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2008/09/04

三菱UFJニコスとの電話会議

先日、某簡易裁判所において、三菱UFJニコスとの電話会議を行いました。
電話会議というのは、裁判上の手続きの一つで、当事者が遠方にいるなどの理由から裁判所への出頭が困難な場合に、和解や争点の整理を目的とした話し合いを、裁判所の部屋に備え付けられた電話会議システムを利用して行うものです。
今回の裁判は、三菱UFJニコス(もと日本信販)からお金を借りて、返済を続けてきた結果、過払いとなっていることが判明したため、過払金の返還を求めて訴訟を提起したものです。
いつものことですが、三菱UFJニコスに対しては、訴訟を提起する前に過払金の返還を請求しましたが、当方からの請求に対して、返金はおろか、何らの回答もいただけなかったため、やむを得ず訴訟を提起するに至ったものです(このようなケースは常態化しているといえます)。
当方の計算によると、このケースにおける三菱UFJニコスに対する過払金額は、8万8000数百円ほどでありました。
電話会議の前日、三菱UFJニコスの代理人を務める弁護士から、私の事務所にFAXが入りました。
それによると、準備書面の中で、一応、悪意の受益者であるという点については争うとしながらも、和解の提案として、概ね、悪意の受益者による5%の利息を付加した過払金額から、1000円未満の端数を免除していただき、88000円で和解に応じていただきたい、ということでした。

そして電話会議当日。
まず、裁判所の書記官が、三菱UFJニコスの代理人弁護士の事務所に電話をつなぐところから手続きが始まります。
相手方弁護士が電話口に出ると、裁判官が、弁護士と二言三言、言葉を交わした後、相手方弁護士に対し、「つまり、先生の提案は88000円ということですね」とたずね、相手方弁護士は、「そのとおりです」と答えました。
つづいて裁判官が私に、「原告代理人、いかがですか」とたずねてきました。
私は、相手方弁護士に対し、次のように伝えました。
「先生からお示しいただいた和解案については、一定の理解はできます。しかしながら、この案に応じることはできません。なぜならば、第一に、悪意の受益者性については、現在では、訴訟上および訴訟外を問わず、これを認めた上での解決が一般化しており、本件においても、この点について譲ることはできません。第二に、本件については、毎度のことですが、訴訟の前に(すでに昨年の段階で)、過払金の返還を請求しているにもかかわらず、返金はおろか、何らの回答もいただけなかったために、やむを得ず訴訟を提起することになったものです。そうである以上、少なくとも、最終取引日以降の経過利息はもちろんのこと、訴状に貼り付けた印紙代、訴状送達に要した送達費用、および資格証明書取得費用を付加した金額でなければ、応じることはできません。それらを付加した金額から、1000円未満の端数をカットすると94000円になりますので、その金額であれば和解に応じたいと思います」
そのように伝えたところ、相手方弁護士は、「94000円ですか・・・。92000円まででしたら会社から枠をもらっているので和解が可能なのですが・・・」と言います。
私は、「これまでの経緯からして、92000円では応じることができません。あくまでも94000円が最低条件です」と伝えました。
すると裁判官が、相手方弁護士に対して、「どうですか。ここは先生のお力で、94000円で何とか和解になりませんかね」
とたずね、相手方弁護士は、しばらく思案した後、「わかりました。その金額で応じさせていただきます」
と答え、当日、94000円で和解が成立しました。

88000円と94000円。たかが6000円しか違わないじゃないか、といってしまえばそれまでですが、私はこの6000円の違いは大きいと思います。
私がここで訴えたいのは、金額の話しではなく、「こんなやりとりが、裁判所と弁護士、それに司法書士という法律家たちの間で、当たり前になっているようではいけない!」ということです。
貸金業者は、お客さんからもらい過ぎた過払金がある以上、直ちにこれを返金しなければならない。こんなことは当たり前の話しです。
それなのに、訴訟が起こされない限りは知らんぷりを決め込み、実際に訴訟が起こされて初めて、やっと重い腰を上げ、しぶしぶ返金に応じてくる。過払金請求に対する反論があるのならまだしも、さしたる反論もないのに、そのような対応が当たり前になってしまっている。
そして当事者だけでなく、それに関わる弁護士や司法書士、裁判所も、そうした流れにすっかり慣れきってしまっているとしたら・・・。
こんなことをいつまでも続けていてはいけないと思います。
ことに、今回の相手は、わが国の信販・貸金業界を代表する大企業なわけですから、今回のような対応が当たり前になっているとしたら、それは大きな問題であると思います。
みなさんはどう思いますか?

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AFPと2級ファイナンシャル・プラニング(FP)技能士の違いは、AFP資格審査試験を兼ねた2級FP技能検定試験に合格し、AFPとして日本FP協会に登録すればAFP・2級FP技能士であり、登録しなければ、2級FP技能士のみ、という違いです。 [続きを読む]

受信: 2008/09/04 12:18

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