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2016/01/21

自己破産 7


 それから、もう一つあります。それは、免責不許可事由というものです。このレジュメでいくと「9」というところに一応書いてあるんですが。
 破産には、免責不許可事由というのがありまして、それは、いろいろあるんですけれども、実務上問題になりそうなのは、ギャンブルですね。ギャンブルで多額の負債を作ったということが一つ。それからもう一つは偏頗弁済(へんぱべんさい)ですね。不公平な弁済をした、破産の直前に。あるいは財産の隠匿(いんとく)とかね。そんなようなことですか。あと、いろいろありますが、他の事由はあまり問題になりません。一番問題になるのはギャンブルなどのケース。あるいは浪費ですか。ギャンブル、浪費。贅沢な買い物や旅行などのために多額の負債が生じたという場合。
 ただ、免責不許可事由というのが一応あるんですが、実務上、免責不許可になるケースというのは、よほど、ひどいケースです。ギャンブルで多少借金をしてるというぐらいでは、免責はまず不許可にはならない、と、思います。決めるのは裁判官ですので、私は断定はできないんですが、今までの経験上で言うと、よっぽどのケースじゃないと免責は不許可にはならないです。でも、よっぽどのケースというのが中にはあるんですね。どんなに、どんな聴き方をしても、借金の原因が、全部パチンコっていう人もいます。病的な。そういう場合は破産でいくと、まず免責は不許可だろうなっていう場合がありますね。
 それから、明らかに、破産の直前に、クレジットで買った物をお金に換金してる。それも多少じゃなくて、かなりそういうことを頻繁にしてるとか、金額にするとでかいとか、そうなってくると、免責が許可されない可能性というのが出てきます。
 その場合は、これも可能なら、なんですけど、破産ではなくて、あえて個人再生を選択していく、という場合があります。3年で返せないほどの、例えば500万、600万という負債があって、破産状態だとしても、免責不許可事由が明らかな場合は、個人再生を選択すると、100万円ぐらいの返済で済んじゃう場合があるんですね。総負債額の5分の1、あるいは100万円のどちらか多いほうを返せというのが個人再生ですので、そうすると天秤にかけて、あえて免責不許可になるリスクを避けて、個人再生を選択していくというケースも中にはあるんですね。でもこれも、その人が返済できれば、の話しです。収入のない人に、個人再生やれと言ったって無理なわけですし、収入が多少あっても、個人再生は難しいという人もいますので、その場合は免責不許可事由があろうが、財産が多少あろうが、破産するしかないんですね。
 その場合は、いくらその人が「破産はしたくない」って言ったとしても、「あなたの場合は破産しかないですよ」って言わなくちゃいけないんですね。それでその人が、「破産はしたくない」って言って、意見が折り合わなければ、「残念ですけれども、お手伝いできませんよ」っていうふうになる場合もあります。そこは、私たちは専門家ですので、見通しがないと、いくら債務者が望んだとしても、個人再生の申立書を作ってくれと言われても、個人再生が客観的に見て、無理であれば、断らなきゃいけない、ということですね。「破産の申立書なら作れますが、個人再生の申立書の作成はできませんよ」と言わなくちゃいけない場面もあるということですね。
 数やってると、そういう場面に出くわすことはけっこうあります。債務者の中には、なかなか自分の置かれている状況をちゃんと認識していなくて、自分勝手なことばっかり言う人もいます。ですから、そこはちゃんとプロとして、それはできないんだよと、言わなくちゃいけない場合もありますね。
 一応そんなような基準で、三つぐらい言いましたけど、それでだいたい最終的に破産がベストだということになれば、破産の申立てを選択していくというふうに私はしています。
(つづく)

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