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2011/10/25

遺族年金の支給基準が性別により異なることの合憲性をめぐる訴訟

公立学校の教師をしていた妻と死別した64才の男性が、遺族年金の不支給決定の取り消しを求める訴訟を提起した。男性は、同決定は性差別に基づくものであり違憲であると主張している。
原告の代理人弁護士によると、遺族年金の受給資格が男女間で異なっていることの合憲性を問う訴訟が日本で提起されるのは初めてであるとのこと。

中学校の教師だった妻は、うつ病と診断された翌年の1998年に自殺。妻の死亡が労災認定されたのを受け、男性は昨年6月、地方公務員労災基金に対し、遺族補償金の支払いを申し立てた。
しかし当局は今年1月、現行法下において、男性は補償金の受給適格がないとの決定を下した。

法は、地方公務員の女性が死亡した場合、夫が60才以上の場合に限り、遺族年金の受給権を認めている。しかし実際には運用により夫が55才以上の場合にもこれを認めている。
今回、男性は妻の死亡当時51才だったことから、当局は男性の申し立てを却下した。
現行法上、地方公務員たる男性が死亡した場合、妻は年齢にかかわらず遺族年金を受給できるとされている。
加えて、夫を亡くした妻は、夫の生前の一日当たりの平均給与の153日分から245日分に相当する額を「毎年」受けることができるのに対し、妻を亡くした夫は、「合計で」妻の給与の1000日分にあたる額しか受けることができない。

今回、原告たる男性は、現行の遺族補償制度は、「夫に定収入がある」という固定概念に基づくもので、明らかな性差別を招いていると主張している。

ここからは私見。
数十年前ならばともかく、現在の日本社会において、男性が女性より経済的に優位にあるとは必ずしもいえない。
現行法が、個別の事情を度外視して、性別のみによって受給権に差を設けているとすれば、そこには違憲の疑いがあるのではないか。
原告の主張には一理あると思う。

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