講義録 過払い金請求 17
それから、「5 過払い金が140万円を超える場合の対応」。これは、あえて言っておきたいと思うんですが。
過払い金が140万円を超えるか超えないかというのは、本来は、どうでもいい話し。司法書士の都合だけの話しなんですよ。そのしわ寄せがお客さんに行ってはいけないということです。依頼してくる人にとっては、140万を超えるか超えないかなんて、どうでもいい話しなんですよね。それを私たちの側が、変に、依頼者の権利を制約しちゃうような物の言い方をしたりとか、対応をしちゃいけないということなんですね。具体的に言えば、もちろん代理権が無いのは事実ですが、そのことと、過払い金の返還を請求する権利があるということも全く別問題ですし、繰り返しますけれども、依頼者にとってはどうでもいい話し。そう考えると、私たちのスタンスとしては、自分が代理するか、弁護士にバトンタッチするかっていうことを、自分の尺度で測るんじゃなくて、依頼者の立場に立って、考えるべきだろうと。まあ当たり前の話しですけどね。それよりも、むしろ、もっと踏み込んで言えば、140万円の範囲に納まろうが、超えていようが、やっぱり信頼して依頼してくださったわけですから、最後まで、その人のために、お手伝い、支援をしてあげたいし、してあげるべきだし、してあげることがその依頼者のためになるだろうと、いうふうに信じるんですね。
「140万円を超えちゃったから、本人訴訟になっちゃいますよ。もし自分でできないんだったら弁護士さんのところに行きなさいよ」って言っちゃえばいいのか。そうじゃなくてね、最後まで、支援してあげられるための工夫っていうのを、すべきなんじゃないかってことなんですね。
これは、なぜ、そう言うかというと、やっぱりこれは、ことある度に私は言うんですけれども、もともと代理権なんか無かったからなんですよ。もともと代理権なんか無くてもやってたんですよ。今はもう、代理権があって、例えばこれから仕事を始めるという方は、代理権があるのが当たり前なんですけれども、何年か前までは、無かったわけですね。無くてもやっていたわけです。やってる人は、やっていた。訴訟も、本人訴訟の支援という形でやっていたんですね。それが、少なくともじゃあ、やっていた人間が、それは当たり前のようにやっていました。それが、司法書士法の改正で、140万というのができたことによって、今までやっていたはずの、140万を超える、200万とか300万という過払い請求に手を出さなくなってしまったとしたら、こんなに情けないというか、悲しい、残念なことはない。自らの職務範囲というか、仕事の範囲を自分で狭くしちゃってるようなもので、もともとできていた、認められて、堂々とできていた業務なんですから、司法書士法が改正されたことによって、それが狭くなっちゃったんでは本末転倒であって、できるはずなんですよ。もちろん、全部がとは言いませんがね。よほどの場合でなければ、つまり、弁論能力というか、行為能力というかが、よほど劣る人でなければ、本人訴訟で、何ら不都合なく、できています。できます。ですから、そこはぜひ、大丈夫ですよと、励まして、本人訴訟なり何なりであっても、できますよと言って励ましてあげるスタンスを、ぜひ持っていただきたいということです。
(つづく)
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