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2015/08/03

債務整理入門 5


 続いて4ですが、「債務整理と簡裁代理権」。で、ちょっと先に言おうと思ってて忘れちゃったんですけれども、この債務整理をやっていく上で、一つ明確に分けて話さなきゃいけないのは、簡裁代理権を持っている人と、そうじゃない人。で、簡裁代理権を持っている人じゃないとできない部分も確かにあります。そうじゃなくて簡裁代理権がなくてもできる部分もあるわけです。ですからそこを明確に区分けして、「いや、自分は簡裁代理権ないから、もうそもそもやらない、やる必要もない」、そう考えてほしくないわけです。なぜなら、もともと私たちはみんな簡裁代理権なんてなかったわけです。で、ない時代にもやってたわけです。だから、簡裁代理権がなくても、司法書士として債務整理ができる部分はあります。実際にありますから、そこは。ですからみなさんにお話しするわけです。そうじゃなければ簡裁代理権を持っている人だけ集めて話しゃあいいっていう話しになっちゃうので、そうじゃないと。ですから、これから先の話は、そこをちょっと、できれば分けて、ちゃんと自分も分けて話していきたいと思ってるんですけれども。
 で、その4というところなんですが、「債務整理と簡裁代理権」というところですが、「代理権の範囲のとらえ方」と。これは、代理権を持っている人に主にお話ししたいことです。代理権の140万円というのがあるんですけれども、その基準、考え方。少なくとも債務整理をやる上で、140万円というのはどういうふうに考えるべきなのかという話しですが。この資料でいきますと、先ほど紹介した、大きな字で書かれている文章の資料の次についているものです。縦書きの、本のコピーをしてきたんですけれども、これは何の本かというと、注釈司法書士(注1:小林昭彦、河合芳光著「注釈 司法書士法」(テイハン 発行)97頁参照)という厚い本です。特別研修のときの教材だったものですけど、注釈司法書士法、テイハンの。その97ページをコピーしてきたんですが。ここはもう、日司連なりなんなりで、きちんと見解が確立されていまして。ごく簡単にいうと、その4行目ぐらいのところです。「紛争の目的の価額の算定には、残債務の額ではなくて、弁済計画の変更によって債務者が受ける経済的利益による」んだということです。で、さらにその次の、「また・・・」というところから。「また、複数の債権者との間で一つの和解契約をする場合・・・」これは通常ないです。さらに次の行で、「債権者ごとに各別の和解契約をする場合・・・」これが普通ですから、「債権者ごとに各別の和解契約をする場合は、債権者ごとに各別に算定することになる」。つまり、5社ぐらい借りているような場合でも、債権者ごとに、1社ごとに考えればよいと。1社ごとに考えればよいというのは、何を考えればよいかというと、「弁済計画の変更によって債務者が受ける経済的利益」です。ですから、すごく簡単にいえば、例えば武富士から100万借りていて、アコムから200万借りていて、プロミスから150万借りていたとします。そうすると、例えばアコムから200万借りてたら、アコムとの交渉はもう代理権の範囲外かというと、そうじゃないということです。そうじゃなくて、例えば当初、アコムからの借入金が200万あったとしても、利息制限法に引き直して計算してみれば、それが100万円になっていると。そうすると、100万円を一括で払うという交渉をするときの経済的利益というのは、200から100に減らしてあげるわけですから、100万円ということになるわけですね。そういうふうに考えるということです。で、そう考えてくと、ほとんどすべての事例は、代理権の範囲内でできてしまいます。実際に私も、代理権をもらって任意整理をやるようになって、4年ぐらい経つのかな、やってますけれども、少なくとも、過払い請求は別として、過払い請求にはまた別の問題がありますが。そうじゃなくて、分割弁済なりなんなりしていくという、話し合いをするにおいて、代理権の範囲を超えてしまったというケースは、今まで、記憶がないだけかもしれないんですけれども、ちょっと無いぐらいなんですね。だから、弁済していくという話しをするときに、その経済的利益が1社あたり140万円を超えてしまうケースというのは、ほとんどないです。まあ、絶対にないとはいいませんけどね。もしそれでもあれば、そこんとこは代理権の範囲が及ばないということになりますが、そんなことは最初から考える必要がないぐらいのことです。
 問題は、過払いの場合。過払いになっていた場合には、過払金の返還を請求するという話しになってくるんですけれども、それが確かに140万円を超えちゃうケースというのは、これはたくさんあります。過払金が200万とか300万というケースはざらにあります。そうすると、その200万なりの過払金の請求は、ここは司法書士は代理しておこなうことはできない、ということになります。ですから、じゃあそれはどうするかといったら、本人が自分で請求するしかない、ということになるんですけれども、自分でやってくれって突き放すんじゃなくて、今まで我々がやってたように、本人で請求して駄目なら訴訟。訴訟も本人訴訟でできます。しょっちゅうやってることですので。
 だから、そういうことでやっていくと、任意整理、それから過払い請求も含めて、破産や再生もそうですけど、司法書士は、ほとんどすべての部分をカバーできます、債務整理においては。そこでカバーできない部分が出てくるとすれば、今いったように過払金がすごくたくさんある、200万も300万も、1社についてですね。1社について200万も300万も過払いがあるという場合は、「代理して」請求することはできないという、そこだけです。だけどそこのところも、ちゃんと説明して、ここんとこは、本人の名前で請求をかけていくことになりますと。実際交渉もできませんから。司法書士が交渉することはできないと。だからそこの、本人との打ち合わせとか、ケアというのが必要になってくるというのは確かにありますが、それは、やっていけば、延長線上の業務として当然出てきますけれども、それだって普段やっていることです。途中で代理権の範囲を超えちゃったから、ここは弁護士に、っていうふうにしたケースというのは私も今までないです。そこはだからできることなんですね。
(つづく)

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