2009/11/17

個人再生(個人民事再生) 4

 最初に言っておきますと、個人再生手続きの中には、2種類ありまして、一つは、小規模個人再生、もう一つは給与所得者等再生という、二種類の、二通りの手続きがあります。で、実務上多いのは、小規模個人再生です。私は、最初のうち、3~4年前の頃は、給与所得者等再生をけっこう使ってたんですが、最近はほとんどもう使わなくなって、去年、今年あたりは、すべて小規模個人再生を申し立てています。
 ごく大雑把に、簡単に説明しちゃいますと、給与所得者等再生というのは、収入の変動が少ない人しか使えないんですね。小規模個人再生というのは、収入の変動があろうがなかろうが、ある程度の収入があれば使えます。ですから、小規模個人再生のほうがターゲットが広いんですね。その中の、給与所得者等再生というのは、収入の変動がそんなに多くない、まあ具体的にいうとサラリーマンのような方が使える手続きです。
 で、どういう違いがあるかというと、給与所得者等再生というのは、その人の、収入の中の、ある部分は、原則として返済させるんですね。負債がいくらであろうと、負債が多かろうと少なかろうと、収入がこれだけある人の場合は、そのうちのここの部分だけは返済をしなきゃいけない。その代わり、債権者の過半数が反対しようが何しようが、認めてもらえるわけです。そういうメリットがあるんですね。だから給与所得者等再生というのは、返済額で縛りがあるぶん、債権者が反対しても強制的に認めてもらえるという、そういうものなんですね。
 一方の小規模個人再生は、収入のうちのこれだけは返済にあてなさい、というハードルが全く無いです。個人事業者のような方、あるいはサラリーマンの方であっても、別に小規模個人再生を使ってもいいんですね。その場合は、収入のうちのこの部分は返済しろという条件がありませんので、さっき言った、100万円か、5分の1だけでいいと。まあ財産があればまた変わってきますけど。

(つづく)

↓管理人のホームページはこちらです。

長野県 松本市 小口一成司法書士事務所

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009/10/14

講義録 過払い金請求 17

 それから、「5 過払い金が140万円を超える場合の対応」。これは、あえて言っておきたいと思うんですが。
 過払い金が140万円を超えるか超えないかというのは、本来は、どうでもいい話し。司法書士の都合だけの話しなんですよ。そのしわ寄せがお客さんに行ってはいけないということです。依頼してくる人にとっては、140万を超えるか超えないかなんて、どうでもいい話しなんですよね。それを私たちの側が、変に、依頼者の権利を制約しちゃうような物の言い方をしたりとか、対応をしちゃいけないということなんですね。具体的に言えば、もちろん代理権が無いのは事実ですが、そのことと、過払い金の返還を請求する権利があるということも全く別問題ですし、繰り返しますけれども、依頼者にとってはどうでもいい話し。そう考えると、私たちのスタンスとしては、自分が代理するか、弁護士にバトンタッチするかっていうことを、自分の尺度で測るんじゃなくて、依頼者の立場に立って、考えるべきだろうと。まあ当たり前の話しですけどね。それよりも、むしろ、もっと踏み込んで言えば、140万円の範囲に納まろうが、超えていようが、やっぱり信頼して依頼してくださったわけですから、最後まで、その人のために、お手伝い、支援をしてあげたいし、してあげるべきだし、してあげることがその依頼者のためになるだろうと、いうふうに信じるんですね。
 「140万円を超えちゃったから、本人訴訟になっちゃいますよ。もし自分でできないんだったら弁護士さんのところに行きなさいよ」って言っちゃえばいいのか。そうじゃなくてね、最後まで、支援してあげられるための工夫っていうのを、すべきなんじゃないかってことなんですね。
 これは、なぜ、そう言うかというと、やっぱりこれは、ことある度に私は言うんですけれども、もともと代理権なんか無かったからなんですよ。もともと代理権なんか無くてもやってたんですよ。今はもう、代理権があって、例えばこれから仕事を始めるという方は、代理権があるのが当たり前なんですけれども、何年か前までは、無かったわけですね。無くてもやっていたわけです。やってる人は、やっていた。訴訟も、本人訴訟の支援という形でやっていたんですね。それが、少なくともじゃあ、やっていた人間が、それは当たり前のようにやっていました。それが、司法書士法の改正で、140万というのができたことによって、今までやっていたはずの、140万を超える、200万とか300万という過払い請求に手を出さなくなってしまったとしたら、こんなに情けないというか、悲しい、残念なことはない。自らの職務範囲というか、仕事の範囲を自分で狭くしちゃってるようなもので、もともとできていた、認められて、堂々とできていた業務なんですから、司法書士法が改正されたことによって、それが狭くなっちゃったんでは本末転倒であって、できるはずなんですよ。もちろん、全部がとは言いませんがね。よほどの場合でなければ、つまり、弁論能力というか、行為能力というかが、よほど劣る人でなければ、本人訴訟で、何ら不都合なく、できています。できます。ですから、そこはぜひ、大丈夫ですよと、励まして、本人訴訟なり何なりであっても、できますよと言って励ましてあげるスタンスを、ぜひ持っていただきたいということです。

(つづく)

↓管理人のホームページはこちらです。

長野県 松本市 小口一成司法書士事務所

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/09/24

個人再生(個人民事再生) 3

 あとは、前回も言いましたけれども、財産を持っている人の場合ですね。財産を持っていて、総資産の評価額が、100万円を超えてくるような場合には、その超えた額を返済しなきゃいけない、ということを前回言いました、個人再生の場合は。
 例えば、自動車がある、保険の返戻金がある、預貯金がある、退職金の見込みががある、で、全部足すと150万円になるという場合は、100万ではなくて150万円を返済しなきゃいけない、ということもあります。
 ただ、どういう場合に一番再生が使えるかというと、よく私が遭遇するのは、保険に入っている人ですね。生命保険に入っていて、解約すると返戻金が数十万円あるようなケース。で、もうちょっと辛抱すれば満期になって、保険が下りてくるというようなケース。そういう人は、破産すると、保険を解約して配当しなきゃいけなくなっちゃうんですね。だけど、個人再生であれば、解約する必要はなくて、今現在の返戻金に見合うまでの返済だけをすればいいということになるので、大いに破産よりもメリットがある、ということもあります。前回もお話ししたことなので、これ以上はいいと思いますが。
 そういう形で、個人再生というのは非常に使える場面が多いので、ぜひマスターして、積極的に申立てをしていっていただきたいというふうに思います。それが一番目のところです。
 で、「2 個人再生手続きの流れ」。ここが今日のポイントになりますので、ここに入っていきたいと思います。

(つづく)

↓管理人のホームページはこちらです。

長野県 松本市 小口一成司法書士事務所

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009/09/16

講義録 過払い金請求 16

 それから、4ですね、「訴訟になった場合に、訴訟費用も含めてきっちりと回収すべき」と。訴訟になった場合に、訴訟費用も含めてきっちり回収するためにも、訴訟前に一度は請求しておくべきだろうということです。まあこれは当たり前のことだろうと思うんですけれども、一回も請求せずに、いきなり訴訟というと、さすがに相手にとっても酷な場合もあるかなと。一言いってくれれば、一回、電話なりFAXをしてくれれば、返金に応じたのに、話し合いに応じたのに、って言わせないために、やっぱり最低一回は請求して、期限を切って、請求して、駄目なら訴訟っていうふうに、私はしています。例外はありますけどね。相手方が倒産しそうだとか、請求しても100%無駄だってわかっているようなケースとか、いろいろ例外はありますけれども(注:最近はこの「例外」が増えてきている感があります)。原則的には一度は請求して、駄目なら訴訟。その代わり、そうやって一度請求して何も応じてこなかった以上は、訴訟になった以上、余計な費用をかけさせられているわけですから、絶対に譲らないということで、やるということです。

(つづく)

↓管理人のホームページはこちらです。

長野県 松本市 小口一成司法書士事務所

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/09/07

個人再生(個人民事再生) 2

 では、内容に入っていきたいと思います。
 「はじめに」というところで、「個人再生のメリット・デメリット」、それから「個人再生を選択する基準」。これはもうセットでお話ししちゃいたいと思います。
 前回の、「破産のメリット・デメリット」というところでお話しした部分と重複する部分もありますが、住宅ローンがある場合と、それ以外の場合というふうに分けられると思います。両方で使えます。で、住宅ローンがある場合の話しをまずしたいと思います。住宅ローンがあって、かつ、多重債務を抱えているというような場合に、個人再生という手続きができる前は、破産するしかなかったんですね。破産して住宅を手放すしかなかった。ところが、個人再生手続きができたことによって、すごく大雑把な言い方をしますと、「住宅ローンだけは別枠で払い続けながら、それ以外の負債だけを減縮してもらう」、そういう手続きです。一定の制約はあるんですが、それによって救われる人というのはかなりいます。今年、私は10数件出しているって言いましたけど、そのうちの半分ぐらいの方が確か住宅ローンを抱えていた人でした。ですから住宅を残せるというメリットがある、というのが一つですね。ただ、気をつけていただきたいのは、住宅ローンがあるからといって、全部が全部、個人再生で救えるわけじゃないです。住宅ローンがあっても、個人再生で救えない場合もあります。それは後でちょっと触れたいと思いますが、そこは気をつけていただきたいと。
 それから、住宅ローンが無い場合。住宅ローンが無くて、多重債務状態にあるという場合で、個人再生のメリットというのはどういうところにあるか。これは、細かい話しはしませんが、ポイントだけ言いますと、個人再生というのは借金の一部だけを払って、残りは免除してもらう手続きなんですね。で、一部だけ払うって言いますけど、どれだけ払わなければいけないかっていうと、とりあえずこれだけ覚えておけばいいと思います。5分の1か、100万円。5分の1か100万円のどちらかを払う。どちらか多い方を払うということです。5分の1というのは、総負債額の5分の1ということです。利息制限法で引き直しをちゃんとするわけですけど、それをした上での総負債額、例えば500万とか、300万とか、それの5分の1か、または100万円の、どちらか多いほうを払う。これだけでいいです。正確に言うと、総負債額が1500万を超えてくると、違ってくるんですよね。または3000万をさらに超えると、また多少違ってくるんですけれども、そのあたりは、ぜひ書籍を見てください。だいたい、1500万を超えるような人はめったにいないので、5分の1か100万とだけ覚えておけばとりあえずはいいと思います。
 つまり、実際にはどういう人が多いかというと、総負債額が、500万円ぐらいの人が多いんですね。そうすると、総負債額が例えば400万円だとすると、普通に任意整理をすれば、400万円を返さなければならないはずです。だけども400万円を任意整理で3年かけて分割払いなんて、普通の人はまず無理です。そういう、利息制限法で引き直ししても400万、300万、あるいは500万ぐらいの負債が残るという人が、100万円だけ返済すればよくなっちゃうんですね。そういうことで、大いにメリットがあるわけです。だから、負債額が、引き直しても200万ある、300万ある、そうするとこれは再生をすれば100万円で済んじゃう、ということがありますね。もちろん、破産をするという選択肢もありますけれども、いろんな事情から破産は避けたい、という場合には、再生で100万円を3年かけて払っていけばいいということです。100万円を3年で払うということになると、一ヶ月28000円ぐらいで済んじゃうので、それで立ち直れる人というのはかなり多いです。ですから、住宅ローンが無くても、個人再生というのはかなり使える場面が多いです。

(つづく)

↓管理人のホームページはこちらです。

長野県 松本市 小口一成司法書士事務所

| | コメント (0) | トラックバック (3)

2009/09/04

講義録 過払い金請求 15

 まず一点。まず、債務整理を行っている顧客なんていうのは、全体のうちのごくわずかであるということです。ほとんどの人は、約定どおりの取引を続けているんですね。そのうちの何割かは私は知りませんが、一割もいないんじゃないですか。その、全体のうちのごくわずかな、支払いに行き詰った人が、債務整理をしに、司法書士の事務所に来るわけです。で、その中で、さらに過払いになっていて返還を求める人なんていうのは、またさらにその一部なわけですから、その人たちの過払い金の返還請求の話しと、反対に業者側からの、残債があるからそれを払えという話しというのは、やっぱりレベルの問題でいっても、質の問題でいっても、全然次元が異なる話しだろう、という反論の仕方が一つ。うまくいえませんけどね。「そんなのそもそもおかしいよ」って感覚的に思うわけですよ。
 それから、もう一つは、つまり先ほどの例でいくと、(業者が)「経過利息も含めて払ってもらいますよ」って、もし言ったとすれば、それは違うだろうと。これは私のやり方なんですけど、私は少なくとも、過払い金の返還請求をするときに、経過利息なんか求めてないわけです。「最終取引日時点の過払い金は全部返せよ」って言ってるだけなんですよ。で、それで応じない場合には訴訟にして、訴訟になった場合には、経過利息、つまり返金日までの利息も、きっちり付けなければ駄目だよっていう言い方をしてますが、少なくとも訴訟前の交渉の段階では、経過利息なんか言ってないんですね。最終取引日までの利息を請求してるだけなんですよ。だからそれは、フィフティー・フィフティーというか、公平なんですね。少なくとも私のやっている範囲においては、公平なはずなんです。で、例えば、(こちらが)一括で返す場合に、10%とか20%譲ってくれる業者が現にありますが、それはまた別問題です。だからといって、過払い金を同じ割合で減らすかというと、そうじゃないと思うんですよ。ということが一つ。
 それからもう一つは、債務整理の公共性です。債務整理って、やっぱり、公共的な面があります。債務者は、支払いに行き詰って、相談に来る。放置しておけば、犯罪に走ったり、夜逃げをしたり、いろいろな悪い影響が出てくる。それを防止する意味があるんですね。そのために弁護士、司法書士が防波堤になってあげているという、公共的な役割があるというふうに考えると、業者の側の、貸金を返せという権利と、支払いに行き詰って相談に来た債務者が債権調査をしてみたら、過払いであることがわかった、だからそれを返しなさいという権利とは、やっぱり異質なんですよね。だからそこを、過払い金を全部返せっていうのなら、貸金債務も全額返せよっていうのは、やっぱり違うだろうと。公共性の面から考えるとね。というような反論も一つありえますね。
 それから、似たような点ですけれども、債務整理というのは、債務者という一個人の生活の建て直しをはかるという側面があります。一方、企業の側の、貸金の返還請求というのは、もっぱら企業の論理というか、利潤の追求の上での話しですね。やっぱりそれは性質が異なる。個人の破産と法人の破産というのも、やっぱりだいぶ違いますよね。個人の場合は生活の更生というのが重要な目的の一つになってますから、そういう面から考えても、過払い金を全部返せって言ったからといって、貸金債務はびた一文譲らないよっていうのは、やっぱり、秤にかけるとおかしいだろうと。というか、秤にかけるべき問題じゃないだろう、という気がするんですね。そういうような反論が一つ。
 それから、さらに、あげていけばいろいろ出てきますが、そもそも「なんで過払いになったか」って考えれば、それは業者が、利息制限法という強行法規に違反した営業を行っていたからなんですね。罰則があります。17条書面、18条書面を交付しなければいけない。これに違反した場合には罰則が科されます。そういう規定に違反した営業を漫然と10何年も行っておきながら、いざ、過払い金を返せと言われたときに、「譲ってくれないんだったらこちらも譲らんよ」、みたいなことを言うこと自体がおかしいだろう、というような言い方もできると思いますね。
 それから、過払い金というのは、やっぱり、さっきの最高裁じゃないですけれども、業者は、十分知っているはずです。だとすると、いちいち顧客から返還を求められてから腰をあげるんじゃなくて、わかってるんだから直ちに自分のところで計算して、返すべきなんですよね、本来は。それを、弁護士や司法書士が介入してくれて、初めて明らかになって、それを手間隙かけて請求して、応じないから裁判やって・・・っていうことになってること自体がおかしいです。
 そういういろんなことから考えていっても、過払い金を9割にしてやる、8割にしてやるっていう話しと、貸金を9割にしてもらう、8割にしてもらうっていう話しは、次元が違う問題であると。最大の理由は、一番最初に言った理由かなと思いますね。実際に債務整理に至っている顧客というのは全体のうちのごくわずか。サラ金を利用している顧客っていうのは何百万人もいますよね。何千万人もいるのかな。という中で、弁護士事務所、司法書士事務所に依頼して債務整理をしている人の割合なんて、ごくわずかですよ。さらに過払い金の返還を求めている人なんてごくわずか。わずかのわずかですから、そういう(過払い金の返還を求める)権利と、業者が営業上当然請求している貸金の請求、それは同列には扱えない。で、もっと言えば、弁護士や司法書士というのは、協力してあげているわけですよ、業者の回収に。放っておけば回収できないものを、弁護士や司法書士が間に入って、回収を助けてあげているわけです、任意整理というのは。そういうこともいろいろ考えていくと、業者がさっきのような理屈をこねたとしても、それは違うって、堂々と言える。変な駆け引きをしたり、「あの会社はいつも貸金を負けてくれてるから、過払い金も負けてあげなきゃいけないかなあ」なんて迷う必要はないということです。私はそう思います。

(つづく)

↓管理人のホームページはこちらです。

長野県 松本市 小口一成司法書士事務所

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009/08/19

個人再生(個人民事再生) 1

講演録 長野県司法書士会諏訪支部研修会「司法書士のための債務整理入門(各論4 個人再生)」
平成19年11月7日 於:諏訪市公民館

 では、頭を切り替えていただいて、個人再生のほうに入っていきたいと思います。資料は、今日お配りした、この資料です。一枚、後から気が付いて出した、メモみたいなものがあるかと思いますが、これも使います。
 個人再生は、最近、というか、4~5年前にできた、新しい手続きです。それまでは無かったんですが。今は、破産などに比べると、件数は少ないようです。ですが、私の予想では、今後は、任意整理や破産は減少傾向になっていって、再生は増えていくだろうというふうに、予想します。ですから、再生は重要です。よく理解して、再生の申立てができる、というふうにぜひなっていただきたいと思います。私の事務所では、去年あたりから、破産より再生のほうが多くなっています。今年は再生が、10数件ぐらいかな。少ないんですけどね。もっと出さなきゃいけないんですけど。20まではいかないです。諏訪の裁判所で、今、再生が年間でたぶん、30数件ぐらいだと思うんですよ。そのうちの10数件を私が出してますので、一番たぶん多いと思います。弁護士さんを含めても、たぶん諏訪の地裁で一番数多く再生を出してるのは私だと思いますので、みなさんもぜひ、出してください。
 再生は、使いようによっては、非常に使い勝手がよくて、依頼者にとってはメリットがかなり大きい手続きで、非常に有効な方法なので、ぜひマスターしていただきたい。流れさえつかんでおけば、どうってことはないです。いろいろと細かい規定とかはあるんですが、それは私も、わからないままやっている部分があります。わからないままやっていっても、書記官の方が教えてくれるので、あ、そういうことだったんだ、という形で、やりながら実力をつけていくぐらいでちょうどいいと思いますので、そんな形でぜひ取り組んでいただきたいということ。
 それと、前提としてやっぱり必要なのは、再生も一冊本を買っていただいて、読んでいただくのは絶対に必要だと思います。このレジュメの一番下に紹介しておきましたが、必読図書ということで、「個人民事再生の実務」というのが民事法研究会から出ています。これは日司連のほうで出した本で、一番司法書士向けに書かれているので、これ一冊あればいいと思います。ですのでこれをぜひご購入いただいて、一度はすみからすみまで読んでいただく必要があると。で、その後はもう、どんどんやっていくと。やりながら、調べながら、書記官の方から教わりながら、やっていくぐらいでちょうどいいだろうと思っています。
 で、今日お話しする内容は、あと一時間ちょっとしかないので、ざーっと実務の流れです。細かいことには触れなくて、私が、さっき言ったように諏訪で一番出している人間なので、ふだんこんなふうな流れで個人再生の申立てをして、やっていますということを、お話ししたいと思います。本にはあまり書いてないようなことを話したいと思っていますので、あとは足りない部分は書籍で補っていただきたいと思います。

(つづく)

↓管理人のホームページはこちらです。
長野県 松本市 小口一成司法書士事務所

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2009/08/10

講義録 過払い金請求 14

 その下の、米印で、「債務額は最終取引日をもって確定すべし、という日司連の統一基準とも整合する」んだ、ということなんですが、ここも大事ですのでちょっと触れておきます。
 さっきの日司連の統一基準の中に、「債務額の確定」という部分で、「最終取引日をもって確定する」んだというのがありました。で、それはどちらかというと、その後の経過利息とか、そういうものは付さないという趣旨で、そういう規定があったと思うんです。
 じゃあそれを、今度は、過払いの場合にあてはめて考えてみると、過払いの場合も、やっぱり最終取引日をもって確定すべきだ、ということになると思うんですね。そうすると、通常の事例だと、借りたり返したり、借りたり返したりしてきて、最後に、返済なり、借入れをした日。この日でもって確定するんだとすると、さきほどの計算方法でいくと、過払いのケースにおいては、その最終取引日までの間に、すでに相当の過払い金に対する利息が発生してきているという場合が多いと思います。
 具体的にこの資料で言うと、10ページを見ていただきますと、「合計373984円」とありますが、これは、その最終取引日時点で切った場合に、過払い金366669円プラス、その日までに利息が7315円発生している、という意味なんです。その両者を足し合わせた373984円が、この最終取引日時点の過払い金額ということになるんですね。ですから、日司連の統一基準と並列的に考えたとしても、少なくとも、この任意整理の基準と同じように考えた場合には、少なくとも373984円は返してもらうべきだろうというふうに(私は)考えているんですね。
 で、ここでちょっと悩むというか、迷いが出てくる場合があるかな、と思われるのは、業者が、「じゃあ、そんなに厳しいこと言うんだったら、反対に残債務が残るときにも、うちは一切譲りませんよ。経過利息も含めて、全部返してもらうんじゃなきゃ、もう一切和解には応じませんよ」みたいなことを言ってきた場合に、どう考えたらよいかということです。
 実は、それに対する反論というのは、いくらでもできます。これ、みなさんも自分で考えてみてくださいね。ちなみに、私なりに考えたことを言うと・・・

(つづく)

↓管理人のホームページはこちらです。

長野県 松本市 小口一成司法書士事務所

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/07/21

破産 59

 あとは、まあ、やってみるとわかりますので、ここで言わなくてもいいでしょう。
 申し込みを郵送でしますと、しばらくすると、法テラスから、ご本人のところへ、郵送で、契約書類一式が送られていきます。本人のところへ送られていきますので、ご本人がそれを見て、契約書に記入をしたものを、もう一回法テラスへ返送することになっています。で、そこから、最後、法テラスから本人の署名捺印がされた契約書が司法書士のところへ来て、司法書士がそこにさらに、契約書に署名捺印をして、法テラスに送り返すっていうような流れになります。そうすると、しばらくすると、法テラスから10万ちょっとが口座に振り込まれるということになります。
 で、あと、法テラスに報告をしなければならないというのもありますけれども、ここにも資料を付けておきましたけれども、こういうのは全部、説明書きが付いてきますので、説明を読んで、そのとおりにしていただければいいかと思います。
 あと、法テラスのこの書類作成援助を使うためには、あらかじめ、法テラスとの契約を結んでおかなければいけないということになってますので、もし、法テラスとの契約をまだ結んでない方は、司法書士会の事務局に連絡をしてください。で、「法テラスと契約をしたい」と、言っていただけばすぐできますので、それをまずするということですね。
 破産の説明は一応以上になります。
 で、ちょっと時間がありませんので、引き続き、再生の話しをしてしまいまして、最後にご質問をまとめて受けるようにしたいと思います。

(了。各論4へつづく)

管理人のホームページはこちらです。

長野県 松本市 小口一成司法書士事務所

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/07/16

講義録 過払い金請求 13

 次に、レジュメの3ですね。「過払い金は他社への弁済の原資となるものであり、むやみに減額することは許されない」ということからすると、「全額回収を原則とすべき」と。例外として、「訴訟にかかるコスト」というふうに書きました。
 これは、過払い金というのは、もちろんその人自身が返還を求める権利があるものであると同時に、通常は他の債権者への弁済の引き当てにもなる場合が多いです。そういうことから考えると、むやみやたらに、8割とか、7割とか、9割とかいうように減額していいのかという話ですね。例えば最終的に破産になったときに、8割って、何の根拠もないですよね。そうすると、それは財産を不当に減らした、みたいな話しに、極端なケース、そういうことにもなりかねない。だから、そうすると、むやみに減額していいかっていうと、それはいけないのではないか、という意味で書いたわけです。
 で、例外として、訴訟にかかるコストって書いた意味は、そうは言ってもこっちが突っ張りとおしたときに、過払い金が100万円あって、全部返せって言っても応じない、というときに、じゃあ訴訟をしなきゃいけなくなったと。訴訟というのはやっぱり一定のコストがかかりますよね。無傷で済むっていうわけじゃなくて、やっぱり訴訟をするために若干コストがかかる。そうすると、訴訟にかかるコストぐらいは、引いてもやむを得ないかな、という意味で書きました。もちろん、後で説明しますように、訴訟費用も全額きっちり回収するという方針で臨むんだとすると、そもそもこの訴訟にかかるコストというのも考える必要はないということになりますけどね。ただ、まあ現実的に考えると、訴訟にかかるコストというのは、例えば、過払い金100万円であれば、例えば5万円ぐらいとか、そのぐらいは譲ってもしょうがないかな、という場合はあるかもしれません。これも、各事務所によって異なると思いますけれども、一応そういうような考え方というのがあるかなということです。

(つづく)

管理人のホームページはこちらです。

長野県 松本市 小口一成司法書士事務所

| | コメント (0) | トラックバック (1)

«破産 58