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2014/08/07

シリーズ本人訴訟 商工ローンと根保証 2

そうすると結局、強制執行されちゃって、まあこのままにしといたらそれまでですので、その後何をしたかと言いますと、558ページで異議申立ということをしたわけです。おそらくご存知だと思いますけれど、手形判決に対しては異議の申立てができると。異議の申立てをすると、今度はそこからは通常の訴訟手続きで審理されていくことになります。ですので、手形訴訟の中ではいろいろ言えなかったこととか、立証ができなかったことも、通常訴訟になれば、一応言いたいことは言えるということがありました。ですので、とにかくどうなるかはわかりませんが、異議を出して争おうということになりました。
 558ページの左のほうに期日呼出状がありまして、左上に事件番号がありますが、今までは(手ワ)という手形訴訟の番号だったのが、ここから先は平成11年(ワ)第○○号というふうに事件番号も変わって通常訴訟に移っていったということです。
 559ページの警告書。これはさっき説明したものですので飛ばしまして…
 560ページを見てください。準備書面。ここからが言ってみれば本番というか、ここから本格的な戦いが始まっていったということです。
 これは当時縦書きの準備書面で、ごちゃごちゃ書いてあるんですけれども、30ページ近い準備書面を提出したわけです。ここには本当にいろいろごちゃごちゃ書きました。事情説明から始まって。興味があれば後でお読みいただければと思います。ポイントだけ言っておきますと、まあ結局この書面が基本になります。最初の段階で言いたいことをほとんど全部言いました。後はここからそぎ落としていったような感じになります。最初に言える抗弁は全部言っておこうという感じです。
 まず560ページで、「第1 本案前の申立て」というのがあるんですが、ここはあまり今日の話とは関係がないものですから、ちょっと端折りたいと思うんですけれども、簡単に言いますと、支配人訴訟は駄目だよということも一応言っているわけです。Sの場合、実質的な支配人とは言えないということです。支配人というのはそれだけの権限があって、だからこそ訴訟代理権を認めるんだということなんですけれども、Sの場合は、訴訟をやるためだけに支配人の登記をして、訴訟を濫発しているということがあったんで、それは、訴訟代理権が無いよと。だから却下してくれということになるわけです。
 562ページ。「第2 請求の原因に対する認否 本案について」。ここからですね。ここからが請求原因に対する話しになります。この時点で言った抗弁というのがいくつかありまして、最初に事情についてだーっと書きまして、こういう事情で訴訟になったんですよということを書いていって、565ページを見てください。ここら辺りからが抗弁の話しになっています。
 まず、「2 被告の手形行為の有効性について」という見出しがあって、その中で言っていることは、錯誤。ややこしいんですけれども「手形の振出し」という行為自体が錯誤だという主張をまずしました。まず第一に。566ページの最後の行のところに民法95条によって本件手形の振出しは無効だと、これがまず第一の抗弁事由として主張したことです。
 次が、「3 手形行為の取消し」という部分で、仮に、右手形行為が有効であったとしても、取り消すことができるんだ。よって取り消すということを書きまして、それが民法96条1項の詐欺による取消し。この詐欺というのはSの社員の詐欺によって手形を振り出したんだという主張になっています。これが二番目の抗弁事由です。
 三番目が567ページからなんですが、これちょっとややこしいんですが、原因関係。今の二つは原因関係の話しではなくて、手形行為自体が錯誤であり、詐欺であるということをまず言ったんですけれど、今度はそうじゃなくて、原因関係について問題があるという話です。
 まず言っているのは原因関係たる保証契約が無効だというのが第一点。それから568ページで、仮に有効だとしても、詐欺により取り消す。保証契約を取り消すということです。さっきは手形の振り出しという行為を取り消すということだったんですが、今度は保証契約を取り消すということです。ここで気をつけていただきたいのは、ここでは第三者詐欺を言っているわけです。第三者とは誰かというと、主債務者です。友人のことです。頼んできた友人が、調子のいいことを言って騙したんだと。だから相手方であるSとの間で保証契約を締結してしまったんだと。第三者詐欺の場合は相手方がそれを知りたるときに限り取り消すことができるとなっていますけれども、そういう主張をしています。
 で、それだけでなくて相手方の詐欺もあったんだと。だから相手方の詐欺によっても取り消すと、両方言っています。最終的には第三者詐欺に一番力を入れて絞っていったんですけれども。
その後、570ページで、最後に信義則の主張をしていて、以上のすべての抗弁が仮に認められないとしても、ということで、何を言っているかというと、571ページを見てください。この辺に書いたことは自分のオリジナルなわけですが、自分を評価したいと思うのは(笑)、一番最後のほうに判例がついているんですけれども。結局最終的に解決がついた経緯になった東京地裁の判例の中で、私がここで言っていることと同じような判断をしてくれています。その意味ではこの当時いいことを書いたなという気がしています(笑)。
 どの辺かと言いますと、571ページの一行目あたりからちょっと読みますと、「しかも本件における約束手形は、通常使われる統一手形用紙を用いたものではなく、原告独自の様式による一覧払いのものであって、手形交換所における決済を予定しておらず、流通を予定したものというよりもむしろ、簡易迅速に債務名義を取得することができる手形訴訟を提起することを主たる目的としていると考えられるから、通常の手形におけるような、所持人の利益保護(動的安全)よりも、むしろ振出人の保護(静的安全)を重視すべきである(これは勝手に書いたんですけれども(笑))。通常の手形行為がもっぱら手形上の記載だけを斟酌して手形債務の内容を判断することとされているのに対して、本件のような流通に置かれることを予定していない手形においては必ずしもそのように解する必要はないと考えられる」なんていうことを書きました。それから、もうちょっと左のほうにいきまして、「これは手形訴訟の濫用、ひいては手形制度の濫用という他ない」ということも書きました。で、「本件においては200万のつもりだったんだから、500万の請求を受けることが寝耳に水だったんだ。少なくとも200万に制限されるべきだ」ということです。
 今読んだのと似たような文章が最終的に平成15年11月に東京地裁で出た判断でも述べられています。
これが最初に出した準備書面です。ここから始まっていったと。
で、手書きのメモみたいなもの。574ページ。これは本人にちょっと思い出して書いてきてもらったもの。なかなかいいことを書いてきてくれたので、これも証拠としてつけていきました。こういう事情で保証人になったんだよということ。
 それで、おもしろいのが575ページの取下書。なんで取り下げてきたのかはわからないんですけれども、Sが取り下げてきたわけです。この長ったらしい準備書面を出したところ。本当に理由はわかりませんけれども、支配人だから駄目だよということを言いましたから、ここで一回取り下げて、改めて弁護士をつけて出してくるのかなという感覚もあったり、よくわかりませんでしたが。ただ、結局取り下げられても何の解決にもならないものですから、駄目だよということで、異議申立書を出して、取下げには同意しないとやったわけです。もう、一度裁判を起こしてきたんだから、ここで決着つけましょうよと。じゃあなんで却下を求めたのか(笑)という話しもあるんですけど。これにはいろいろと事情がありまして。本人にとってみれば、どうでもよかったわけです。別に支配人が起こしてこようが、弁護士つけてこようが、結局内容の解決を図りたいというのが本人の気持ちだったわけです。実を言いますと、もう一人保証人がいまして、時期を同じくしてそのもう一人の保証人も訴えられていまして、その保証人は弁護士のところへ行ったんですね。その人はその弁護士に依頼してやっていったんですけれども、私のところの依頼人は本人訴訟でやっていったと。その結果変則的な併合みたいな形になったわけです。同じ裁判所で完全な併合ではなかったんですが、同時進行で、同じ期日に進めていくことになったわけです。支配人にあたらないから却下せよというのは、そのもう一人の弁護士さんというのが、日栄商工ファンド対策弁護団の一員の弁護士さんで、これは争わなければいけない部分だということになりまして、じゃあ足並み合わせてやっていきましょうということで、本案前の抗弁も出したわけです。そうしたところ、Sが取下げてきたわけですけれども、取下げは駄目だと、ちゃんと決着をつけようということで、こういうふうになったということです。
 それで、取下げに同意しないということで、改めて呼出が来まして、期日が指定されて、それで577ページを見てください。ここで、Sが弁護士をつけてきたと。それまでは支配人がやっていたんですけど。途中から弁護士をつけてきたわけです。この弁護士さんは東京の方で、毎回新幹線で来ていました。長野の地裁まで。ご苦労様だなあと思ったんですけど。これは全然余談になりますけど、最初はその弁護士さんはSの弁護士として、確かにやっていました。途中から嫌になったのか、嫌々来ているのがわかるようになって、廊下で立ち話などをしていると、Sの文句ばかり、愚痴られるようになりまして、もう辞めたいんですよとか(笑)。途中からそんなふうになっていったということもあります。
 それで、ここにある原告の準備書面は支配人の主張に対する反論ですのでとばしまして、581ページ。準備書面2。ここも支配人についてのやり取りになりますのでとばします。
 583ページを見てください。訴訟進行に関する意見書というタイトルの書面。これを出したんですが。これは出しても出さなくてもよかったのかもしれませんが、一応言っておいたほうがいいだろうということで出しました。擬制自白というのは、向こうが訴えを起こしてきておいて、弁論に出てこなかったことがあったんですよ。準備書面も何も出さずに。だから、そっちが裁判を起こしてきておきながら、誠実じゃないじゃないですかというような。請求原因とはあまり関係がないことですので、意見書という形で出したのと、裁判所が遠いので回付申請もしているんですよと。それなのに裁判に出てこないというのはあんまりじゃないですかということです。これが意味があったかどうかはわかりませんが、こういうのも一応出したりしました。
 585ページ、586ページは相手がポンと甲号証だけ出してきたものです。これと同じ契約書の控えは本人も持っていました。たしかに本人の直筆でサインがしてあるというものです。これがなぜ甲号証で出てきたかといいますと、さっきまでは手形訴訟でしたから、必要ないわけですよね。通常訴訟になってこちらも争うということになったので、その時点で裁判所がSに対して、手形だけでなく、原因関係の主張もしなさいと。原因関係の主張・立証も求めてきたわけです。それでこういう甲3号証、4号証みたいなものが出てきたと。
 で、587ページの準備書面も支配人に関する主張ですので飛ばしまして。
 590ページ。これは相手の準備書面ですね。原告の。ここで相手の原因関係についての主張が初めて出てきたんですね。今までは手形を振り出したというだけだったんですけど。で、これ読んでいただくと感じると思うんですけれど、やり気があまり無いんですよね、この弁護士も。この文章も変な文章で何を言っているのかわからないというような。いろいろと書き込みも、これ私の書き込みですけど、「?」とかいっぱいあって、何言ってるのかよくわからないっていう。こういうのが出てきました。とにかく500万という枠があることを知って、それでもかまわないからサインしてるんでしょうみたいな、そのくらいのものですね。
(つづく)

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