講義録 過払い金請求 11
以前は、あまり意識していなかったせいもあって、利息を残していく計算方法でやっていたことも多かったです。なぜかというと、そのほうが過払い金額が少なくなるので、例えば140万円を超えるか超えないかというようなときに、利息を充当させないでおいて、ぎりぎり135万円ぐらいに過払い金を抑えて、簡易裁判所に提訴する、みたいなやり方を、実際にしていました。でも、それはやっぱり間違っていると思うんですね。そうではなくて、正しい計算方法はどちらかって考えるべきだと思うんですよ。私は、これはどちらが正しいのかって、ずっと考えていて、最近は、これしか理由が無いな、と思っているのは、民法の491条1項です。
これはどこかで弁護士さんが書いた準備書面を見たことがあるんですけれども、この利息の充当を、このような形でする、なぜするのか、っていうその理由なんですけれども。さっき「充当」という言葉を使ったんですが、ちょっと技術的な話しになるんですけれども。充当というのは、言葉の使い方によってはちょっと微妙な言葉なんですけれども、この場合でいくと、まず、過払い金が発生しましたと。で、次に貸付が生じるわけです。過払い金がまずあって、その次に貸付が生じる。そうすると、その貸付というのは、とらえようによっては、過払い金に対する弁済、支払い、というふうな見方もできると思うんですね。そうすると、ここのケースでいくと、過払い金5976円が発生した後に、業者が20000円を貸していますので、この20000円を、過払い金に対する弁済というふうに見た場合には、この条文の問題になってくるわけです。
この条文は、法定充当の規定で、何を言っているかというと、利息と元金を返さなきゃいけない場合において、全部を弁済にするに足りない弁済をしたときには、まず利息、次に元金に充当されるんだ、というような条文だったと思います。まず利息、次に元金。これが法定充当の規定。これが根拠だろうと思うんですね。つまり、このケースでいえば、5976円という過払い金と、それに対する利息4円が、あるわけですよね。業者はそれを返さなければいけない状態にあるわけですが。その段階で20000円を業者が貸したとすると、ただちにその20000円が、まず利息の4円のほうへ充当されて、その次に元金の5976円に充当される。それは、充当という言葉を、さっきと反対に使っているんですけれども。さっきは私は充当というのは過払い金が借入金に充当される、という言い方をしましたけれども、今度は逆の使い方をしてます。一貫してないと言われればそんな気もしますけれども、ただ、根拠ってどこにあるかというと、やっぱりここにしかないと思うんですね。
そう思って私は、業者から何か反論があったりした場合には、理由はこれです、っていう準備書面をいつも書いています。まあ、そこのところは、裁判所は、特に、特にというか、私が関わっている範囲では、裁判所はあまり相手にしていませんので、こういうふうに計算すべきだという部分については、ほぼ認めてくれてますので、あまり問題にならないかなと。
(つづく)
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長野県 松本市 小口一成司法書士事務所
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