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2014/08/07

栄村における住民アンケート・巡回法律相談の実施


栄村における住民アンケート・巡回法律相談の実施
   ~長野県司法書士会の取り組み~
                  司法ネット対策部 小口一成
 本年6月2日、総合法律支援法が公布された。同法は一部の条文を除き、公布と同時にすでに施行されている。同法32条4項には次のとおり記されている。
「支援センターは、地域における業務の運営に当たり、協議会の開催等により、広く利用者その他の関係者の意見を聴いて参考とし、当該地域の実情に応じた運営に努めなければならない。」
 私の地元である長野県司法書士会では、全国に先駆けて「地域の実情」を把握するための取り組みとして、「栄村における住民アンケート・無料相談会」を実施した。私自身、日司連司法ネット対策部の委員でありながら、地元における今回の事業には正直言ってほとんど関与してこなかった。そのため、地元長野会から日司連司法ネット対策部に対して委員の派遣要請が来ていることも、直前に至るまで知らなかった。「地元だから小口君よろしくね。」そんなことで、9月4日、5日と、長野県の最北端に位置する栄村において、地元長野会の会員達と共に、住民アンケートに参加することとなった。
 午前9時、栄村役場に集合。金子副会長の挨拶の後、担当の宮下理事より、アンケートの実施方法について説明がなされた。その後、二人一組のグループを組んで、それぞれに割り当てられた地域を一軒一軒回ることとなった。グループごとに住宅地図、聴き取り用のアンケート用紙、画板などを渡され、「各グループ少なくとも決められたノルマは達成するように努力してほしい。昼食は適当にとるように。午後4時30分までにはここに戻ってくるように。」と告げられる。これは思っていたより大変なことに巻き込まれてしまったぞ、と思うが時すでに遅し。
 私は自分より年齢も若く、開業年数も浅い小林会員といっしょに回ることになった。我々が割り当てられた地域は車で行かなければならない場所にあり、さっそく私の車で地図を頼りに目的地に向かった。ところがしょっぱなから道を間違えてしまい、ぐるぐるまわったあげく気が付くと元の場所に戻ってきてしまった。けしてわざとではない。これで少なくとも30分程度はロスしてしまった。そこで次にカーナビのついた小林さんの車に乗り換えて、再度目的地を目指す。さすが文明の利器。こんな山の中でもちゃんと我々を目指す場所まで連れて行ってくれたのである。
 いよいよ家庭訪問の開始だ。緊張するなあ。どこの馬の骨ともわからない怪しい二人組みがいきなり訪ねて来て(もちろん事前に司法書士会から住民の方々に広報がされてはいたが)、「アンケートにご協力をお願いします。」と言われても、自分が逆の立場だったら有無を言わさず追い返すような気がして、何となく躊躇してしまうのだった。
 二人のうち一人が聴き取りを行い、もう一人がアンケート用紙に記入をしていくようにとのことだった。一応自分が先輩でもあることだし、最初くらいは見本を見せなければいけないのではと考え、一軒目は自分が聴き取りを行うことにした。
 参考までにアンケートの質問項目を大雑把に紹介すると、「今までに法律問題で困ったことがあるか」「そのとき誰に相談したか」「今までに各種団体(市町村、弁護士会、司法書士会、その他)が開催する相談会を利用したことがあるか」「今後村内で定期的な相談会を開催するとした場合、どのような相談会を希望するか」「相談会場を設ける場合、どこにあれば利用しやすいか」などなど。
 一軒目のお宅では、その家のご主人と玄関先で立ち話をしながら聴き取りを行ったのだが、いやはや難しい。聴くべき項目の半分も聴けたかどうかの惨憺たる有様であった。
 気を取り直して二軒目のお宅へ。今度は小林さんが聴き取りを行う。ところが、小林さんの聴き取りは私とは打って変わって非常に落ち着いており、アンケートの項目を忠実かつ的確に聴き出すことに成功していた。時折アドリブも織り交ぜながらの堂々たる姿に私はただ感心するばかりだった。最初こそ迷惑そうな顔をしていたその家の主婦(ここではご主人は留守だった)も、アンケートが進むにつれて自然とリラックスした表情を見せるようになり、最後には笑顔で「ご苦労様。」と言ってくれた。これは紛れも無く小林さんの人徳によるものである。
 しばらくするとポツポツと雨が降り始め、午後からは本格的な土砂降りになった。翌日も一日中、雨は降り続いた。我々はずぶ濡れになりながらひたすら画板を持ち、家庭訪問を続けた。今回のアンケート結果が今後の総合法律支援法のもとでの準備作業に活かされ、司法過疎の解消と、国民一人一人が全国どこにいても均一な法的サービスを受けられる体制の整備に貢献するであろうことを信じて。
 なお、今回はアンケート調査に合わせて、栄村の住民を対象とした巡回無料法律相談が行われた。アンケートの集計結果の分析と、相談会の詳細な報告については後日長野会の担当者からなされることになっているのでそちらを参照いただきたい。
私自身は当日のみの参加であったので偉そうなことは言えない。今回の事業を早くから企画し、検討を重ねるとともに、前日から泊り込んでの準備作業と都合3日間に渡るある意味過酷なまでの聴き取り調査及び相談活動に文句一つ言わずに骨を折られた地元長野会の会員各位のご苦労に、心から敬意を表するしだいである。
(月報司法書士平成16年10月号掲載用原稿)

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