2008/08/01

推定計算

貸金業者が途中からの取引履歴しか開示せず、「それ以前の履歴は破棄した」などと主張しているケースでは、貸金業者が開示した取引履歴の、冒頭の融資残高をとりあえず無視して過払金を計算する方法と、推定計算によって過払金を計算する方法があります。

「冒頭の融資残高を無視して計算する方法」はさておき、「推定計算による方法」について、以下のような質問をちょうだいしました。せっかくの機会ですので、私なりの見解を述べたいと思います。
質問1 そもそも推定計算はどのような場合に行うべきか
質問2 推定計算は具体的にはどのようにすればよいのか
質問3 他によい方法はないのか

質問1についての見解
私は、①本人の記憶がどの程度しっかりしているか、②推定部分の取引を証する資料(領収書など)がどの程度存在するか、などによって、推定計算をすべきかどうかを決めるようにしています。
たとえ②が全く無い場合であっても、①がかなりしっかりしているのであれば、推定計算でいく場合もあります。この場合、少なくとも(訴訟では)本人の陳述書の提出が必要となるでしょう。
相手方が推定計算を争ってきた場合には、文書提出命令の申立てをしています。
あとは裁判官が文書提出命令を出してくれるかどうかがカギとなります。

質問2についての見解
難しく考える必要はないと思います。
要は、本人の記憶をもとに、できる限りもっともらしく、取引を再現するわけです。
ポイントは、最初に借りたのがいつ頃か、そのときに借りたのはいくらぐらいだったか、その後、毎月いくらぐらいずつ返済してきたのか、当時の限度額はいくらだったのか、といったあたりでしょうか。
あとは、可能であれば、推定計算部分を当時の約定金利で計算しなおしたものと、相手方が開示した取引履歴とを付き合わせてみて、相手方が開示した途中履歴の冒頭の取引日における双方の融資残高が、ほぼ一致していればベストということに一応はなります。

質問3についての見解
推定計算のうえ、いきなり提訴する、ということでもよいのですが、それ以外のやり方としては、事前に提訴予告通知により照会を行なった上で、文書送付嘱託の申立てを行う、という方法もあります。いわゆる「提訴前の証拠収集処分」と呼ばれているものです。以前、このブログに関連記事を書いたことがありますので、参考にしてみてください。↓
提訴前の証拠収集処分について

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