2014/07/31

改正司法書士法によるクレサラ執務の変容 10

今、法律扶助に関する実務的な、手続的な話をしたわけですが、これに関する質問とか、手続面の細かい、わからない点は遠慮なくさきほどの司法書士会のホームページに質問をのせてください。なぜかと言いますと、別に電話で聞いてくれてもいいんですが、なるべく親切にお答えすつもりではいますけれども(笑)、そうするとその場だけになってしまうんです。私、愚痴を言うわけではないでが、同じようなことをけっこう何人もの方から電話で聞かれることがあって、そうすると、こういうホームページの掲示板に質問を載せていただいて、私もそこへ回答をつけることによって、同じことを聞きたい人がそれを見ていただけばわかるわけです。自分のためだけでなくて、みんなのために質問をぜひしてください。掲示板は非常に便利でして、検索ということができます。インターネットをやられている方はご存知だと思いますが、本会の掲示板についても検索ができます。例えば、「過払い」の件でなにか質問をしたとします。誰かが。また半年位して、誰かが似たような質問をしたいというときに、過去にそういう質問や回答があるかどうかということを、たとえば「過払い」というキーワードで検索をかければ過去に同じやりとりがあれば出てくるわけであって、同じような質問を重複してしなくてもすぐ見つけられるという意味で便利なものです。
 もう一つの便利さは、たとえば書式。申立書や各種上申書とか、こういうものを自分は使いましたというものがあれば、そこへ載せておくわけです。そうすると後でそれを見て、使えるわけです。パソコンは非常に便利ですので、コピーして、貼り付けて、自分で加工して、多少字を変えるとか、そういうことがワンタッチでできてしまうわけです。いちいち自分で全部打ち込んでやるよりも、参考になる書式があれば、自分でコピーして、貼り付けして、手直しして、印刷すればそのまま使えるという、そういう便利さもあるわけです。
 それからもう一点は、私は人より口下手でして、代理権なんてほんとは無きゃよかったと思っているくらいなんですが(笑)、裁判所にもけっこう行っているんですが、しどろもどろになっちゃったりすることがよくあって。別に司法書士はそもそも書く士ですから、しゃべれなくたって文章がうまけりゃいいわけです。こういうホームページとかに、質問するというのは、時間がかかって面倒くさいんです、確かに。文章を書く。しかも人が読んでわかるように書くというのは、大変なことなんです。それはそれで。私もけっこう質問したり回答つけたりしますけれど、なお、一度書いて読み返してここは変だなとかで直したりして、気をつけて、気を使って載せているつもりなんですね。誰が読んでもわかるような文章を書くという訓練にもなると思うんです。単なる走り書きとか、覚書とかいうのはしょっちゅう仕事のときにやることです。メモ書きとかも。そうではなく、誰が読んでも意味が同じように伝わるような文章を書いて、こういう公けの場にアップするというのは、自分の訓練にもなると思います。ですから、そういうメリットもあるのでぜひ、面倒くさがらずに、掲示板とか各種ホームページにも書き込んだりしていただきたい。今以上に本会のホームページが活発に利用されていけばいいなと思います。
 それで、さっき言いましたが書籍も参考書ですとかもありますが、それ以外に、今は非常に便利なというか、情報があまりにも多くなってきていて、メーリングリストというものがあるんですね。いろんな、たとえば青司協の何とか委員会ですとか、クレサラ対協ですとか、私いま、一人で10何種類かのメーリングリストに入ってまして、毎日パソコンを開いてメールのチェックをするんですが、各フォルダーごとに分けてありまして、ここは青司協の役員会、ここは本会の委員会、というふうに部屋が分かれていて、そこにメールが自動的に分けて収まるようになっていますので、比較的読みやすいです。朝、5分もあれば、ばーっと見れますので。で、必要があれば返事を出したりということも。要するに、そういうメーリングリストのひとつひとつが非常に有意義な情報を与えてくれるものなんです。そういうのもぜひ、それを全部ここで紹介することはとてもできませんので、またおりをみて、せっかく作った本会のホームページですので、そういうところに、参考になりそうなメーリングリストやホームページの情報も上げていきたいと思っています。それからそういうことに限らず、日々の仕事をやっていくうえで、ほんとに些細なこととか、なんでもいいんですよ。こんなこと聞いたら笑われるんじゃないかとか、一切気にしないで、ぜひ、質問を載せてください。それが、この前の「会報信濃」にも同じようなことを書いた気がしますが、みんなのためになりますので。「自分一人が聞いて、わかって、よかった」ではなくて、質問して、誰かが答えてくれると、自分だけじゃなくて、みんなのためになるということですから、ぜひ、一人でも多くの人が、あそこへ書き込んでください。お願いします。
 それから、最後になりますが、さっき法律扶助の話をしましたが、ちょっと話はそれますが、「司法ネット」という言葉を聞いたことがあると思いますが、総合法律支援法という法律が6月2日に公布されまして、日本司法支援センターという団体が立ち上げられることになりました。法施行後2年内をめどに設立とあるので、平成18年4月頃をめどに法人の設立登記がされるということになっているようです。その日本司法支援センターという独立行政法人ですが、その業務開始が法施行後2年6ヶ月以内になされるということですので、おそらく平成18年10月頃、秋頃をめどに業務開始ということのようです。そうすると、これはいわゆる小泉総理が司法ネット、司法ネットという発言をしていたものが日本司法支援センターという正式名称になったわけですが、それは何かって言いますと、弁護士、司法書士、その他隣接法律専門職種の方々、のみならず、いろんな行政の関係者の方々とか、そういう方々が、一般の方の法律相談ですとか、その他さまざまなサービスが今よりももっとスムーズに受けられるように、そういう体制を作ろうということで、政府が、国がお金を出して、そういうものを整備しようということなんですね。そうすると、司法書士も今、いろんな形で無料法律相談とか、やってますけれども、それはそれとしてもちろん、今後も引き続きやっていくんですけれども、国がお金を出して立ち上げる、日本司法支援センターというところへ、司法書士がどういう形で参画していくかということが、ここ1、2年で非常に重要な問題として、あがってきています。私が今毎月3回くらいのペースで日司連へ出かけていっているわけですが、そういう話をしているわけです。今、なんでそんな話をしたかと言いますと、日本司法支援センターの事業の一つに法律扶助事業があるわけです。今は財団法人法律扶助協会という団体がそれを担っているわけですが、それが、日本司法支援センターが設立されることによって、法律扶助協会はおそらく解散することになるだろうと言われています。法律扶助協会が行っている法律扶助事業が今後は日本司法支援センターでもって取組みがなされていく、ということになりますと、そこに司法書士が、法律扶助というものに、いったいどの程度司法書士が関わっているのかということが、非常に重要な意味を持ってくるだろうということなんです。司法書士がどれだけ書類作成援助を出しているかということは、件数で一目瞭然でわかってしまうことなんです。昨年、年間で2500件くらい出たということですが、とてもその程度の件数では、司法書士がやってますということは言えないだろうという話です。一言で言いますと、件数をもっと出してくれということです。これは常に言われていますので、今日こういう場を与えていただいたものですから、法律扶助をぜひ、みなさん使っていただいて、もちろん基本的には一般の利用者の方々のためにある制度なんですけれども、これを司法書士が、きちんと使ってます、依頼者に説明して使ってますよということを言っていくことが、ここ1、2年で非常に大事なものですから、そういう意味もあって、そういう話もさせていただきました。
 ちょっと時間を過ぎてしまいましたけれども、私からの話は以上であります。どうもご静聴ありがとうございました。
(了)

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改正司法書士法によるクレサラ執務の変容 9

どういう報告が必要かということもこのガイドブックにも書いてありますし、最初から全部頭に入れておく必要はないです。申込みをあげると、必要な指示が法律扶助協会から通知できますので、それに応じて報告なりなんなりしていけばいいと、それで充分です。最初から全部覚えてやる必要はないです。ただ、余分な書類を作らなければいけないという手間はありますけれども、まあこれはぜひ、使っていただきたいと思います。
 次に書類作成援助の支出基準、つまり立替金額についてですが、破産の場合はだいたい報酬が8万4000円、実費が1万7000円、予納金は別です。そうすると、予納金を除いた金額が10万1000円。予納金を入れれば12万円くらいになるということです。そうすると、さきほど自分でやる場合は20万いただいていると言いましたが、法律扶助を使うと12万円になってしまうわけですね。そうすると、安いんですけれど、ほんとに収入がなかったり生活保護を受けている人からはっきりいって20万なんていうお金はもらえませんので、そういう場合はこれを使って、少ない報酬になりますけれどもきちっといただくと。実際にそれでその人は助かるわけです。申立がしていけるわけです。ですから、おおいに利用価値はあります。それと、法律相談の場合はさっきいったようにだいたい1件5000円。それから、もちろん書類作成援助は破産に限らずほかの少額訴訟ですとか、本人訴訟でできそうな事件にも使えます。私は今まで破産と、民事再生しか使っていません、書類作成の場合は。ただ、法律扶助協会の方に言わせると、ほかの一般事件についてもぜひ、使ってくださいということのようですので、これはみなさんの使い方しだいで他の案件にも使えるはずですので、私もどうやって使ってやろうかなと考えているところです。
 それから、代理援助の支出基準については、22頁を見てください。これはガイドブックの後ろのほうに基準表がついているのをコピーしたものですが、この中に、代理援助は債務整理に限らず、いろんな事件に使えるわけですが、私が今までに使ったのは債務整理だけです。それで、債務整理は下から3段目くらいになります。債務整理事件。ここを見ていただきますと、債権者の数によって金額が決まってきています。1社から5社の場合には、費用が2万5000円、着手金として10万円、消費税5000円の10万5000円と。総額13万円。債権者が5社程度であれば、総額13万円が支払われるわけです。けっこういいお金になります。それが右側のほうの送金通知にも代理援助として書かれているとおりです。ただ、破産の場合であればどういう場合に使うかという判断は比較的たやすいと思いますが、そもそも債務整理は払っていく手続きですから、コンスタントに収入がある人でないとできないわけです。そうするとそういう人がはたして法律扶助を使うのがいいのか、という問題がありまして、全部が全部これを使うというわけではもちろんないです。任意整理の場合は多くは普通にこれを使わずにやっていって、安定した収入がある人ですから、報酬も分割で、積立方式で入れてもらうのが原則でありますが、私はどういう場合で使っているかといいますと、お年寄りで年金暮らしであるとか、収入が少ない方、月々少額の返済資金はなんとか作れるけれども、司法書士の報酬まで余計に持ってこさせるというのはちょっと大変そうな人であるとか、そういう場合はこれを使うことを検討するようにしています。もう一度言いますと、代理援助で、債務整理に使えそなケースというのは、収入があるけれども限られているようなケース、少ないケース、余裕があまりないような人の場合には、これを使うことを検討してみてもいいのではないかと思います。無理に使う必要はないですが、もちろん。
(つづく)

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改正司法書士法によるクレサラ執務の変容 8

事例で言いますと、25頁についていますのは、相談のみのケースです。具体的なノウハウはガイドブックに書いてありますが、簡単に言いますと、法律相談援助、相談のみの場合に何が必要かと言いますと、この法律相談援助申込書の表の方は依頼者が書きます。裏の方は司法書士が記入をします。その表と裏を法律扶助協会の長野県支部にFAXで送ると。FAX番号はガイドブックの裏のほうに書いてあります。これだけです、法律相談は。なんて簡単なんでしょう。要するに給与明細などもいっさいいりません。相談だけの案件で、まあもちろん資力要件などの問題もありますが、細かい話はガイドブックに書いてありますが、使えそうな人であって、今まであれば相談にのったけど、お金はいいや、というような場合にぜひ、使ってみてはどうでしょうか。そうすることによって我々がきちんと責任をもったアドバイスができるようになれば、いいのではないかなと思っています。これで実際に5000円をいただいたということです。
 27頁にありますのは、代理援助です。27頁から後についているのは全部一人の人の代理援助の関係資料です。いわゆる債務整理、任意整理の案件ですが、やはり27、28頁の申込書の表、裏の記入と、29頁にあります債務一覧表、債権者一覧表と言ってもいいですが、こんなようなものが必要です。他に必要なものとしては、世帯全員の住民票の写し、戸籍謄本、それから収入のわかるもの1点。年金をもらっている人であれば年金のハガキみたいなものでもいいですし、給与所得者であれば給与明細。最近は給与明細であれば3ヶ月分くらい出してくださいと言われています。所得証明書とか源泉徴収表とかでもかまいません。1点でいいとされています。みんなガイドブックに書いてあることですけれど、必要なものは、書類作成援助の場合と代理援助の場合の申込みでは、申込み用紙、世帯全員の住民票、戸籍謄本、それから多重債務案件であれば債務一覧表、それから収入の疎明資料1点、そのくらいです。住民票や戸籍謄本はコピーでかまいません。というのは、破産の場合であれば裁判所に出さなければなりませんから、なにも2通同じものをとってもらう必要はないわけで、コピーで足りています。給与明細などもみんなコピーでいいです。そういうものを、さきほどの法律相談援助の場合はFAXでいいといいましたが、書類作成援助と代理援助の場合は、そのものを持ち込むか郵送で送るか、する必要があります。私は岡谷で、長野市まで遠いのでいつも郵送で法律扶助協会の長野県支部のほうへ一件書類をまとめて郵送で持ち込んで出しています。そうしますと、すんなり問題なく決定がおりる場合もありますし、追加資料の提出を求められる場合もあります。そういう場合は電話で連絡がきますので、すみやかに出していくということです。問題がなければ37頁にありますような通知がきまして、今回法律扶助の決定をしましたのでお願いしますというようなものがきまして、38頁以下にあるような契約書が送られてきます。依頼者の方が署名捺印し、司法書士が署名捺印したものを法律扶助協会のほうへ返送するというようなやりとりがあります。それから40頁にありますのが、報告書。これは代理援助の債務整理の場合になりますので、着手した段階で、受任通知を発送して、債権調査中であるというようなこの段階ではこのくらいの報告しかできないわけです。今後、和解が成立したりすれば、最後にそういうまた報告をすることになっています。
(つづく)

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改正司法書士法によるクレサラ執務の変容 7

あと30分くらいなんですけれども、法律扶助制度の詳しい話をさせてください。資料を見ながら、いきたいと思います。22頁からです。22頁からが、法律扶助に関する私のほうで出した資料になります。これもガイドブックというのがありまして、たぶんみなさんの多くは持ってらっしゃると思うのですが、もし無い方は、事務局に多少在庫があると思いますので、確認してみてください。必ず手に入れてください。司法書士会に無ければ、法律扶助協会の長野県支部にあるはずです。そのくらいはくれるはずですので。必ずこれは必要です。これを見ながらやればできます。
 実際にどういうふうに利用するかという話なんですけれど。この資料の20頁を見てください。これは私のホームページから印刷してきたんですけれど、「裁判費用、司法書士費用を払うことが困難な方へ」ということで、簡単に言いますと、法律扶助協会が行っていサービスは他にもいくつかあるんですけれど、我々が関わるサービスとしてはこの3つです。法律相談援助、書類作成援助、代理援助、この3つです。それから、簡裁代理権の認定を受けていらっしゃる方は、3つとも利用できます。簡裁代理権の業務の認定を受けておられない方は、真ん中の書類作成援助だけが利用できます。
 それぞれのサービスの内容は、そこに書かれているとおりですが、かいつまんで言いますと、法律相談援助といいますのは、お客さんにとっては、無料で法律相談が受けられますよというサービスになります。法律相談にのった弁護士なり司法書士なりについては法律扶助協会から、簡単に言いますと1時間あたり5000円の相談料が支給されるということです。ですから、市民の方にとっては無料相談ですけれど、我々にとってはお金をもらって法律相談にのれますよ、ということです。
 それから、書類作成援助といいますのは、裁判所に提出する書類の作成を、司法書士あるいは弁護士が、受任・受託しておこなった場合の報酬と実費を法律扶助協会が相談者に代わって立替払いしてくれる制度になります。普通であれば、直接お客さんから報酬をいただくところを、資力が乏しい方の場合に、法律扶助協会が立替えて払ってくれる。その代わり、その人は法律扶助協会のほうに、月々償還金として返済をしていくと、そういう制度です。ですから、私たちのところへは、事案に応じて、報酬と実費が法律扶助協会から一括して払われるという、ありがたい制度です。
 それから、代理援助といいますのは、弁護士及び認定を受けた司法書士が、その限りにおいて、依頼者の代理人として訴訟、調停などをおこなった場合の報酬ですとか、実費を法律扶助協会が立替えて払ってくれる、お客さんのほうは、あとから法律扶助協会のほうへ月々返済をしていっていただくという制度です。以上3つくらいあるわけです。
 それで、私はめちゃくちゃ利用しています。ぜひみなさんにも使っていただきたいということで、わかりやすいところで話をしますと、イメージを持っていただくために、23頁を見ていただきますと、送金通知というものがあります。小口一成様ということで財団法人法律扶助協会から私の口座にお金が振り込まれましたという通知です。右下を見ていただきますと、26万9500円と、これが3月15日に一ヶ月分ですが、これだけいただいたということです。次のページを見ていただきますと、これは3月分の送金通知です。右下を見ていただきますと、60万5000円という高額な立替え金が私の口座に入金がされているわけです。これは何人かの方の代理援助ですとか、法律相談ですとか、書類作成援助ですとか、私が仕事をさせていただいた方の苗字がそこに書いてありますけれども、こういう方々の依頼を受けて、私が破産などを出した、その報酬、実費が法律扶助協会から支払われているということです。非常にお客さんにとってだけでなく、僕にとっても扶助になっているということです(笑)。この3月はちょっと特別でして、いつもこんなにあるわけではないです。3月はなぜこんなにたくさん出したかといいますと、法律扶助協会の役員などをやっている関係で、3月までに件数を出しておかないと、翌年度の予算が削られてしまうとか、そういう問題があるもんですから、無理やり出したような感じもあって、3月はこういう金額になっています。毎月こんなにもらえるんだったら私の場合、これだけで食べていけますので(笑)、こんなに出しているわけではないです。
 ぜひ、やり方を覚えていただいて、そんなに難しくないですから、使えそうな案件についはぜひ、依頼者にも説明をしてあげてください。これはなかば、われわれの義務みたいなものだと思いますので。民事法律扶助法という法律、今度法律が変わりますけれども、司法書士の職責として、依頼者に法律扶助制度の説明、情報提供をすると。使うか使わないかは依頼者の方が決めればいいと。そういうことがありますので、ぜひご紹介いただきたいと思います。
(つづく)

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改正司法書士法によるクレサラ執務の変容 6

ごく簡単にいいますと、破産の場合は、同時廃止の場合ですけど20万もらっています。実費を入れて。予納金とか、予納郵券ですとかで、だいたい実費が3、4万円くらいだと思います。そうすると報酬が約16万くらいになるかなと思います。破産は実費を入れて20万くらいはいただいています。
 それから、個人再生手続きの場合は、報酬は20万円です。あと、個人再生手続きの場合は、予納金が22万くらい、これは支部によって違うようですが、私の支部では予納金が22万、印紙が1万、あと、郵券とかもろもろで、実費が25万くらい必要になると思います。ですから、個人再生の場合、実費が約25万必要であって、報酬が20万ですよと、トータルで45万くらいですよというふうにしています。
 それから、特定調停。最近、ちょっと反省しなければいけないんですけれども、最近あまり出さなくなってしまったんですけれど、特定調停の場合は、件数によっても加味しますけれど、原則は1社あたり2万円くらいという感覚でもらっています。5社であれば10万円ということです。あまり数が多いともらい過ぎになってしまうので、その辺は依頼者との話で調整しています。
 任意整理の場合は、1社あたり3万円くらいでやっています。着手金と報酬というふうに正確に区分けがなされていないので、私もやり方をちゃんとしなければと思ってはいるのですが、なんせ忙しくて、ちゃんとしている暇がなくて。この前も静岡の司法書士と話をしていて、怒られました。ちょっとそれはずさんだと。もっとちゃんとしなきゃいけないと。みなさんのところで、きちんと事務所の報酬規定なり基準を作ってください。私も作りますので。任意整理は1社3万ということです。あと、過払い金の返還を受けた場合には、実際に返還を受けた金額の2割程度を報酬としていただくようにしています。これは任意交渉で返還を受けた場合も含めての話です。訴訟になった場合にはまた別に考えなければならないのですが。そんな感じかな。
 それで、そういう形で、いつも依頼者の方から相談を受けて、方針を決めるときに、紙に書いて、たとえば実費がこれくらい、報酬がいくらですよ、というふうに確認して、コピーをとって渡しています。あと、もちろん委任契約書を作るようにしています。今まではあまり作っていなかったんですけれど、今後は委任関係というものが重要な意味を持つので、必ず受けるときには委任契約書を2通作って、1通はお客さんが持っていて、1通は自分が持っているというふうにしています。そのときに報酬もきちんと確認した紙を渡して、後でもめないようにしています。
 ここでちょっと本の紹介をしておきます。
 これはぜひご購入いただきたいんですけれど、日司連で出しています、「クレサラ・ヤミ金事件処理の手引き」という本で、民事法研究会が発行しています。この本の中に、さきほどの代理権の付与に伴う細かな問題ですとか、委任契約書の雛形ですとか、受任通知の雛形ですとか、訴訟委任状の雛形も載っていますので、ぜひ参考にしてみてください。
 あと、ついでに言っておきますと、個人再生の参考書としては、やはり日司連の出している「個人債務者再生の実務」という本。これが司法書士にとっては一番わかりやすく書いてあるかなと思います。同じく民事法研究会です。
 それと、これはぜひお読みいただきたいのですが、「詳解消費者破産の実務」。これも民事法研究会。これは静岡の司法書士の芝豊さんと古橋清二さんというお二人が書かれている本で、私にとっては無くてはならない本です。ぜひお読みいただきたいと思います。
 あと、消費者法ニュースという雑誌があります。これはクレサラに取組まれる方は、ぜひご購読していただいたらよろしいかと思います。クレサラに限らず、消費者問題に関する最新の判例ですとか、その他いろいろな有益な情報が載せられています。注文先等はあとで本会のホームページに載せておきます。
 それから、これは特定調停の入門書になりますが、沖縄の司法書士が中心になって書かれています、「債務者のためのサラ金調停必勝法」。これはどちらかというと、司法書士向けというよりも一般の方向けに書かれていまして、これを読めば一般市民の方が自分で特定調停の申立ができるような書き方をしています。私はさきほど言いましたように最近あまり特定調停を自分が出さなくなってしまった。なぜかといいますと、任意整理のほうが、じっくりできるというか、いろんなメリットもあったり。それではいけないと思い、特定調停も利用しなければいけないと思っているんですが。特定調停か任意整理かという判断基準についてはこんなふうに考えています。最近は、各簡易裁判所の調停委員の方を始め、書記官の方々も、非常に一生懸命やってくれるようになってきまして、そんなに問題のないようなケースですと、我々が関与して任意整理として話をまとめるのと、本人が裁判所に言って自分で申立てをして決めるのと、そんなに開きがないというケースもあります。そうであれば、なにも司法書士に報酬を払ってやらずとも、本人が苦労して裁判所の窓口に行って申立書類をもらって書き込んで出せばいい話であって。それはもちろん人を見ます。例えば、性格的にこの人は自分でやるのは難しいなという場合は、よく話をして、多少お金がかかっても引受けるという場合もありますけれども。たとえばまだ若くて、時間もあって、多少こいつは苦労したほうがいいんじゃないかというような人の場合は、あなたは自分で裁判所に行ってやったほうがいい、という場合もあります。そのときは、私はこの本を何十冊と仕入れてあって、一冊500円で売って、自分でやらせたり、とかしているわけです。非常に私たちが読んでも参考になることが書かれているので、お勧めしておきます。さっきのような使い方もありますので。注文先等は本会のホームページにあげておきます。
(つづく)

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改正司法書士法によるクレサラ執務の変容 5

この問題は、非常に重要だと思っています。以前は受任通知は原則出せなかったと、それが、まず、司法書士法の改正によって大きく変わったのは、司法書士が出す受任通知でもって取り立てがストップされるように、ガイドラインにうたわれただけじゃなくて、貸金業規制法の条文にも司法書士という言葉が入ったという点があります。第何条か忘れましたが、貸金業法の条文に、弁護士、司法書士、云々が債務整理の委任を受けた旨の通知を送ったときには、というふうにかかれました。すごいことだと思います。それで、正々堂々と出せるようになった。従わなければ行政指導を求めたりとか、じゃんじゃんできるわけです。ですから、これが認められたことによって大幅に仕事のやり方が変わったわけです。そこのところは、残念ながら、認定されているかそうでないかによって、若干違うと。委任を受けたというのは、債務整理の委任を受けたということですから、委任を受けて、業者と交渉をできるのは簡裁代理権を付与されている司法書士に限りますから、私が受けたから本人には請求するな、といえるのは、認定司法書士のみであると、ここのところは残念ながら、そういうことになっています。でも、認定されていない司法書士の方であっても、従来のような形での関与というのは、できるわけであって、なるべく早期に方針を決めて、裁判手続きに乗っけるという形でやっていくことは従来と変わりません。私も幸いにして認定を得られましたけれども、そういう形で早期に申立をするという場合もあります。ケースによっては。ですので、受任通知を出せるようになったから、じつに楽といえば楽になりました。けれども、それでもって安心してしまって、たとえば極端な話をすると、受任通知を送ったことによって、取立てがとまってしまって、本人も安心してしまって、司法書士も安心してしまって、何もしないでそのまま忘れ去られて、というようなことが出てきてはまずいわけで、そういうことが出てくると、最近新聞にも出ましたけど、整理屋提携司法書士なんてものが、やっぱり出てきたらしくて、従来は弁護士でそういう問題があったわけですけれど、やはり、代理権というものが与えられて、受任通知というものがそういう意味を持つようになると、誘惑もあるわけであって、司法書士にも変なそういったわけのわからない整理屋みたいな人からお誘いがあって、というふうに、都会あたりでは出てきているらしいですね、そういう司法書士が。ですから、そこのところは肝に銘じて、今までなかったそういうメリットとデメリットがあるということですね。ですから、使えるものはもちろん使っていく。
 これによって、債権調査を徹底してやると。債権調査ができるようになったという意味と、債権調査を徹底しなければいけなくなったという、両方の意味があるんですけれど。これは、今まで、さっき言ったように、相談を受けて、次の日に破産申立をするといったケースがあったわけで、やむをえずやっていたわけですけれど。そういうエイヤーというような形でやっていたことが当時は仕方なかったとしても、今、こういう権限が我々に与えられたうえで、同じやり方でいいのかというと、やはり問題があるであろうと。例えば、破産に限らず個人再生手続きの場合であっても、個々の債権者の債権額がいくらかということを、ある程度調べて、正確に把握したうえで申立てをしていくことの必要性が、以前よりも大きくなってきているというふうに思います。最近は原則として破産であっても個人再生であっても、債権調査をして、債権額の把握をしたうえで、申立をするというのが原則になってきています。それはやはり裁判所からの要請もあります。司法書士が関与しているのであれば、きちっとした形で申立てをしてほしいというのもあるし、後で言いますが、法律扶助制度を使う場面であっても、法律扶助協会のほうからもそういった指導なり、債権額、例えば過払いが含まれてないかとか、そういう面もきちんとチェックしたうえで、申立てをしていく、ということが、以前と比べるとそういう必要性が増してきているということです。
 まとめますと、以前は、相談を受けて、方針決めて、申立てというパターンだったものが、今は、相談受けて、受任して、債権調査して、申立てというふうに、ここが大きくパターンが変わったということです、一言で言うと。ただ、明らかに破産しかない、例えば無収入で、利息制限法で引きなおしてもたいして減るわけでもないどう考えても破産しかないという場合にも、きちんと債権調査してから申立てをしなければいけないかというと、それはどうなんだろうなという気もします。私も、そこのニュアンスというのがうまく伝えられないんですけれど、中には、いきなり出してしまう場合も今でもあります。別にそうしたから誰かに不利益が生じるというようなことがないようなケースということですかね、一言で言えば。例えば、こういう場面もあります。本人が自分で特定調停をやって、成立して、途中まで払ってきたと。ところがなんらかの理由で払えなくなってしまったというような場合は、もう特定調停を経ているので、債権額の確定はなされているわけです。そうするといちいち受任通知を出して調査をしてなんてことはやらなくても、金額はわかっているわけですから、すぐに破産を出してもいいだろうと、いうふうに思いますし。あと、いろいろなケースがあると思いますが、柔軟に考えつつも、原則は債権調査は徹底してやるべきだろうというように言えるかと思います。そういうことがこの資料の前半に座談会という形で書かれているので、ぜひ、お読みいただければというふうに思います。
 それから、いきなり話は変わりますけれど、報酬の話をしたいと思います。ご存知のように司法書士報酬が、基準も何も無くなりまして、自由化されているわけです。それで、ここでもってみなさん破産はいくらでやりましょうなんて話はとてもできませんので、かといって、目安も何も無いのではみなさんもどのくらいもらっていいものか悪いのかわからないと思いますので、私がこのくらいもらってますという話をたんにさせてもらってあとはみなさんでご自由に考えていただけばいいかなと思います。
(つづく)

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改正司法書士法によるクレサラ執務の変容 4

最初に、従来我々はどういう形でやってきたかという話を確認の意味でしたいと思います。代理権が無いときの司法書士はどういう取組みをしていたかということですが、今はあたりまえになっていますが、いわゆる受任通知という問題がありまして、これは私はけっこうこだわってやってきたんですけれど、従来の司法書士というのは、弁護士と違って、受任通知を出したからといって、貸金業者は取立てをやめるというふうにはなっていなかったわけです。これは金融庁のガイドラインがありまして、そこには、弁護士が債務整理の委任を受けた旨の通知を受け取ったか、あるいは、裁判手続きをとった旨の通知を受け取った場合には、取立ては控えなければならないと書かれていたんですね。「弁護士が」、ということで「司法書士が」、というのは従来は入っていなかった。ですからいくら我々が相談を受けて、多重債務者の方が非常にせっぱつまっているという場合であっても、いくら司法書士が受けましたという通知を出したからといって、そんなものは知らんと、本人に請求させてもらうと言われると、返す言葉が無かったというのが従来です。それでも事実上、止まっていたという面はありますけれど、根拠がなかったということです。
 これは余計な話になりますけれど、もう5、6年前になりますか、いわゆるクレサラ相談センターといって、徳島県の司法書士会が、今、長野県でもやってますけど、常設の電話相談窓口を作ったんですね。5年ほど前の話です。で、大々的に新聞にも出た。そうしたところが、弁護士会からクレームがついて、弁護士法違反だと。結局すったもんだしたあげく、徳島県の司法書士会の会長さんが辞任するというような問題にまで発展して、そういう時代もあったと。ですから、結局そういうことがあると、一生懸命取組もうとしている司法書士に対する悪影響とか、足枷みたいな形になっちゃって、長野県で、例えば僕なんかが、軽率な行動をして、弁護士のように振舞って、交渉をしたなんて話になって、それが揚げ足をとられて、弁護士会から司法書士会へ苦情が来たなんて話になると、それこそ僕だけの問題ではなくて、全体への影響もあるということで、けっこう気を使ってやっていたわけです。ですので、以前は、受任通知をおおっぴらに出すということは僕の場合はしてなくて、どうしてたかと言いますと、なにしろ取立てを止めないと落ち着いてものが考えられないという状態にほとんどの人はあるわけです。まず、取立てを止めるためにはどうするかというと、とにかく裁判所の手続きに乗っけちゃうしかない、ということです。そうすると、以前はどういう形で処理していたかといいますと、電話なりで予約が入ると、最初の面談日を決めたら、そのときに、関係書類ですとか、必要になりそうな書類を全部持ってこさせて、その日のうちに、全部話を聞いて、方針を決めて、破産なら破産、調停なら調停ということで、次の日とかに申立てをしてしまう。もちろん全部が全部そういうふうにはできませんでしたが。だいたい、利息制限法で引直せばこのくらいだろうということは、やっているうちにだんだんつかめてくるので、これはどのみち破産だな、とか、これは調停で引き直せばなんとかなるなという形で、けっこうアバウトなやり方をせざるをえなかったというのが、以前の実態です。で、そういう形で、一昨年あたりは、年間、破産は36件くらい、調停はめちゃくちゃ多くて、特定調停は200件くらい出していたように思います。それは結局ぱっぱぱっぱと。もう相談を受けたら、とにかく裁判手続きに乗っけちゃうという形でやっていて、そういう結果になっていたと思います。昨年は、途中から代理業務を行うようになって、特定調停を出す機会が減ったという面があります。おととしほどの申立の件数というのは自分の事務所ではありませんでした。その代わり、いま、進行中の事件といいますか、いわゆる任意整理という形で、交渉中の案件というものが非常に多くて、今何件くらい抱えているのかはちょっとすぐにはわからないくらいになっています。
(つづく)

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改正司法書士法によるクレサラ執務の変容 3

だらだらお話しちゃいましたけど、要するに、本人訴訟の支援というものは、これからも無くならないと。140万を超える紛争についてはもちろん代理することができないわけで、それは本人訴訟でやるか、それとも弁護士のところに行ってもらうかというような形にならざるをえないわけです。私は極力、信頼関係を築いて、その人と初めて会ったときから、じっくりお話をきいて、信頼関係を作ってくるなかで、140万超しちゃったから、弁護士さんのところに行きなさいというんでは、あんまりであって、できる限り、そういう場合でも、本人訴訟の支援的な形でやっていきたいなというふうに思っています。少なくとも私は思っています。ただ、それが必ずしも、それがいいというふうに言えるわけではない場合もあると思います。
 次に、今お話に出ました、140万という話をちょっとしたいんですけれど、もともと簡易裁判所の事物管轄は90万円でしたが、今年の4月から140万円に上がったわけですね。それで、ここのところはたぶん多くの人が理解されていると思いますが、理解が不充分な方もおられると思いますので、今日、確認しておきたいと思います。この資料の5頁を見てください。
 5頁に書かれていますのは、訴訟の目的の価格あるいは調停を求める事項の価格の考え方が書かれておりまして、我々は今140万までの紛争であれば代理ができるということなんです。じゃあその140万というのはどういう意味なのかということです。ごく簡単に言いますと、例えば、ある人がサラ金から200万借りている状態で相談にきたとします。残高が200万ある。これは140万超えてますから代理はできませんね。ということではないということです。ここのところは簡単にいいますと、もともと200万請求されていたわけで、これを利息制限法で充当計算をやりなおして、例えば120万円になったという場合には、200万ではなく120万であることを確認せよという訴えを考えた場合には、簡単にいいますとその人にとっての訴えの利益というのは、80万円になると、ごく簡単に言うとこういうことです。引き直した場合にどれくらい減るか、それが、紛争の価格なり訴えの利益になると、これが140万を超えていなければ代理ができると、簡単に言えばそういうことです。そういうことが注釈司法書士法97頁あたりに書かれています。ぜひご確認いただければと思います。もう少し正確に言いますと、そこの下のほうに表がありまして、引き直した後の120万を一括で払うという和解を結ぶ場合には、80万という考え方でいいんですけれど、それを3年の分割払いにするといった場合には、分割払いにすることによる利益というものが出てくるわけで、それをどう考えるかというと、分割して支払いが延びる分だけ、その期間に応じて法定利息の年5分をかけたものが経済的利益だということが、下の表に書かれているのはそういうことです。まあ、ここのところは実際にはあまり問題にはなりませんけれど。厳密にいえばそういうことなんだということです。要するにいくら減額できるかということと、分割にすることによる利益がどれくらいあるかということで、140万までなのかどうかが決まってくるということです。ここが、おそらく理解されている方のほうが多いと思いますが、いちおう確認をしておきたいということです。
 それで、ここからは、簡裁代理権、昨年の4月の司法書士法改正によって、司法書士のクレジット・サラ金問題に関する仕事のやり方がどのように変わったか、あるいは変わらない部分はどこか、ということです。もちろん最初に言いましたように、代理権が無ければできない仕事ではないはずです。もともと我々は無い中でやってきたわけであって、代理権が付与されたことによって、メニューが増えたというのは確かにありますが、無いからといって私はやらないと、代理権がある人のところに言ってくれということではなくて、ぜひ、代理権があるとか無いに関わらず、取組んでいただきたいと思います。そういうお話をこれからしたいと思います。
(つづく)

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改正司法書士法によるクレサラ執務の変容 2

今日のタイトルが、「改正司法書士法によるクレサラ執務の変容」というタイトルなんですが、むしろ、今日109名の方がおられるということですので、もちろん認定をとられている人もそうでない人もいるわけです。それで私が今日一番強調したいのは、簡裁代理権に踊らされるな!ということなんですよね。別に簡裁代理権があるからやるとか、簡裁代理権がもらえたから取組まなければいけない、というものではないと思うわけです。といいますのは、私は平成7年からかれこれ10年近くになりますが、簡裁代理権というものは無い中でやってきたわけですね。無い中でやっているのがあたりまえだった。そうしますと、今思えば、無いなら無いながらの不便さとかそういうものが確かにあったなと思うわけですが、当時は別にそんなことを考えてやっていたわけではなくて、与えられた権限の中でやれる限りのことをやっていたと、それが少なくとも私のところに相談にきた人にとっては、一定の解決がはかれていたというふうに思っています。簡裁代理権がまさかこんな形で与えられるなんてことは夢にも思っていませんで、ただ、幸いにして与えられてしまったということです。そのことによって非常に仕事の仕方ががらっと変わりましたね。そういう話もしたいんですが、ただ、これは特に新しく司法書士になられた方ですとか、もしくはベテランの方であっても今まで取組んだことがなくて、これから取組もうとされている方々に対して、ぜひ、私が訴えたいことなんですけれども、何というか、弁護士と同じようにやっていてはいけないんじゃないか、というか、やっても意味ないんじゃないかということ。弁護士と同じようにやるんだったら、ロースクールに行って弁護士になればいいという話です。私は司法書士として取組む意味というのが必ずあると信じています。で、今まで代理権というものが無い中で、よく言われることですが、本人と二人三脚でやってきたと、そういう職能というのは司法書士しかいないわけです。それが、簡裁代理権というものが与えられたことによってみんな忘れてしまってはいけないなということで、私もともすると最近、任意整理ばかりになってしまって、そういうかっこいいことを言いながらも自分自身が忘れかけている部分があります。それは、ぜひ忘れないで今後の取組み方においても、やはり我々は司法書士なんだと、いままで本人訴訟の支援ということを掲げてやってきたんだということをぜひ、忘れないでやっていっていただきたいというふうに思いますし、私も忘れないようにしたいと思っています。
 これも関連した話になりますけれど、私自身、もう5年くらい前から関わっている事件がありまして、いずれも本人訴訟です。いわゆる商工ローンの商工ファンドという会社がありまして、今名前が変わってますが。当時商工ローン問題が非常に社会問題化して、保証人さんの「根保証」といった問題ですとか、日栄の問題とかいろいろありましたけれども、私も弁護士をつけずに本人でやるしかないということで関わってきて、5年くらいかかって、先月結審しました。3件ほど関わっているんですが、1件は根保証人にされた人が商工ファンドから手形訴訟で訴えられて、500万を払えという訴えを起こされているわけですが、自分は500万なんて保証をしたつもりは全くないという中で、被告として争ってきたわけなんですけれど、5年くらいかかりまして、先月弁論が終結し、結論からいいますと、和解になりましたが、内容は100%勝訴的な和解です。要するに商工ファンドの手形訴訟というものは、そもそもおかしいという判断を裁判官が心証を開示してくれまして、やっててよかったな、払わなくてよかったという内容の解決になったのが一つ、それから、もう一つは同じく商工ファンドで、これは逆に、みなし弁済といって、利息制限法違反の利息をずっと払わされてきて、計算してみたら、過払いになっていると、だけども商工ファンドというところは特定調停にもまったく応じてこないという中で、しかたなく、訴訟にした、これも本人訴訟で、3、4年かかってやってきたんですけれど、これも、先月、先々月かな、和解になりました。これも、多少譲歩はしましたけれども、基本的にはみなし弁済はみとめないという中で、和解という形で、解決が得られたものです。もう一つやっているのがあるんですが、これは上田のほうの裁判所でやっているんですけれど、これはいろいろ事情があって、途中から弁護士さんにお願いして、バトンタッチした形になったんですけれど、毎回傍聴に行きまして、これについては弁護士さんが過激な弁護士さんで、絶対判決を取るということで、来週、当事者尋問をやることになって、おとといその弁護士さんの事務所で、本人を交えて打ち合わせをしてきたんですけれど、来週、当事者尋問をやって、そのうえで判決をもらう。で、これもほぼ、勝ちは決まっているんですけれど。そんなようなことで、たぶん、あまりこんなふうにやってる人はいないだろうなという、そういう形の本人訴訟への関わり方をしています。
 その中で、やはり正直にいうと、大変は大変です。毎月、毎回、傍聴に行かなければいけない。それで、お金はどれくらいもらえるかというと、4年かかった裁判で、このあいだ報酬をもらいましたけれど、いくらもらったかというと、全部あわせて40万くらいもらいました。4年かかって40万というと、いかにも安いと言わざるをえないんですけれど、でも、いっしょにやってきて、その人も毎回裁判所に足を運んで、目にするわけです。相手方の弁護士と、それから裁判所を含めての、ルーズな訴訟進行というんですかね。当日になって準備書面をぽんと出してきて、そんなのその場で読めるわけないんですけれど、こっちは前もって出すんですけれど、それがあたりまえになっちゃってる。結局本人は会社休んで裁判所に行っても5分かそこらで終わっちゃって、何やってるんだ、という感覚を持つわけです。ただ、そういうことを本人が目にする機会というのはあまりなくて、そういうことをサポートするというか、いっしょに関わって経験できるというのはすごく幸せなことだな、というふうに、これは本当に思いました。やはり、面倒くさいとか、大変だとか、煩わしいとか思って逃げてしまうとそれまでだなと。結局効率のいい仕事ばかりやっていると、それでは、結局弁護士に取り込まれて司法書士というものは無くたっていいんじゃないかなということを感じているわけです。
(つづく)

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改正司法書士法によるクレサラ執務の変容 1


「改正司法書士法によるクレサラ執務の変容」
(長野県司法書士会平成16年度専門実務研修会全体会講演録 平成16年6月12日 於:長野県松本勤労者福祉センター)

 みなさんおはようございます。消費者問題対策委員会の委員長をしています小口一成と申します。よろしくお願いします。今日は、こんなに大勢の方がいらっしゃるとは予想しておりませんで、驚いていると同時に、とても感激しています。私の個人的な話をしますと、平成7年に司法書士を開業しまして、当時からこの問題に積極的に取り組んできた人間として、こんなに多くの人が集中講座に来ていただくようになったということが、まず何よりも嬉しいというふうに思います。今日はせっかくみなさんお忙しい中お集まりいただいて、この雨の中、お集まりいただいておりますので、少しでも今後の実務の参考になるような話ができればいいなというふうに思っています。
 今日の流れなんですけれども、資料にありますように、まず午前中、90分になりますが、私のほうで、全体研修ということで、「改正司法書士法によるクレサラ執務の変容」というテーマでお話をさせていただきまして、その後は分科会という形になりまして、それぞれ、お選びいただいた講座を受講していただくことになります。
 さっそくですが、全体会の私に与えられておりますテーマに入っていきたいと思います。
 まず資料のご説明をさせていただきますと、資料の最初のほうに、「改正司法書士法によるクレサラ執務の変容」ということで、私のほうで出させていただいた資料が39頁くらいまでが、それになります。主にその部分を使いながら、話をしたいと思っています。この資料なんですが、前半1ページから18ページにありますのが、昨年の日司連のクレサラシンポジウムの資料の中からそのまま抜粋させていただいてつけさせていただいてあります。読み返してみたんですけれども、非常にいいことが書いてありまして、なるほどなあと思いました。今日、あえてつけましたので、今日お帰りいただいてからでも、お時間のあるときに、ぜひご一読いただけると、今日私がしゃべりたいことのエッセンスが書かれていますので、ぜひお読みいただければと思います。19頁から21頁までにありますのは、これは、申し訳ありません。私のホームページを最近作りまして、その中のある部分をつけさせていただいてあります。主にクレサラ問題に関する手続きの説明ですとか、後でお話しますけれど、法律扶助制度に非常に力を入れておりまして、非常に使っております。その話も今日、ぜひしたいんですけれども、法律扶助制度の紹介ですとか、そういうことも詳しく、ホームページに書いてあります。一般市民の方に見ていただいて、参考にしていただきたいという思いで作ってありますけれども、ぜひ、興味がありましたら、ホームページのほうも見ていただければ、と思います。
 それから、22頁から40頁までが、今言いました法律扶助制度の実際に私が利用したときに使った資料です。後で詳しくお話しますけれど、法律扶助の申込みから始まりまして、決定がおりまして、法律扶助協会から司法書士のところにお金が、立替金が入りまして、法律扶助協会のほうに報告をあげるというような流れについても、後でお話をしたいと思います。資料のほうの説明は以上です。
 これから本題に入っていきたいと思いますが、今日は何をしゃべろうかなと思いまして、実は準備があまりできておりませんで、というのも、余計な話になるんですが、普段から、いろんな役員、役職を断れなくてみな引受けてしまっている関係で、日司連の役員も3つくらい受けてしまっていまして、今週も水曜は司法制度対策部会の会議で東京に出かけ、木曜は法律扶助協会の本部審査委員というものをやってまして、その会議で東京の弁護士会館に行き、昨日は富山で行われました、中部ブロックの法律扶助担当者研究会に日司連から派遣されて行ったりということで、昨日の夜おそく松本のホテルに帰ってきて、今日、ホテルからここに出頭してきたという感じで、あまり準備ができておりません。
 とはいえ、今日一番お話ししたいこととしては、去年も同じような話をしたような気がするんですけれど、実務的なこと、手続的なことというのは、本を読むということに尽きると思うんですよ。尽きるというか、本を読んで理解する。ここで、口でしゃべったからそれでできるというもんじゃなくて、細かな手続的なノウハウは、ぜひ本を買って、お読みいただきたいと思っています。そうじゃなくて、ここでせっかく時間をいただいて、お話させていただくのであれば、できるならば、心に残るような話がしたいと思っているわけです。で、私自身も、ここまで、私はけっこう特異な、特殊な司法書士だと思います。自分で。みなさんに私のようにやってくれとは言いません。事務所がつぶれちゃいます。はっきりいって(笑)。私がなぜ、ここまで力を入れてきたかというと、やはり、開業当初にいろんな方の、先輩のお話を聞いて、非常に感激して、感銘を受けたということがあるわけです。それで、もちろん、私が開業した平成7年当時というのは、今ほど活発に取組みがされていたわけではないですけれども、一生懸命やっていた人もいるわけで、長野県のなかにも一生懸命とりくんでおられた先輩方がいるわけで、よその単位会、僕はよく静岡県の話をするんですけれど、静岡の司法書士の取組みというのは、非常にすごいものがあって、私も、当時そういった司法書士の方の話を、まっさらな頭で聞いて、それがすんなり入ってきたということです。今でも心に残っている言葉というものがあって、それが、自分の毎日の仕事をしていくうえでの、座右の銘というんですかね、糧になっていて、どうせお話させていただくのであれば、そういう話ができればいいな、ということで、あまりここにある資料とか、本とか、法律の条文とか、そういう話は後で言いますけれど、長野県司法書士会のホームページの中に会員専用ページというのがありまして、その中に「クレジット・サラ金問題実務相談コーナー」という掲示板を造りました。今年の4月頃から運用されてます。最初の頃は発言する人が決まっていたんですけれど、最近、たくさんの方が発言してくれるようになってきて、非常に活発になってきています。ぜひ、この実務に取組んでいかれる際には、しょっちゅうわからないことがでてきます。私もいつもわからないことだらけでやっています。そのたびに人に聞いたり、本を調べたりして、やっていますが、やはり、みなさん同じ立場で仕事してますので、忙しいので、電話して聞くというのはちょっと気がひける部分があると思うんですね。その点、こういったインターネットで、パソコンの通信でもって質問するというのは、相手の時間とか都合とか気にせず質問できますので、それを見た人でわかる人が回答をつけてくれるという、非常に便利なものです。パスワードとIDが必要になりますので、今日控えてないんですけれど事務局に聞けば教えてくれると思いますので、パスワードとIDがあれば入れますので、ぜひ、見ていただいて、わからないことは、遠慮なく、質問を書き込んでください。私がわかることでしたら、私のほうで責任をもって回答をつけます。まちがったことをつける場合もあるので、そういうときは正していただければと思います(笑)。
(つづく)

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