2007/05/08

過払金返還請求と損害賠償請求

過払い訴訟を起こす際に、相手方たる貸金業者が取引履歴を長期間に渡って開示しなかったことにより、債務整理が遅滞し、債務者が精神的苦痛を受けたことによる「慰謝料」や、過払い金を回収するために弁護士や司法書士に依頼して訴訟を提起せざるを得なかったことによる「弁護士費用、司法書士費用」を損害ととらえ、過払い金返還請求に加えて損害賠償請求を行う場合があります。
弁護士費用を損害と認めた判例は比較的よく目にしますが、司法書士費用を損害と認めた判例は意外と少ないようです。弁護士より司法書士のほうが安く見られているせいなのかはわかりません。
最近、たまたま必要に迫られて、自分の関わった判例を整理していたら、そのような判例がいくつか出てきましたので、紹介させていただきます。

(以下はいずれも私が訴訟代理人として関与した事例です。)

判例1
諏訪簡易裁判所平成18年6月20日判決
被告 CFJ株式会社
過払い金約18万円のケースについて、司法書士費用5万円及び民事訴訟法132条の4第1項の申立てに要した費用5090円の損害賠償を請求し、満額認容された。

判例2
諏訪簡易裁判所平成18年6月20日判決
被告 CFJ株式会社
過払い金約64万円のケースについて、司法書士費用5万円及び民事訴訟法132条の4第1項の申立てに要した費用5140円の損害賠償を請求し、満額認容された。

判例3
諏訪簡易裁判所平成18年12月26日判決
被告 CFJ株式会社
過払い金約109万円のケースについて、取引履歴不開示による精神的苦痛の慰謝料5万円、司法書士費用5万円及び民事訴訟法132条の4第1項の申立てに要した費用5540円の損害賠償を請求し、満額認容された。

判例4
諏訪簡易裁判所平成18年11月14日判決
被告 CFJ株式会社
過払い金約109万円のケースについて、取引履歴不開示による精神的苦痛の慰謝料5万円、司法書士費用5万円及び民事訴訟法132条の4第1項の申立て費用5140円の損害賠償を請求し、満額認容された。

判例5
松本簡易裁判所平成18年12月12日判決
被告 CFJ株式会社
過払い金約79万円のケースについて、慰謝料5万円、司法書士費用5万円及び民事訴訟法132条の4第1項の申立て費用5640円の損害賠償を請求したところ、慰謝料5万円、司法書士費用2万円の範囲で認容されたが、132条の4①の申立て費用は損害と認められなかった。

判例6
長野地方裁判所平成19年3月23日判決
原審 伊那簡易裁判所も同旨)
被告 株式会社カレッヂ
過払い金約56万円のケースについて、慰謝料24万円、司法書士費用5万円、民事訴訟法132条の4①の申立て費用5220円の損害賠償を請求したところ、慰謝料10万円、司法書士費用1万円、132条の4①の申立て費用5220円の範囲で認容されたが、その余は損害と認められなかった。

以下、若干補足します。
①私はふだん、司法書士費用5万円の根拠として、自分の事務所の「訴訟1件につき着手金4万円、出廷1回につき日当1万円を受領することができる」と定めた報酬表を甲号証として付けるようにしています。
②慰謝料については、裁判官の顔色を見ながら、ケースによって本人の陳述書を付けたり付けなかったりということをしています。
③民事訴訟法132条の4①の申立て費用については、民事訴訟法上、訴訟費用とされていないことから、これに費やした費用も損害として請求するようにしています。その際、提訴予告通知たる内容証明郵便料金の領収書や、提訴前の文書送付嘱託事件終了後に地裁から送られてきた予納郵券の清算表などを、書証として付けるようにしています。

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