2005/03/31

出会い系サイト

出会い系サイトの利用料の支払いについて相談を受けた。
相談者の話しでは、本件は以下のような流れをたどった。

1 雑誌を見て、「○○ゲッター」という名のサイトにアクセス。
2 サイトの入力画面において、携帯の番号、名前(ペンネームも可)、4桁の暗証番号を入力。
3 「規約」を読んだうえで、「同意する」を選択。
4 メッセージにしたがい、空メールをサイト運営者に送信。
5 折り返し、サイト運営者から「登録されました」とのメッセージが届く。
6 利用可能となる。150ポイントまでは無料で利用できる。

問題はここから。
相談者としては、あくまでも無料の150ポイントの範囲で利用するつもりだった。
それ以上は利用できないだろうと思っていた。
ところが、知らないうちに150ポイントを超えており、有料サービスに移行していた。
それに気付かずにいたところ、数日後、サイト運営者から利用料45000円の請求がメールでなされる。
そこで初めて150ポイントを超過して利用していたことを知る。
相談者としては不本意ではあったが、利用したことは事実なので、給料の入る月末まで待ってほしいとのメールを送信。
するとサイト側から、規則なのですぐに払うようにとのメールが届く。
相談者は月末に45000円を払うつもりでいたところ、数日後、突然別の債権回収会社から、手数料を含めて70000円を払うようにとのメールが届く。
どうしたらよいか。

私は以下のとおりアドバイスした。
ポイントは3つある。
1 内容はともかく、そもそもサイト利用契約は成立していたか
2 契約が成立していたとした場合、錯誤による無効の主張の可否
3 錯誤が認められない場合、払わなければならない金額はいくらか
本件については、錯誤による無効の主張が可能であろう。
根拠は以下のとおり。
相談者の認識では、本件契約の申込みは、「150ポイントの範囲内で無料サービスを受ける」というものであった。
これに対し、実際の契約内容は、「150ポイントを超えて利用することが可能であり、その際は自動的に利用に応じた課金がされる」というものであった。
以上により、契約の要素に錯誤があったと考えられる。
但し、問題もある。
規約をよく読むと、確かに「150ポイントを超えた場合は自動的に有料サービスとなる」旨の記載が存在する。
相談者としては、それを理解していたか否かはともかくも、形式的にはそれを読んだうえで「同意する」を選択していることから、民法95条但し書きにより、「重大な過失」があったとして錯誤無効の主張が制限されるのではないか。
しかしながら、「電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律」第3条により、民法95条但し書きの規定は適用されないと考えられる。
よって、本件サイト利用契約は、錯誤により無効であると考えられる。

以上のとおり、相談者に六法の条文を読み聞かせつつ、かなりの時間をかけて説明した。
その上で、実際の対応としては、とにかく一切の支払いをせずに放置すること。
こちらからは連絡をとらないこと。
これ以上個人情報を相手に知らせないこと。
携帯の電話番号、メールアドレスはできれば変更すること。
これに懲りて、今後は同種の有料サイトの利用は控えること。
万が一相手方より裁判手続きによる請求がなされた場合には、放置せずにすぐに法律家に相談すること。

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