« 過払い金請求 26 | トップページ | 個人再生 15 »

2016/02/09

自己破産 15


 それで、なんで債権者一覧表の公租公課用だけを渡すかというと、一般用のほうは、すでに債権調査をして、わかっているわけですので、必要ないわけですね。借入れの時期とか、残高とか、そういうのはすべて、債権調査をして、履歴があるわけですから、それを見て書けばいいわけですね。これを渡しても本人は書けません。なので、一覧表は、一般用のほうは、こちらが債権調査をした結果を書いていけばいいわけです。もちろん、それだけでは書けない部分もあるので、後で本人から聞いたりして補う部分はありますけどね、でもそれは、あらかじめ書いてきてもらう必要はないわけです。
 公租公課用だけなぜ渡すかというと、公租公課の部分は、おそらく債権調査まではしてないだろうと思います。私はしていません。税金の滞納分というのは、最初の段階で債権調査はしていませんので、それでも、破産の申し立てをするときには、税金の滞納がいくらあるのかっていうのは、書いて出していかなければいけないので、これは、一応本人に確認させて、滞納額がいくらですというのを書いてきてもらう。そのためにこの部分だけは渡すわけです。
 で、この申立書もですね、渡すだけ渡して、書いてきてくださいねっていうのはちょっと不十分だと思います。パラパラ見ながら、アンケートみたいな部分はまあいいとして、例えばこの書類の中でいくと、あらかじめ書いてきてもらわないとどうしようもない部分としては、8ページあたりですね。8ページの、「過去10年間の職業」という部分は、あらかじめ書いてきてもらわないと、次回、事務所に来たときに、うーんって思い出しながら書いてもらっても時間がかかっちゃってしょうがないですから、何年から何年までどこそこに勤めてましたっていうのはちゃんと書いてきてくださいねって念を押す必要があります。
 それから、その次10ページあたりですね。10ページに「具体的な事情」を書く欄があります。負債がどのようにして増えてしまったのかっていう。ここが一番大事な部分なんですね、破産申立書の中の。ここも、たまに白紙で持ってくる人がいますけども、その場合、私は突き返します。なんにも書いてないというのはどういうことですかと。ちゃんと書いてきてください、って言うわけですね。ただ、ここは、文章で、ちゃんと整然と書いてくる必要はないわけです。普通に私たちが考える以上に、文章が書ける人というのは少ないです。ふだん、文章を書くということは、ほとんどの人はしてないですね。日記をつけてるとかっていう人は別として。私たちは仕事で文章書いてるから、当たり前に書けるわけですけども、そういう仕事も何もしてない人は、文章は書けない人もいるわけです。そうすると、「具体的な事情」を書いてくださいねっていっても、途方にくれちゃう人が多いんですね。そうすると、これは、うまい文章で書く必要はないですよと。箇条書きでも何でもいいんですよと。そのかわり、よーく思い出して、いつごろ、何年ごろ、こういうことがあって、どこそこからお金を借りましたっていうところから書き始めてもらって、箇条書きでもいいので、とにかく思い出して、「具体的に」書いてきてくださいと。具体的にってのが大事ですね。具体的に。「生活に困って借りました」とか、そういうふうに書いてくる人がいるんだけど、それじゃあだめなんです。「生活に困った」というのを、もっと具体的にする必要があって、そうしないと破産させてくれません、裁判所が。だから、具体的に、生活に困ったっていうのを一言で片付けちゃわずに、具体的に、思い出して書いてくださいと。
 例えば、家族のだれそれが、病気になって、どこそこの病院に入院して、入院費がこれだけかかったと。それでやむをえず、武富士から50万借りたのがきっかけだとかね。あるいは家族や友人の結婚式があって、手持ちが無くて借りた、とかね。具体的っていうのはそういうことになるので、そういう部分をぜひ、よーく、本人に説明して、具体的に、箇条書きでもいいから、書いてきてくださいね、それをもとに次回お話しをお聞きしますよと。で、最終的にはそれをちゃんと整えて、裁判所の人が読んでわかるように、整えて、文章として作って出していくのが私たちの仕事ということになるわけです。
(つづく)

|

« 過払い金請求 26 | トップページ | 個人再生 15 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 自己破産 15:

« 過払い金請求 26 | トップページ | 個人再生 15 »