« 過払い金請求 16 | トップページ | 個人再生 5 »

2016/01/15

自己破産 5

 それから、「破産を選択する基準」。ここがちょっと大事だと思うので、ここをちょっと詳しくお話ししたいと思うんですが。
 破産を選択する基準。どういう場合に破産を選択していくべきなのかということです。これは、一番難しいことだと思うんですね。要は、ここが一番司法書士としては腕の見せ所というのか、もっと言えば、その債務者が、司法書士に依頼する意義がどこにあるかっていったら、やっぱり、破産すべきなのか、任意整理をやるべきなのか、あるいは特定調停をやるべきなのか、あるいは個人再生をやるべきなのか、っていうところで、この人は破産が最善だっていうふうにアドバイスできるのが弁護士であり、司法書士であるように思います。そこに、何か報酬を払う根拠というか、いただける理由があるような気が私はしています。「書類を作成する」とかっていうのは「作業」なので、そこは時間のある人ならば、自分で書いて、集めるものも自分で集めて、出すというだけならば、できるんですね。だけども、法律的ないろいろな問題があって、いろんな観点から、ほんとに破産すべきなのか、というのは、なかなか法律家以外の方には判断ができない部分です。ですから、ここが最も重要な部分だと思います。
 どういう場合に破産を選択するかというのは、これは私が10年ぐらいやってて、まあそれなりに、自分の中で結論というか、整理したのはこうだというのをちょっとお話ししたいと思うんですけれども。
 まず一つ目としては、その人の借金を、3年で返せるかということですね。これはちょっと乱暴な言い方なんですけれども。3年で返せるかどうかが私は一つの基準だと思っています。なぜなら、特定調停にしても、任意整理にしても、分割弁済の期間というのは、だいたい3年程度とされています。もちろん、それは、法律に根拠があるわけじゃなくて、ケースによっては4年とか5年という分割に応じてもらえる場合もあるんですが、やっぱり、一般的に言って、3年以上の分割弁済に応じてもらうのは難しいと思います。ですから、3年で返せるかが一つの基準、というのがあります。で、その、3年で返せるかというのは当然、利息制限法で引き直しをした上での話しです。利息制限法で引き直し計算した上での正確な負債額を3年で返せるかどうか。
 もう一つの基準は、財産ですね。その人の持ってる財産が、この後、「4 自由財産の範囲」というところで詳しく言うんですが、例えば自動車にしても、保険の解約返戻金にしても、まあ20万円というのが一つの基準とされています。これは裁判所の運用みたいな部分なんですけれども。一つ一つ、個別の、財産の種類ごとに、20万円というのが一つの基準になっていて、例えば自動車であれば、自動車の評価額が20万を超えるのか超えないのか、あるいは保険の返戻金であれば、それが20万を超えるのか超えないのか、というところをちょっと注目して、その財産を、その人が、処分することができるかどうかっていうことを考えます。
 一番実務上、よく問題になるのは、保険の返戻金です。ですから保険の返戻金を例にとってお話しすると、生命保険などをかけていて、解約した場合に、戻ってくる金額がいくらかっていうのを確認してもらうわけです。それで、それが20万を超えなければ問題ないんですけれども、20万を超えるような戻りがある場合は、破産申立てをしていくと、解約を命じられます。絶対命じられるかどうかはわかりませんが、解約を命じられることを覚悟しなければならない。そうすると、その人にとって、その保険を解約することが、どの程度影響があることなのか、ということなんですね。
(つづく)

|

« 過払い金請求 16 | トップページ | 個人再生 5 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 自己破産 5:

« 過払い金請求 16 | トップページ | 個人再生 5 »