2014/08/01

不当利得返還請求訴訟 4

以上が事例までの話です。残りが30分くらいになっちゃいましたけれど、課題という話をしたいんですが、課題というのは、ここで課題を出すという意味ではなくて(笑)、今後の課題という意味です。今後の課題としていくつか、こういう課題が今あるんですよということをちょっとお話しをしておきたいなと思っておりまして。
 その一つとしては、この資料では209頁を見ていただきまして、この資料も同じく上田支部の荻原さんからいただいた資料なんですが、なぜここに載せてあるかといいますと、請求の趣旨を見てみますと、1として、「被告は原告に対し金129万5664円及び内金107万3730円に対する平成14年5月31日から支払済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え」という請求の趣旨。訴額は107万なんですけれども。請求の原因の方も見てみますと、4「…さらに、被告は、貸金業者であり、利息制限法等の法令も熟知しているものであり、上記過払い金につき法律上の原因のないことを熟知していたものである。したがって、被告は民法704条所定の悪意の受益者である」と。条文をお持ちの方はぜひ見ていただきたいんですけれど、民法704条の悪意の受益者なんですよと。したがって、過払い金について利息をつけて返還する義務を負うんですと、こういうことなんです。「そこで、原告被告間の取引を計算した上で発生した過払い金に対して年5分を計算した結果は別紙のとおりである。最終弁済日である平成14年5月30日時点で、過払い金に対してすでに22万の利息が発生している」と。22万というのはでかいですよね。「よって、過払い金本体である107万と、過払い金に対してすでに発生している利息22万を加えた129万及び過払い金そのものの107万に対する年5分の支払いを求める」というような請求の趣旨になっているわけです。こういう形の訴え。ここで紹介をしていますが、私自身は今までにこういう形で訴訟を出したことはなくて、今回の○○に対する一斉提訴の中で、一つ、そういうものを入れました。これはですね、どういう条文の書き方になっているかっていいますと、「悪意の受益者は、過払い金に利息を付して返還する義務を負う」みたいな書き方になっていたと思うんですね。それを素直に読むと、相手方が悪意であることの立証責任をどちらが負っているかと言いますと、それを請求する債務者の側が負っているという話に、素直に読めばなりそうなんですよね。そうすると、相手方が悪意だったなんてことの立証を債務者ができるのかい、という話で、仮にできるにしたって、証人尋問やなんやかんややってとかって考えると面倒くさいなあ、ということでやってなかったんですね、今まで。ところが、さきほど言いましたように、例えば○○という会社。あまりにもひどいじゃないかと。今回一斉提訴をやるっていうことも、あなたたちひどいじゃないですか、ということでやるわけです。とすれば、ペナルティー的な意味合いで、こういうものもちゃんとつけて返せと。法律上利息がついてんだから。この荻原さんのケースで22万もついてるんだから。あなたたちがちゃんと、出すものを出して、協力してちゃんと誠実に営業を行っていさえすれば、我々はこんなことはやらないんですよ、というようなものを言っていきたい。ということでいけば、多少困難が伴ったとしても、こういうことも請求していく意味って、うんとあるのかなと思います。今回、○○の提訴の中で、私も全部つけたわけじゃなくて、金額とのバランスとか、あとまあ内容、こちらにどの程度証拠があるかとかっていう兼ね合いとか、いろいろ見たうえで、よし、これについてはつけて請求していこうというものについて、これをつけて209頁みたいな形で訴えを起こしたのが一つあります。で、場合によると証人尋問とかもやるのかなあと思いますけれども、それはやるしかないですし。実際に、この事例かどうかわかりませんが、荻原さんの方で最近、今のこの主張、 「○○は悪意の受益者である、よって利息をつけて払え」という判決を取られたようです。つい最近、1ヶ月くらい前に聞いた情報によりますと。非常にがんばって判決を取られたんだと思います。やはり、なんでもかんでもこれをつけてやればいいとは私も思いませんけれど、よく吟味して、検討して、よし、これについてはひとつ、これもくっつけて請求を出そうというものについては、それこそ、積極的に求めていってもいいのではないかと思っているところです。それが課題の一つ目です。
 それから、もう一つの課題として、今日はあえて資料はつけなかったんですけれども、債権譲渡が絡んでいる取引というものがかなりあります。○○もそうです。他にもありますよね。例えば○○であれば、△△とか、◇◇とか、そういった会社から債権譲渡がされて、そこからさらに合併がされてとか、そういうごたごたした関係がありまして。合併の場合はいいんですよ。ご存知のように合併であればすべての権利義務関係が包括的に承継されますので。最近の傾向として、債権譲渡が頻繁にされているわけです。そうすると、実際の取引は10年前からやっていて、全部計算すれば100万とかの過払いがあるケースでも、例えばそれが平成12年頃にAという会社からBという会社に債権譲渡をしちゃっていると。そうすると、一つの問題としては、開示請求をしても、債権譲渡前のAという会社の時代の取引経過がなかなか出てこないという問題が一つ。もう一つは仮に出てきたとしても、Aという会社との取引において発生した過払い金というものが、譲り受けたBという会社に対して請求できるものなのか、という問題がもう一つあるわけです。
 全部トータルで計算してみれば、過払い金が100万くらいになるんだと。債権譲渡なんてものがなければ100万円払えというふうにやれば済む問題が、こういう債権譲渡なんてことを向こうがやってくれたおかげで、これをBに全部請求できるのか、という悩みが出てきてしまっているわけです。ここのところは、現段階では結論は出ていないのではないかと思います。間違ってたら、後で指摘してくださいね。もし新しい情報などお持ちの方は後で教えてください。私の理解では、こういう場合はBが全部払うんだとか、この部分はAが払うんだとかっていうことが、きちんと裁判所の判断なり何なりでまだ今のところ示されていないのではないかと思います。みんなやっている人は苦労しながらやっているというのが実情であると思います。結局現実の解決としては、和解になってしまうケースが多いと。私も荻原君に怒られたんですけれども、安易な和解をしちゃって(笑)。債権譲渡後の過払い金については全部返しますよ、債権譲渡前の部分についてはいろいろと問題があるので半分でどうですかと、という話で、本人訴訟だったという言い訳もあるんですが、和解をしちゃいました。トータルでは6割ちょっとくらいの金額にはなったんですけれどね。本人訴訟ということで、妥協しちゃったという面もあります。こういう問題があります。ここのところはですね、そういう場合の訴状の記載とか、準備書面でどういう主張をするかという資料もあったんですが、今日はあえてつけませんでした。それについては今後の課題ということで、また情報交換をみなさんとしながらやっていけたらいいなと思っているところです。こういう問題もあるんだろうということですね。
 とりあえず気がついた点はこのくらいです。そういう問題も出てきていると。ただですね、まだやられたことがない方に関しては、あまり最初からそういう悪意の受益者の主張を出すとか、そういうことを考えずに、まずはオーソドックスな形で出していかれたらいいんじゃないかと私は思います。やっていくとそんなに難しいものじゃないんだということがわかります。さっきもどなたかと雑談で話してたんですけれども、一般事件のほうがよっぽど難しいと思います。この前、建物明渡しの訴訟を代理人として出して、いろいろ苦労したんですけれど、そういう一般事件のほうがよっぽど気も使うし、主張の仕方なんかでもいろいろ苦労もあるし。こういうサラ金相手の不当利得返還訴訟というのは、ある意味パターン化していてですね、非常にやりやすいです。ですから、まだやられたことの無い方についてもですね、積極的にやってみてください。けしてできないものではないです。要するに、開示請求して、出てくればいいし、出てこなくても。出てきたうえで返還してこないから訴訟をやる場合ももちろんありますし。だいたい現実には和解になってしまうんですよ。もちろん、和解はしないという意気込みで、判決を取るという覚悟をもってやられるのはいいですけれども、現実には1回目の弁論期日を待たずして和解してしまう場合も多いし、1回目はやるにしても、2回目、3回目まで弁論が入るということは稀です。ないわけではないですけれど。ぜひ、せっかく特別研修を受けられて、まだ知識が新しいうちにですね、現実のそういう事件というものを出していただいて、私は今、岡谷の簡易裁判所にけっこうよく行くようになったんですけれども、残念ながら裁判所で他の司法書士の方と法廷で会うという経験はまだしていませんが、岡谷に限らず、各地の簡裁で司法書士同士が「あ、どうも」とかって言って挨拶するような光景を夢見ているんですけれど(笑)。そういうふうになりたいものだなって思っています。私からの話は以上ですが、後10分くらいありますので、今日の話に関してでもいいですし、関しなくてもいいので、何かご質問とかご意見とかご報告とかありましたらお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。(以下、質疑応答は省略)
 以上で分科会を終わらせていただきます。ありがとうございました。
(了)

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不当利得返還請求訴訟 3

それから司法書士費用3万円ということなんですが、ついこの間はある信販会社が相手だったんですが、似たようなケースで司法書士費用5万円で提案したところ、全部払いますというふうになりまして、言ってみるもんだなと思いました。ですから、3万円とか、5万円とか、まあこれは基準があるわけでもないので、こういう形で和解をするときには、参考にしていただいて、最初から(すべての取引明細を)出してくれりゃあ、訴訟なんかやらなくて済んだんだから、って言ってください。おたくのせいで訴訟までやらなきゃいけなくなっちゃったんだから、余計にかかった費用は全部負担しなさいよと。この前その信販会社は司法書士費用5万円をつけて90数万円でしたが、「わかりました、これから社内の稟議にあげますので、そのかわり1万円未満の端数だけはなんとかなりませんか」と言われたもんですから、「駄目です。」と言って(笑)「1円単位までお願いします。それが駄目なら訴訟で争いましょう」って言ったらすんなり通りました。最近けっこう熱い仕事をしていまして、当然出すべきものを出してこないということで腹立たしいですよ、非常に。出してくりゃあいいんですよ。で、出してこないから訴訟をやらなきゃいけなくなっちゃったんだから、全部余計な費用はそちらで持ちましょうというのが基本だと思うんですね。もちろん訴訟になる前に和解をする場合には、多少ケースによっては減額して和解する場合もあります。その場合にどのくらいで手を打つかという基準については、これはそれこそ人それぞれ、個々の司法書士が判断することであって、ここにいる人たちでみんな統一しましょうなんてことは、できないわけです。ただ私の場合どうなっているかという話を参考までにしますと、最初のうちは、弁護士の話とか、いろいろな人の話を聞く中で、8割くらいでやっている人が多かったので、8割くらいだったら和解するようにしていました。8割というのは実際の過払い金が100万円だったら、80万円返してもらうというのが8割ということです。8割だったらいいよという感じで何となくやっていたし、今もどちらかというとそういうケースが多いかと思います。最近ちょっとまた考え方が変わってきて、これは静岡の司法書士と話しているとなるほどなあと思うのは、金額によってですが、例えば過払い金が200万円とか300万円に対して8割ということになれば、何十万も減額という話になってしまうわけです。一方で過払い金が少ないケース、30万、40万であればそれに対して8割ということであれば、実際に譲る金額はわずかですね。そういうわけで、なんでもかんでも8割というのはおかしいんじゃないかと。ということでひとつ参考になるなと思ったのは、訴訟によるとすれば、どんなに少なくても5万円くらいはかかるだろうと、実費プラスアルファで5万円くらいは持ち出してしまうと。そうであれば、実際の過払い金額から5万円を差し引いて、例えば80万円が実際の過払い金額であれば、75万円だったら和解する、というふうにしてやっている人もいるようです。私も最近だんだんそういう考え方に傾いてきています。ただ、それも金額によりですよね。例えば実際の過払い金が20万円しかないのに、5万円も負けてやるいわれはないわけで、その場合は8割で。自分にとって都合のいいようにやっているわけで(笑)。別に譲る根拠はないわけですから。本来は全額返してもらうのが当然なわけで、逆にこちらのほうが返すときには全額返せと向こうは言うわけですから、本来は全額返してもらう話なわけです。けれども実際問題として訴訟をやるということになると、印紙代とか、郵券とかかかってしまって、現実の解決として、5万円くらいだったら譲ってもしょうがないかな、というような考え方もあるようです。この辺はみなさん、それぞれ考えてください。全員が歩調をあわせなければいけないというものでもないと思いますので。
 事例の話は以上です。これは一つのケースです。けっこうありがちなケースです。このケースは最初に特定調停をやっていたので、取引の開始日がわかったという強みがありました。調停の書類を見れば取引の開始日がのっていたということで、だいぶ強気でできた。ですが、そういうケースばかりではなくて、本人の記憶では10年くらい前からやっていたと、ただ、業者のほうが3年分しか出してこないという場合に、例えば、10年前の契約書というものは残っていないけれども当時の返済したときの領収書が1枚残っているとか、あるいは預金口座から引き落としで返済していたというケースもあるので、通帳を見れば当時の記録が全部とはいわないまでも残っているようなケースだと、わりかしやりやすいですね。訴訟にのっけたとしても、裁判官も、これは以前の取引があったんですねというふうに思ってくれやすいですね。だから、そういう場合はがんがんできます。ところが、一番頭を抱えてしまうのが、なんにもないケース。なんにも手掛かり、証拠がなくて、ただ本人の記憶しかない。なにもない。というケース。こういうケースで、さすがに私も実際にやって何もないにもかかわらずやっていって最終的にこういう和解とか判決とかとったということはないです、正直言って。最近、青司協で、○○という会社があるんですが、○○に対する一斉過払い提訴というものをやったんですけれど、そこで何件か私も出したんですが、その中には何もないケースというのがありました。たしか。それがまあどうなるか、負けられないものですから、がんばっていきたいんですが、その辺の情報をお持ちの方がいらっしゃったら後でまた発言いただければありがたいと思っています。まあ何もないとちょっと慎重にならざるを得ないかなと、できないとは思いません。何もなくてもやりようはあると思っています。そういうノウハウはまた、みなさん、出し合っていただいてやっていきたいと思います。
 一番はですね、そこがなぜ重要かといいますと、出さない業者がいたとして、たとえば3年分しか出さない、○○なんかはその最たるものなんですが、どうしても出さない業者がいて、一方で素直に出してくる業者がいて、素直に出してくる業者については過払い金の返還を受けられるわけです。債務者は。ところが出してこない業者からは過払い金の返還を受けられないとすると、誠実な業者ばかりが損をしてしまう話になってしまって。ちゃんと貸金業法のガイドラインを守って営業をしている業者が損をして、不誠実な業者が得をするという変な話になってしまうので、それは絶対おかしいということですので、これは司法書士が、弁護士さんもやっているのかもしれませんが、司法書士の知恵を出し合ってそういう不誠実な業者の不正を許さないと、不誠実なのに得をしているという、それは許しちゃいかんということで、これは訴訟をやってでも何をしてでもやっぱり回収をしなきゃいけない、他の業者との公平も保たれないということもあるので、これは気合を入れてぜひやっていきたいと自分も思っているところです。
 私の事例の後につけてありますのが、さきほどもご紹介をさせていただいたんですが、198頁になりますが、これは、今日も出席していらっしゃいますけれども、飯田の菅原さんの方で、実際に飯田の簡易裁判所で○○を相手とする訴訟におきまして、文書提出命令を出させた事例です。このあいだ青司協の勉強会がありまして、そこでご報告をいただいたんですけれども、私も文書提出命令を自分でとったことがないもんですから、現実にとったという話を聞きまして、非常に感心をしました。こういう形できちんとやればですね、裁判所も、こちらがきちんとした書面を出して、きちんとやっていれば、不誠実なのは相手なわけですから、これはわかってくれるはずであって。文書提出命令が出ますと、相手は出さざるを得ないし、仮に、うちは10年分しかとってないとかって言い張る信販会社とかもけっこう多いですが、仮に無いといってもですね、例えば実際の取引は15年前からあったというケースで、10年分しかうちはそもそもとってありませんと、それ以前は破棄をしてしまいましたという場合であっても、そういう場合で文書提出命令が出たというケースもあります。今日資料の方はつけてないんですが、そうすると無いものを出せという命令を裁判所が出すわけですね。それはどういう意味を持つかというと、無いものは無いじゃないか、ではなくて、文書提出命令が出たにもかかわらず、その提出をしてこなかった場合には、こちらの、原告なら原告の主張を相手は認めたことになってしまうという、ペナルティーですね、言わば。そういう強烈な効果があるわけです。文書提出命令というのは。ですから、出さなければ、相手は自白したような形に追い込まれてしまうわけであって、強力な手段なんですね。最終的に文書提出命令を出させるということでもってやっていけば、これは、実際にあろうがなかろうが、関係ないわけなんですよ。で、文書提出命令をいかにして出してもらうかというのはやはり、それまでいかに開示請求をしていたか、とか、そういう交渉の経過とか、そういうものがものを言ってくると思うんですね。ですから、再三に渡って請求してたんですよと、でも一向に出してきてくれなかったんですよ、ということを言いつつ、最終的には文書提出命令の申立てをしていくと。で、その199頁が実際の菅原さんの事例の決定ということになります。こういう現実に発令もされているということも踏まえて、みなさんも臆することなく取組んでいただきたいと思います。私もこれで非常に勇気付けられました。菅原さんがんばってるんだなっていうのを聞いて、それまですごく、○○をどうしよう、と気が重かったのが(笑)、気が晴れたというのが、勉強会に出た人たちは皆そういうふうに思ったんじゃないかなと思います。そういう事例もあります、ということです。
 それからですね、203頁につけてあります資料は、これは単なる民事訴訟法の条文なんですが、今年4月1日から施行になりまして、新たに訴えの提起前における照会制度というものができました。132条の2という条文がそれなんですが、さっき言いました当事者照会と似ているんですが、これは訴え提起した後の話ですね。今回新設されたのは、訴え提起する前にも照会ができる、予告しておいて。こういう訴訟を起こしますよと予告した場合には、さっきの当事者照会みたいなもので、訴え提起前にあらかじめ照会をすることができるというものができたわけです。私はまだ使ったことはないですが、これを使うことによって訴訟の進行が早まるということは言えるかなと思いますね。これで出してくるかどうかはわかりませんけれども、出してこなかったとしても、今までであれば、訴えを提起してから、当事者照会をかけて、回答が無い、したがって文書提出命令を求めます、という段階を踏まなければいけなかったものが、これをやることによって、あらかじめ予告しておいて照会をかけておいてから、それでも何ら回答がなかったということになれば、訴訟を提起すると同時に文書提出命令の申立ても出してしまう、というような使い方もできるんじゃないか、ということを上田支部の荻原さんがこの前言っていました。後ろの方につけてある、205頁、206頁、207頁にあります資料が、その荻原さんからいただいた資料で、予告通知書というのはこのような形で出せばいいのではないかということです。紛争の要点ということで、訴状ほど具体的に書かなくても、要点を記載すればいいというふうになっていますね。それから207、208頁が照会状。これはさきほどの当事者照会とほとんど同じ文面になりますが、多少、予告通知者とか、被予告通知者とかっていうところは変える必要があるのかな、ということですね。こういうものを参考に、作ってみて、使ってみていただいたらいいんじゃないかな、と思っています。
(つづく)

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不当利得返還請求訴訟 2

それから、計算ソフトの紹介をしますと、いまは非常に便利で、利息制限法に基づく充当計算を自動的にしてくれるコンピューターのソフトがいろいろあります。いろいろあるのでどれを使ってもいいんですが、お勧めしたいのは、私も使っていますし、非常に便利でお勧めしたいのは、新潟の司法書士の外山さんという方のホームページに無料でダウンロードできるソフトがあります。いくつか使ってみましたけど、これが一番すぐれているんじゃないかと思います。ヤフーなどで、「司法書士 外山」などで検索すればヒットするんじゃないかと思います。そこからダウンロードして、ボタンを押せばすぐにできますので、まだ使っていない方はこれを参考にしていただけばいいかなと思います。私も始めたばかりの頃はソフトなんてなかったので、全部手計算でやってました。電卓叩いてやってました。非常に時間がかかりました。でも、けっこう快感というか(笑)、減っていくのがわかるので、けっこう楽しみながらやってました。今はとても時間がなくてできません。365分の日数とかってやって延々と計算していくわけですが、それをコンピューターが自動的にやってくれるという話なんです。以上が計算ソフトの紹介です。
 次に、事例の紹介をさせていただきます。その後で、いくつか最近出てきている重要な課題がありますので、それは一番最後に触れたいと思います。事例の話をちょっとしたいと思います。資料に戻りまして、181頁からの資料を見てください。これは昨年の8月19日ですので、第一回目の簡裁代理業務の認定をいただいてわりとすぐの頃に出した訴状ですね。岡谷簡易裁判所宛に訴えを起こしたときのものです。これは全部一件の書類を時系列につけてありますが、比較的参考になるのではないかなと思ってつけました。181頁から197頁までがそれです。これは全部同じ人の原告被告同じ人の、同じ事件の書類ですので、時の順序にしたがってつけてありますので、これを一つ紹介させていただいて、イメージを持っていただければというふうに思っています。
 訴状の書きぶりからいきますと、これは特別研修を受講された方にとっては復習みたいなことになると思いますけれども、こんなような形で、訴状の1頁目、2頁目、3頁目は書いていくことになるかなと。これは別に請求の原因にしても、このとおりでなければいけないというわけではなくて、たまたま私はこういうふうに書いただけですので、もっといい請求の原因の書き方もあると思いますので、みなさん工夫されてみたらよろしいかなと思います。
 ポイントとしてはですね、送達場所…まあ細かい話はいいや(笑)、要するに182頁からをちょっと見てください。請求の趣旨は一応48万払えということなんですが、請求の原因1として、原告は平成7年7月14日から貸金業者である被告との間で継続的に金銭消費貸借取引を行い、金銭の借入れと弁済を繰り返してきた。2として、ところで利息制限法に反しているから元本に充当されるべきだと、これは言っても言わなくてもいいかもしれませんが、3として、そこで、最初の取引日及び現時点における残金に基づき、原告と被告との今日に至るまでの取引経過を予測し…。予測したわけです。これを利息制限法所定の金利に引き直した結果、48万の過払いになっていると。4として、なお原告は被告に対して本件金銭消費貸借取引の内容を明らかにするよう請求してきたが、1年分しか開示がなされずにやむなく訴訟提起に至った。今後文書提出命令などを利用して、訴訟の中で明らかにする予定である。というようなパターン。こういうパターンの訴訟は非常に多い。これからもたぶんみなさんやられるようになると、たくさん出てくると思います。と言いますのは、全部の取引経過が出てくればですね、訴訟にならなくても、交渉なりでもって返還を受けることができるケースというのは結構出てきます。多少そこでもって減額したりとかっていう話は出てきますが、基本的に訴訟をやるというのはそれだけ余計な費用も手間もかかりますので、できれば訴訟せずに回収できればそれが一番いいわけであって、やはり訴訟をせざるを得ないケースというのはこういうケースのように、開示請求をしてもなかなか出してこない場合に、仕方なく起こすというケースがけっこうあります。全部が全部そうではないですが。
 184頁を見ていただきますと、期日請書。簡易裁判所ですので、呼出状が必ずしも送られてくるわけではなくて、電話等で、場合によっては訴状を出したその場で、書記官との話しで、いついつが都合がいいですか、と言って決めるケースがほとんどであります。そういう場合には確かにその期日を司法書士として承知しましたという記録を裁判所に残すために、請書を出してくれと言われます。こんなような形で請書を出しているという意味でここにつけてあるわけです。
 185頁にありますのは答弁書。訴状を出しまして、しばらくしまして相手方から答弁書が出まして、一応請求の棄却を求めるという答弁書が出てきたと。それから186頁にいきまして何をしたかっていいますと、これはもう、ほとんどパターン化しているんですけれども、こういうケース、資料の開示が得られなくて、予想で計算して訴訟を提起するという場合には、私の場合にはほとんどやることがパターンで決まってまして、訴状を出して、期日が決まります。そうすると何をするかというと、186頁にあるような、照会状というふうに書いてありますが、これがいわゆる当事者照会というものです。
 民事訴訟法の何条かちょっと忘れましたが、平成10年頃のたぶん改正で新設された手続きなんですが、訴訟を提起した後にですね、主張立証のために必要である資料等について相手方に対して照会がかけられる、書面で回答を求めることができるというような、あ、163条ですね、ここに書いてある、民事訴訟法163条の規定にそういうものがあるわけです。だいたい私は内容証明で出しています。必ずしも内容証明でなければいけないわけではないですが、まあ証拠が残るという意味で、内容証明で出しています。これ見ていただきますと、だいぶ詳しい内容になっていますね、照会状の内容が。非常に細かい。これはたしか静岡県の司法書士の方が作ってくれたものをそのまま使わしていただいている、私が自分で考えたわけではないんですけれども、こういう詳細な照会をかける場合もあれば、もっと簡単な形で、1枚でおさまるような形での照会をかける場合もあって、ケースバイケースなんですが。要は、相手が当然持っているわけですから、データーを。その内容について回答してくれ、ということなんですね。で、なんでこれをやるかっていうと、これをやったからといって出てくるものでは、あまりないんですね。相手はこれで回答をしなければいけない義務を生じるわけでもないです。ないですが、ただし、こういう照会をしたにもかかわらず、相手がなにも返答をしてこなかったということで、裁判官に与える心証というんですか、相手が非協力的であるということで、後に出てきますが、文書提出命令という、強制力のある、文書提出命令の発令をしていただける可能性が高くなるという意味で、当事者照会というのはやっておく価値があるということですから、必ずやるようにはしています。
 こういう当事者照会を内容証明で行いまして、190頁になりますが、準備書面(1)と。当事者照会をしたが、なんら回答がありませんでしたということで、文書提出命令の発令をしてください、というのはまだ言ってないんだこの時点では(笑)。いろいろ書いてあります。第1。「原告被告間の金銭消費貸借取引の開始日について」ということで、この方のケースは実は、訴訟に先立ち、特定調停を経ていました。すでに17条決定において債務が存在しないということの確認がなされていました。ですから最悪0ということで安心してできたんですが。甲第3号証というのは何かっていいますと、17条決定の写しですね。17条決定の書面は本人が当然持っていますので。その17条決定の書面を見ると、申立人と相手方との平成何年何月何日付け金銭消費貸借契約に基づく申立人の債務の存在しないことを確認するというふうに書かれていたわけです。そうすると、それでもって少なくとも取引の開始日は確認されているということですのでこれを証拠としてつけたわけです。それが平成7年7月14日からというふうに書いてあるのはそういう意味です。
 第2の「当事者照会」ということで、さきほどの当事者照会を内容証明でしたが回答がなされていないということ。第3として「求釈明」として、再三に渡って開示請求してきたけれどもらちがあかない、よって裁判所において釈明を行っていただきたいということで、さきほどの当事者照会に書いてあったこととほぼ同じようなことを羅列して、こういう形の準備書面というものを出して、口頭弁論に臨んだわけです。
 ここで、194頁も見てください。これは参考にしていただければと思いますが、いわゆる準備書面の直送というんですが、今、準備書面等は裁判所を通さずに、相手方と直接やりとりする、直送が原則になってますので、当然この準備書面も直接被告にfaxで送ってやりとりをする。その際に裁判所から受領書面を出すように求められますので、それをこういう形で送付書をつけまして、相手方に受け取ったことを裁判所に届出をしてもらうような形のこういう書面。私はこれをつけて直送をしています。たいがいスムーズに行きます。相手も慣れてますので、貸金業者であれば。ただ、こういう業者ではなくて、一般の方と一般の訴訟でやりとりする場合にはなかなか難しい面もあると思いますが、まあそれはそれとして。で、これは私は別件で、ある弁護士さんが相手方として出してきたものをそのままパクらせていただいて、そのまま使っています(笑)。自分で考えたわけではなくて。こんなようなもので、やればいいんじゃないかなと思います。
 そういう形でいったところが、結局、被告から連絡がありまして、全部出しますと。で、全部出してきました。裁判所に出してきたのではなくて、直接、代理人の私のところへ送ってきました。しかも引き直し計算をしたうえで送ってきました。そうしたところが、実際の過払い金額というものが、だいぶ予想していたものよりも少なくて、12万しかなくて、最初の予想計算では48万だったものが、全部計算してみたら12万しかありませんでした。それで、連絡がきましてですね、申し訳ありませんでしたというふうに向こうの社員の方が言ってきました。で、今までの経過もありますし、調停を踏んで、何度も開示請求してやってたにもかかわらずいつまでたっても出してこなかったというような、そういう経過を踏まえまして、和解申入書、195頁。こういうものを送りつけました。まあこんなことは口で言ったっていいんですけどね。電話でしゃべったっていいんですけれども、私はさっき言いましたように口下手ですし、なんでも証拠として残ったほうがいいと思うんで、極力書面でやりとりをするようにしています。この195頁の申入書、これをfaxでまず相手方に送ってみました。これを見ますと、私ちょっとうっかりしてまして、提案としてはですね、具体的には、その下線が引っ張ってあるところですが、過払い金12万7647円、これちょうどです。それから訴状に貼ってある印紙額が4600円、それから予納郵券6400円、それから当事者照会のための内容証明代1970円、それから訴訟にかかった司法書士費用3万円、合計17万の返還を求めます、なんて威勢よくやったんです。まあ結果的に言いますと、すべて認めますということで和解したんですね。問題なく、こちらの手落ちでしたんで、すみませんでした、ということで。で、次の頁にあるように和解書をとりかわして、訴えの取下げまでしました。それで一件落着したんですが。で、何をうっかりしたかっていうと、資格証明の費用を乗せるのを忘れちゃって、1000円なんですが(笑)、後で気がついたんですけれども、今からいうのもカッコ悪いなと思って、そのままにしちゃいました。こういう場合は全部つければいいと思うんですね。つけられる限りのものをつけて、絶対勝つわけですから、こういう訴訟は。全部つけて返還させると。
(つづく)

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不当利得返還請求訴訟 1


長野県司法書士会平成16年度専門実務研修会分科会講演録「不当利得返還請求訴訟」
(平成16年6月12日 於:松本市勤労者福祉センター)

 それでは、午後の部を始めさせていただきます。この分科会は、「不当利得返還請求訴訟」というテーマでやらせていただきます。参考資料はこの資料集の181頁からになります。私の方で関わった事例の中から参考になりそうな事例を一つと、あと後ろの方に飯田支部の菅原さんの方で、後で説明しますが文書提出命令を実際に取られた事例をこの前ご報告いただいたものですから、菅原君の承諾をいただきまして資料をつけさせていただいてあります。198頁から201頁あたりがその資料になります。それから、205頁から最後までつけてありますのが、上田支部の荻原さんから提供をいただいた資料で、今年の4月1日の民事訴訟法の改正で新たに「訴えの提起前における照会制度」というものが創設された関係で、それを利用した手続きについての資料をつけさせていただいてあります。順次、そういった資料を使いながらお話をしていきたいというように思います。
 最初に、今までにサラ金等を相手とする過払い金返還請求訴訟を代理人としてでも本人訴訟でもいいんですが、実際に提起されたことのある方は手をあげていただけますでしょうか。はい、ありがとうございました。まだ経験をされていないという方の方が多いようですので、そういったことを踏まえましてお話をしていきたいというふうに思います。
 まず、黒板のほうにいくつか書かせていただきましたが、この1、2、3とこんなような順序でお話をしていきたいと思います。
 まず1つ目の利息制限法といわゆるみなし弁済の話を最初にしたいと思います。もう実際にやられている方におかれましては充分わかっていらっしゃることでありましょうから、申し訳ありませんが、我慢して聞いていただいて、まだ経験されていない方を中心に話をさせていただきたいと思います。まず、いわゆる過払い過払いというふうに当たり前のように言いますけれども、サラ金、別にサラ金に限らないんですけれど、基本的に貸金業者との取引で、簡単に言えば利息制限法に引き直して見たら払い過ぎになってたと、それを返してくれということでやると、それを訴訟手続きでやるのが過払い金返還請求訴訟なんですけれども、それを法的な構成で考えると不当利得返還請求ということになるということなんです。
 これは最初ですので、正確に理解をしていただきたいんですが、なぜ、そういうことが起きるのか、なぜ過払いなんていうことが問題になるのかということなんです。これはまず、やはり基本は利息制限法という法律があるということです。利息制限法の1条ですかね、条文をお持ちの方は参照していただければと思いますが、ここに書かれていることというのは、金銭消費貸借契約における利息の約定は、年15%ないし20%を超える部分については無効とする、というふうに書かれています。超える部分につき無効とすると書かれています。無効とするというのはどういうことかと言いますと、そういう契約、約束をしたとしても、効力は生じないというふうに言えるかと思います。それならば、なぜ、無効の約束なんてものがまかり通っているのか、という話です。今、通常の消費者金融の利息というのは年25%から28%くらいまでで行われていると思います。そうするとそこに数%の開きがある、これはどういうことなのか、ということです。無効な契約をしてはいけないかどうか、とそもそも考えると、別にしたっていいわけです。契約は自由ですから。「1万円やるから、お店に行って万引きしてきてくれ」という契約を当事者間ではしたって別にいいわけです。それと同じで消費者金融と借主が利息制限法違反の利息で契約を別にしちゃいけないわけじゃなくて、したとしても、法律上無効なんですよというふうになっているということです。
 じゃあ、どこまで契約してもいいかというと、そうではなくて、よくグレーゾーンというふうに言われるんですが、利息制限法の上限を仮に年18%としますと、年29.2%までの、通常の消費者金融業者はこのあたりで営業をしているのですが、このあたりの金利設定はいわゆるグレーゾーンといわれてまして、灰色の領域です。無効なんですよね、無効。ただし、別に罰則はない。そういう契約をしたとしても、罰せられることはない。だから極端な話、借りるほうのお客さんが、25%の利息でもいいから、貸してくださいと言って貸し借りするぶんには、誰もそれを咎める人はいないと、借りるほうも承知して借りて返しているわけですから、別に誰も文句を言う人はいないというに過ぎないということです。ですから、世の中には消費者金融からお金を借りて、きちんきちんと返済して、最後には完済して、それで何もなかったと、そういう人もいるわけです。そういう人は別にそれでいいし、別に我々がそういう人にまで声をかけて、あなたは過払いですよとか、そんなことは余計なお節介のような気もします。違うかもしれませんが。
 一番問題なのは、やはり、サラ金と取引をしている人たち、現に借りたり返したりしている人たち、要するに返済が苦しくなってきた人たちです。グレーゾーンという民事上は無効な利息でもって取引している人たちの場合には、返済が現に困難な状況に追い込まれているわけですから、それでも無効な利息を払い続けなければならないかというと、そんなことはないわけで、もう無理であれば無理だ、ということで利息制限法に基づいた計算でやってくれというふうにものを言っていくというのが、我々が行っている債務整理ということになるんですが。
 ところで、年29.2%というのはどこから出てきたかというと、いわゆる出資法という法律、出資と預かり金の何とかかんとかいう、なんだか長い名前の法律ですが、出資法で言いますと、年29.2%を超える利息の契約をした場合には、罰則が課されることになっています。罰金あるいは懲役というような、刑事罰が課される、それだけ重い意味を持っている。そうすると、消費者金融会社は、利息制限法は守らないにしても、出資法を超えることはまずないということで、ぎりぎり29.2%まではいいということで、当たり前のように営業が行われているわけです。ですから、仮に年利30.1%とかで営業している会社があれば、それはそく行政庁なりに申告するなり、刑事告発なりの対象になるくらいのものですから、まあそういう業者はまずいないということなんです。で、ヤミ金というのはもう滅茶苦茶で、完全に出資法をも無視している、10日で5割とか、年利数千%とかいう、信じられないような利息で営業をしている、それはもう論外で、今日はヤミ金の話はしません。通常の消費者金融などは、このグレーゾーンで営業をしている、ここの利息というのは何なのか、という話です。
 次に、話をしたいのは、いわゆる「みなし弁済」というふうに言われている言葉があるわけです。貸金業規制法43条という条文があるんですけれども、それが、いわゆるみなし弁済といわれている規定なんですけれども、わかりやすく言いますと、利息制限法の18%を超えた利息であっても、貸金業者の側が、いくつかの決められた細かな条件をみな、クリアーしていた場合、ひとことで言えばきちんとした営業をしていた場合、きちんとやるべきことをやって、情報もきちんとお客様に開示して、なおかつお客さんのほうがそれを任意に支払ってきた場合に限っては、この部分の利息というのは特別に有効とみなしましょう、という条文です。有効とみなすから、みなし弁済というふうに言うんですが、そういう規定があるわけです。それが、結局金利の二重構造とかっていうふうに言われて、すごく分かりづらい結果を招いているんですが、一方で年18%という利息制限法の制限規定がありながら、29.2%までは有効とみなされる余地があるというようなへんてこりんな法律になっているということです。要するに消費者金融は罰せられなければいいや、ある意味「もうけもの」みたいな、お客さんのほうが文句言わないで払ってくれさえすりゃそれだけ儲かるというだけの理由で営業をしている。
 法律はそういうふうになっている、ということです。じゃあ、過払い請求ができる根拠というのは、どこにあるのか、ということです。別にそうなっているからって、なんで、不当利得返還請求というところに結びつくのか、という話です。ここも、正確にまず認識をもって臨んでいただきたいんですけれども。これは、やはりその、今当たり前のようにそれが実務上、できるようになってきているというのは、いくつかの裁判例の積み重ねというものがあって、判例の積み重ね、最高裁判所の判断というものが過去にありまして、それが前提となって、実務上、過払として請求することができるようになっている、というのが正確な理解です。
 それで、最高裁判所の重要な判断というのが2つあるわけです。1つは、昭和39年11月18日。もう1つは昭和43年11月13日。この2つの非常に重要な最高裁判所の判断というものがあります。これは余談になりますが、さきほどもホームページの話をしたんですけれども、いまインターネットで、最高裁判所のホームページに行くと判例検索っていうのができて、判決の年月日を打ち込むだけで判決の全文が出てくる、重要な最高裁の判例は見ることができる。たぶんこの2つの判例あたりも載ってるんじゃないかと思うんですけどね。判決文はそういったホームページ等でも検索ができるというふうな形になっています。
で、どういう判断をしているかっていいますと、ごくかいつまんで言いますと、昭和39年11月18日、こっちのほうの判断というのは、あ、ごめんなさい。その前に、利息制限法1条2項にはどういうふうに書いてあるかって言うと、1項では18%を超える部分は無効であると言っています。2項では、前項の超過利息を債務者が任意に払った場合にはその返還を請求できないというふうに書かれているんですよね、実は。そうすると条文からいけば返還請求できないじゃないかというふうになりかねないんですが。素直に行けば返還請求できないんじゃないかということなんですけれども、それがなぜできるかっていうと、条文の解釈について、最高裁判所がそうじゃないんだと、返還請求できるんだという判断をした、それがあるから、今できるということです。すいません。話が前後してしまいました。
 まず1つ目のこの判断というのは、これはいわゆる「充当される」と言ったわけです。初めて最高裁が。利息制限法の超過利息を債務者が払った場合には、それは当然に残元本に充当されますよ、という判断を初めてしたわけです。非常に重要な判断なわけです。そうすると、元本に充当されるのであれば、返済を長くしていればしているほど残元本に充当されますから、当然残元本は減額されるということになるわけで、そういう画期的な判断をここでしたわけです。
 さらに、昭和43年の判断では、そういう形で超過利息を支払ってきた結果、元本が完済になったときは、その後支払いを続けてきた、その払った金額というのは不当利得なんですよ、不当利得として債務者は返還を請求できるんですよという判断を初めてここでしたということです。
 ここはぜひ、おさえておいていただきたいです。どういう根拠で、利息制限法があって、一方みなし弁済なんていうものがあって、利息制限法1条2項では返還請求できないとなっているにもかかわらず、なんで過払い金返還請求できるのかっていいますと、過去に最高裁がそういう解釈をしているからなんだというところまでをぜひ、押さえておいていただきたいと思います。
 で、さっきも紹介しましたけれど、この調停のパンフレット(「債務者のためのサラ金調停必勝法」)に、今の理屈がわかりやすく書かれていますので、ぜひ参考にしてみてください。以上がこの1番目の話です。
(つづく)

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