っています。
 で、ごめんなさい。ちょっと言い忘れちゃったんですけれども、「契約弁護士等」という言葉がそこに出てきたんですけれども。ちょっと戻っていただいて、
 29条8項。そこに契約弁護士という言葉が出てきていて、「契約弁護士等」というのは、カッコ書きで、「支援センターとの間で、次条に規定する支援センターの業務に関し、他人の法律事務を取り扱うことについて契約をしている弁護士、弁護士法人及び隣接法律専門職者を言う。以下同じ。」と。これが契約弁護士等ということなんですが、ここに当然司法書士も含まれています。
 契約弁護士あるいは契約司法書士というのはいろんな形がありまして、さっき言いましたように、事務所に常勤する、つまり自分の事務所はもう閉じて、支援センターの事務所に入り浸りになる、というような、当然給料をもらうんですが、そういう司法書士も出てくると。そうじゃなくても、例えば週に2日とか3日とか決めて、出勤するような形もありえると思います。そうじゃなくて、事務所には出勤はしないけれども、自分の事務所で通常業務を行いながら、さっき言ったように年間何件とかって契約を支援センターと結んでいくという、そういう契約司法書士も考えられるだろうということなんですね。
 話を元に戻しまして、イロハニホのハ。
 ハは書類作成援助のことです。書類作成援助の場合の報酬及び実費の立替をすること。
 ニは、同じく書類作成援助において、適当な契約弁護士等にその事務を取り扱わせること。これが、さっきと同じですよね。持ち込みじゃなくて、支援センターから回されてくるようなイメージ。
 ホとして、弁護士法その他の法律により、法律相談を取り扱うことを業とすることができる者による法律相談を実施すること。これは具体的には弁護士と司法書士だけですよね。今は。法律によって法律相談を行うことを業とすることができる者というのは、弁護士と司法書士だけだと思うんですが。ここで言っている法律相談というのは、民事法律扶助事業の中の法律相談という意味です。
 第3号は国選弁護ですから、飛ばしまして、
 第4号。「弁護士、弁護士法人又は隣接法律専門職者がその地域にいないこと、その他の事情によりこれらの者に対し法律事務の取り扱いを依頼することに困難がある地域において、その依頼に応じ、相当な対価を得て、適当な契約弁護士等に法律事務を取り扱わせること。」ここがいわゆる司法過疎地における法律業務。これが規定されたんですね。ここが非常に司法書士に関係してくる、重要な部分です。後で出てきますけれども、法務省の準備室でも、この4号の司法過疎地における法律業務においては司法書士さんの力がぜひとも必要ですとはっきり言われていますので、ここのところは今後非常に司法書士の役割が大きい部分です。4号です。
 5号は犯罪被害者支援。これはちょっと飛ばしまして、
 6号。「国、地方公共団体、弁護士会、日弁連、隣接法律専門職者団体、弁護士、弁護士法人、隣接法律専門職者、裁判外における法による紛争の解決を行う者(これはADRなどがこれにあたると思います)、被害者等の援助を行う団体その他の者(これはNPOなどでしょうか)、ならびに高齢者又は障害者の援助を行う団体(リーガルサポートがこれにあたると思います)その他の関係する者の間における連携の確保及び強化を図ること。」弁護士会とか司法書士会とか、リーガルサポートとか、その他の団体の相互の連携の確保強化を図るというのも支援センターの業務の一部ということです。
(つづく)

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総合法律支援法 2

まず第1条を見ていただけますでしょうか。ちょっと読んでみますと、「この法律は、内外の社会経済情勢の変化に伴い、法による紛争の解決がいっそう重要になることに鑑み、裁判その他の法による紛争の解決のための制度の利用をより容易にするとともに、弁護士及び弁護士法人ならびに司法書士その他の隣接法律専門職者(弁護士および弁護士法人以外の者であって法律により他人の法律事務を取り扱うことを業とすることができる者を言う。以下同じ。)のサービスをより身近に受けられるようにするための総合的な支援(これを総合法律支援という)の実施及び体制の整備に関し、その基本理念、国等の責務その他の基本となる事項を定めるとともに、その中核となる日本司法支援センターの組織及び運営について定め、もってより自由かつ公正な社会の形成に資することを目的とする。」と。ここに司法書士という言葉が入ったわけです。これ、なんだかちょっと不自然な形で入っているんですけれども(笑)、いろいろ攻防があったんだと思います。で、このことをどう考えるか。司法書士がそれだけ、役割として期待されているのだろうと受け止めたいと思います。
 第2条も見てください。「総合法律支援の実施及び体制の整備は、次条から第7条までの規定に定めるところにより、民事刑事を問わず、あまねく全国において、法による紛争の解決に必要な情報やサービスの提供が受けられる社会を実現することを目指して行われるものとする。」これが基本理念としてありまして、その後3条から7条までに具体的に書かれているわけです。
 3条は、情報提供の充実強化。これは、情報提供というのは何かといいますと、裁判だとか、紛争解決のためのしくみにはこんなものがありますよ、とか、こういうことは弁護士のところに行けばいいですよ、とか、こういうことは司法書士のところに行けばいいですよ、とかそういう意味です。そういう情報提供をしますよ、ということです。
 4条は、民事法律扶助事業の整備発展。これは今法律扶助協会が行っていますけれども、この事業も今後この法律に基づいて日本司法支援センターが担っていく形になります。
 第5条は国選弁護人の選任体制の確保。ここはあまり司法書士には関係ないです。
 第6条。犯罪被害者の支援ということも書かれています。これも直接司法書士にはあまり関係ないかもしれませんけれども、今後可能性としては司法書士もここに関わってくることもあるかもしれません。
 第7条が、連携の確保強化。これは国ですとか地方公共団体、弁護士会、司法書士会その他隣接団体などの連携の確保強化を図るということです。
 第8条で、国の責務。国はさきほどの基本理念を達成するために、いろんな施策を実施する責務を負っているんですよということ。
 第9条は地方公共団体もそれに協力していく責任があるんですよということ。
 第10条で、1項2項は弁護士会の話し。第10条の3項が大事です。「隣接法律専門職者及び団体は、総合法律支援の意義及び自らの職責に鑑み、基本理念にのっとり、総合法律支援の実施及び体制の整備のために必要な協力をするよう努めるものとする。」ここに具体的に司法書士及び司法書士会が協力をするように努めるものとする、という努力義務が書かれているわけです。
 第12条。「この法律の運用にあたっては弁護士及び隣接法律専門職者の職務の特性に常に配慮しなければならない。」というようなことも書かれています。
(つづく)

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総合法律支援法 1


講演録「総合法律支援法と司法ネット構想について」
(長野県青年司法書士協議会 夏の研修会 平成16年8月29日 於:ホテル国際21)

 それでは時間になりましたので始めさせていただきます。
 今日お話したいことはですね、総合法律支援法という法律が新しくできまして、そこに目的について書かれているんですけれども、国をあげて、国民に対する法律支援に今後、本腰を入れて取組んでいこうという、そういう法律ができたんですよね。そこに司法書士という言葉も入っているということなんですよ。今後2年内くらいに日本司法支援センターという法人が設立されまして、各地域に事務所が設立されると。その事務所においていろんな相談窓口ですとか、法律扶助事業ですとか、国選刑事弁護ですとか、司法過疎地における法律サービスといった活動をその各地域の事務所において行われていくと。2年くらいのうちにそういうふうになっていくということになっています。それで、当然そこに司法書士も関わっていかなければいけないということです。具体的に言うとその事務所に常勤するような常勤司法書士みたいな人も出てくると思われます。常勤でなくても、何らかの形で契約司法書士という形で、日本司法支援センターと契約を結んでいただいて、例えば年間何件とかいう形で支援センターと契約を結ぶ司法書士というのも出てくるだろうと言われています。何件というのは法律扶助事件とか、そういうことだと思うんですけれど。いろんな形の関わり方が今後出てくると思われます。司法過疎地にも事務所を設けるということが言われているんですけれど、そういった司法過疎地においては当然司法書士が積極的に関わっていくことが期待されているということなんですね。
 私も現在、日司連のほうで、司法制度対策本部というものができまして、その中の司法ネット対策部の部員になっている関係で、そこでいろんな司法ネット関連の情報が入ってきてまして、今日お配りしている資料もそういう対策部で配布された資料とか、そういうものです。これはあの、みなさんが一人一人これから関係していくことなものですから、ぜひ自分のこととして考えていただいて、日司連がこう考えているということもありますけれども、まだまだ日司連の考え自体も定まっているわけじゃなくて、いろんなご意見があればお聞きして、より良い形にしていきたいということですので、今日たぶん初めて目にするような、又は耳にするようなこともあるかもしれませんけれども、これからも何か気がついた点とか、わからない点とかがありましたら、私でもけっこうですので、ぜひご意見をいただきたいと思っているところです。
 本題に入りますけれども、まず、本日は、総合法律支援法という法律の概要の説明をまずさせていただいて、その後、そこに書かれている日本司法支援センターというものがどういうもので、今後2年のうちにどのような準備がされていくのか、ということと、あともう一つは、じゃあそこに日司連は今どういうふうに関わろうとしているのかというお話をさせていただいて、そのうえで、じゃあ我々は一人一人どういうふうに考えて行動していったらいいのか、というような話をさせていただきたいと思っています。11時40分くらいまでで説明は切り上げたいと思いますので、その後、荻原君のほうで、座談会形式でお願いできればと思います。
 まずその総合法律支援法という法律ですけれども、資料の1枚目2枚目に概要がまとめてあります。条文そのものが2枚目の裏からついていると思います。条文でポイントとなるところだけ、指摘しておきたいと思います。
(つづく)

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